共同通信が伝えるところによりますと、フランスでは動物愛護に関する法改正案の可決により、犬と猫はペットショップでの販売を2024年から禁止します。

フランスで犬や猫を飼いたいとき、日本のようにペットショップに行っても売っていないのです。それでは、どうやって買えばいいのかという話になるのですが、その場合は保護団体や個人からの譲渡、ブリーダーからの直接購入だけになりました。

それでは、日本でも同じことが起こるのでしょうか。その辺りのことを考えてみましょう。

フランスのようになれば、わが国なら犬や猫はどうやって買えばいいの?と疑問が出る

令和2年 ペット入手時の情報源_年代別 一般社団法人ペットフード協会のサイトより
令和2年 ペット入手時の情報源_年代別 一般社団法人ペットフード協会のサイトより

最近は、コロナ感染者が少なくなっています。しかし、前の状態に戻ったわけではなく、人と会話するときも距離を保つようになり以前と違った空気感になりましたね。そのため犬や猫などのペットはやはり人気です。

そんななか、フランスで犬や猫はペットショップで販売できないという法律が可決されたというのは衝撃でした。

なぜなら、日本では、上の表でわかるように犬の場合は、一般社団法人ペットフード協会によりますと、53.7%がペットショップで買っているからです。年代別に多少違いはありますが、犬は大半がペットショップから飼い主のところに来ています。

猫は、野良猫を拾ったが32.8%、そして友人/知人で29.8%、その次にペットショップで16.6%になっていますね。

つまり、犬がほしいなと思う日本人は、ほぼペットショップのショーウィンドウに並んでいるのを見て家族にするわけです。

一方、猫は、ペットショップより、インターネットや知人/友人が多いですね。

最近、保護団体などから里親になる人が増えたように思いますが、犬で里親探しのマッチングサイトが6.5%、シェルターが2.8%なので少数です。猫でも里親探しのマッチングサイトが11.1%、シェルターが3.8%なので犬よりも少し多いですが、ふたつ合わせても20%にもなっていないのです。

そのために、このニュースを聞いた人たちは、犬や猫をどうやって買えばいいのかと思ったのでしょうね。

フランスはペット愛好国だが、毎年10万匹近いペットが捨てられる

写真:CarteBlanche/イメージマート

筆者がパリに旅行に行ったとき、カフェでおとなしく座っている犬を多く見ました。フランスは国民の2人に1人がペットを飼っているとされています。それだけ、ペット愛好国なのです。その一方で、仏メディアによりますと、フランスでは毎年10万匹近いペットが捨てられています。日本と違って、夏の長期休暇などでそのときに、旅行に連れていけないなどの理由で飼育放棄するようです。「動物を捨てる欧州のチャンピオン」との汚名もあるようです。

それは、ペットショップのショーウィンドウで愛らしい子犬・子猫を見ると、かわいいからと衝動買いをしてしまうからです。犬や猫が好きというのと飼えるというのは別物ですからね。

旅行に行くときもペットホテルなどの預け先を探しておくのは、当然のことです。ペットは機械のように、使わないからといってスイッチを切っておくということはできないのですね。ペットは命あるものです。

このようなことを防止するために、フランスではペットショップでの犬や猫の生体販売は禁止になります。

日本全国で、平成30年度に収容された犬猫は約9万2千匹

日本全国で、平成30年度に保健所に収容された犬猫は約9万2千匹で、このうち、約1万4千匹が「飼えなくなった」として飼い主が自分で保健所に引取りを依頼した犬猫です。

飼いたくて飼ったはずなのに、なぜ飼育放棄するのか?

提供:Mono_tadanoe/イメージマート

堺市によりますと、犬や猫が飼育放棄される主な理由は次のようなものです。

□猫を外で飼っていたら子猫が産まれ、全部を飼えない

□しつけのために犬を叩いていたら犬が咬むようになり、飼う気をなくした

□飼い主自身が高齢になり、ペットの世話をすることができなくなった

□飼い主がペットを残して入院することになったり死亡したりなどでペットを引き取れる親族が誰もいない

□仕事、子育て、介護があるため、ペットの毎日の世話まではとてもする余裕がない

□世話がちゃんとできず、近隣から悪臭や鳴き声で苦情が来ている

□子どもにその動物を原因とするアレルギー症状が出てしまった(予めアレルギーの検査を受けていなかった)

□引越しで飼えなくなった(ペット可の物件は借りることはできない)

□ペット飼育不可の賃貸物件でペットを飼っていたら、突然ペットを手放すよう言われた

読んでいると、身勝手なものが多いですね。

いまは、犬や猫は、10年以上生きる子がほとんどなので飼い主の年齢なども考えて飼うべきですね。

犬や猫は、家族の一員という言葉が定着しつつあります。家族になるのだから、衝動買いではなくじっくり考えから飼うべきです。飼い主が、最後まで責任を持って飼わないと尊い命が奪われてしまいます。

日本でもペットショップで犬や猫が販売できなくなるとどうなる?

フランスと同じように日本でも犬や猫がペットショップで販売できなくなると、衝動買いが減るので飼育放棄は減るでしょう。

犬や猫を求める人は以下の方法になりますね。

ブリーダーから直接購入

友人や知人から譲り受ける

保護施設の子を引き取って里親になる

ホームセンターやペットショップなどは、便利なところにあります。買い物に行ったときに、たまたま目が合ってしまったからという理由などでペットを購入する人もいます。

ペットショップで買えなくなると、時間と手間がかかります。大切な家族を迎え入れるのですから、それぐらいは手間暇をおしまない方がいいと筆者は考えています。

そのうえ、いま問題になっている悪質なブリーダーを減らすこともできます。飼い主が、ブリーダーのもとに行くわけですから、劣悪な環境などが目につきやすくなるからです。

いまの日本のペットの流通システムは、ブリーダーからペットオークションそして、ペットショップという大量生産、大量消費のペット産業ができあがっています。ブリーダーは、登録制でペットオークションに子犬や子猫を持っていけば、流通に乗るわけですから、どんな繁殖場かはわかりにくいのですね(パピーミル(子犬工場)でも目につきにくい)。

動物愛護管理法より、犬や猫の生体販売は生後8週齢からとなっています。この時期、子犬や子猫の母体免疫が切れ始めるので病気にかかやすいです。母犬や母猫といることで、犬社会や猫社会の教育をしてもらえます。長い間、ペットショップに並びより親元にいると健康面でも精神面でもこのようにメリットはあります。

犬や猫の流通や繫殖場などの問題は、すぐにはよくならないかもしれません。しかし、飼い主の意識がかわり、犬や猫を迎えるのはペットショップの生体販売でなく保護施設やブリーダーからと思うようになれば、もっとかわっていくことでしょう。

今回のフランスの法改正を始め、ペット先進国の事例は、たいへん参考になるものですね。