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コロナ禍でニャンコの飼い主が手洗いで気をつけることは? 知らないと猫が命の危機に

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:アフロ)

新型コロナウイルス感染拡大しています。誰でもできることは「手洗い」ですね。私は仕事柄、よく手洗いをします。1日50回以上しています。犬や猫を飼っている場合、人も手洗いをしっかりしていると思います。もし、手に新型コロナウイルスがついていると、被毛につけてしまう恐れがあるからです。飼い主の悩みのひとつは、手荒れです。そこで飼い主が知っていないといけないことを解説します。特に猫の場合、命が危険にさらされることもあります。

しっかり手洗いをする

帰宅したりとき、料理を作るとき、猫や犬のお世話をするとき、トイレの前後などで、以前より手を石鹸で念入りに洗いますね。そんなことを繰り返しいると、肌荒れがひどくなる人がいます。あかぎれは放っておくとさらに皮膚が割れてしまいます。それで、ハンドクリームを使いたいのですが、飼い主は、そこに落とし穴があるので気をつけてくださいね。

特に猫の飼い主は、香料入りのハンドクリームはNG

ハンドクリームには、香料が入っているものが多いです。飼い主の手についているもので、猫を撫でると、それが猫の体に入ります。この香料が、特に猫にはよくないです。理由は以下の点です。

・猫は、グルーミングをよくするので、化学物質がカラダの中に入りやすい。

・猫はアロマオイル(アロマオイルは、植物のエキスを濃縮させたもので、肝臓で代謝しにくい)もNG

猫は完全な肉食動物で、植物を利用することが得意ではないです。自然由来のもの=安全と思われがちですが、猫の場合は特にそうではないのです。

・肝臓病の初期の症状は、血液検査しないとわかりにくい。

猫の香料などの化学物資で具合が悪くなったときの症状

・食欲不振

・嘔吐

・あまり動かない。

・筋肉の震え

・抑うつ状態

・飲水量が増えて、多尿になる。

上記だけでは、判断できないので、様子がおかしければ、かかりつけの獣医師に相談してください。

飼い主のできること

・丁寧な手洗い(石鹸もできれば、香料のないものを)。

・香料の含まないハンドクリームを使う。

・ワセリンを使う(少しべとつくので、少量をつける)。

ワセリンだと猫にとって、比較的安全です。

まとめ

飼い主が、科学的な知識を持っていないと猫に健康被害が出ることもあります。最近は、猫は完全室内飼いの子が増えています。飼い主との距離が近いので、飼い主の使用するもので、猫に影響が出やすいのです。猫は毛をグルーミングする性質が犬より強いです。被毛についたものが、舐めることで体に入ります。飼い主の手についているものに注意を払って、猫も飼い主も健康でいましょうね。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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