Yahoo!ニュース

動物園で人気のアルパカ「モコちゃん」が死亡。知っておきたい動物にとって有害な植物

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(写真:イメージマート)

盛岡市新庄の市動物公園ZOOMOで飼育していた雌のアルパカのモコちゃん(9歳)が有毒な植物を食べたことが原因で、亡くなりました。今日は、植物のなかに動物にとって有毒な植物があるので、それを見ていきましょう。

なぜ、アルパカのモコちゃんは亡くなったか?

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

岩手日報は、モコちゃんは6日に新しい放飼場で昼ごろは元気に草を食べていたと伝えています。夕方に職員が獣舎に戻すときに、モコちゃんが地面に座り込んでいる姿を発見しました。不審に思った職員が、放飼場を調べると「有毒な植物のアセビ」の新芽を食べた形跡があり、それが原因だとわかってモコちゃんの体内から毒素を排出させる治療に取り組みましたが、亡くなってしまったということです。

同園のサイトには、以下のように掲載されています。

“モコ”の症状から異物もしくは有毒植物を食べた可能性が高いと考え、治療開始と同時に草地放飼場を再度点検したところ、有毒植物であるアセビを食べた形跡を発見しました。“モコ”はアセビ中毒の可能性が高いと推測されたので、毒素を排出させる治療を進めました。それと同時に、当日同じ放飼場に出ていたラマの“ミーチョ”とヤギの“むく”もアセビを食べたことを疑い、寝室内での様子を注視していましたが当日は異常ありませんでした。

“モコ”が亡くなった翌日の4月6日昼前にラマの“ミーチョ”が“モコ”と同じ症状になり、“モコ”と同様の治療をしたところ幸いにも翌日の7日からは回復傾向にあります。また、ヤギの“むく”には現在も症状はありません。

同園では、放飼場を20日のリニューアル開園のために、従来の1.5倍に面積を拡大し、そのときアセビの木は枝を剪定(せんてい)しましたが、新芽が出たので、モコちゃんはそれを食べてしまったということです(現在はアセビを根ごと抜いて撤去しています)。

モコちゃんは、「お迎え動物」として人気者になり、多くの人から愛されていました。同園のスタッフの方もつらい思いをしているだろうし、ネットでは「モコちゃんともう一度、会いたかった」などの別れを惜しむ投稿もあります。

モコちゃんが食べた有毒な植物の「アセビ」って?

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

アセビの葉にはアセボトキシンなどの有毒成分が含まれることから、誤って口にしてしまった馬が毒でふらつくので「馬酔木」と書き、そして「ウマゴロシ」と呼ばれることもあります。身近な有毒植物の1つとして有名ですが、植物に関心のない人は知らないこともあるでしょう。

アセビは本州や四国、九州に分布するツツジ科の植物です。春の彼岸の頃から、薄いピンク色や赤紫色の小さな花を咲かせ、仏前の供花にされることもあります。全株に有毒成分が含まれています。

もちろん、散歩中の犬が、誤ってアセビを口にするとモコちゃんと同じような症状を示すこともあります。

人間も口にすると、腹痛や嘔吐、下痢、神経麻痺、呼吸困難などの症状に襲われることがあります。最悪の場合、命を落とすこともあるといいます。

以下はペットにとって有毒な植物です。

ペットにとって有毒な植物 ポトス

iイメージ写真
iイメージ写真写真:イメージマート

観葉植物で有名なポトスですが、実はペットにとっては有毒な植物なのです。

ポトスに含まれる有毒物質はシュウ酸カルシウムです。

針状の結晶の塊で、人間は、誤って食べることはあまりないですが、人間でも食べれば口の中に激痛が走ります。

犬や猫は、飼い主が留守のときなどに食べることがまれにあります。ポトスを口腔内に入れると炎症を起こし、よだれがとまらなくなり、嘔吐や下痢などの症状が出ることもあります。子犬や小型犬だと、喉が腫れて呼吸困難になることもあります。

もし、ペットがポトスを口に入れた場合はすぐに動物病院へいきましょう。

ペットにとって有毒な植物 クリマスローズ

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

クリスマスローズという名前がついていますが、春でも咲いています。クリスマスローズには、有毒成分のサポニンとヘレブリンが含まれています。

これの毒性成分はそこまで強いものではありませんが、一度に大量に摂取してしまうと死に至る危険性があるので注意が必要です。

まとめ

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

アルパカのモコちゃんは、今回は「アセビ」という有毒な植物を食べて亡くなりました。

犬や猫を飼っている人は、世の中には、ペットにとって有毒な植物があるということを知って、このような不幸な事故にペットを遭わせないようにしてあげてください。留守番をさせているときペットが部屋に置いていた植物を口にしたり、散歩中に食べてしまったりすると、命に関わることもあるのです。

もちろん、全部の植物がペットにとって危険というわけではありません。ペットがいる環境の植物に関心を持って、ペットの命を守ってあげてください。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

石井万寿美の最近の記事