夏目漱石もやっていた愛猫供養 お彼岸に考えるペットの看取りと供養方法

(写真:アフロ)

秋のお彼岸に入りました。お彼岸は、太陽が真東からのぼって、真西に沈む日。日本ではあの世に最も近くなり、その思いが通じやすい時と考えられています。それで、お彼岸になれば、ご先祖さまの供養をしたり、お墓に行ったりします。いまは猫や犬は長寿になり、家で看取り、供養することが多くなりました。明治時代の漱石先生も猫の供養をしていたのです。今日は、愛するペットの看取りと供養について考えます。

(犬の死因)

 アニコム 家庭どうぶつ白書2017
アニコム 家庭どうぶつ白書2017

https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_201712_3.pdf#page=28

(猫の死因)

アニコム 家庭どうぶつ白書2017
アニコム 家庭どうぶつ白書2017

https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_201712_3.pdf#page=28

アニコムの家族どうぶつ白書2017年の死因の上位に、がんが入っています。つまり彼らは、人間と同様に、がんでなくなる子が多くなっているのです。

最期を迎えるとき、人間とペットの違い

人間は、一般的にはがんなどの末期になると入院する人が多いですが(もちろん在宅の人もいますが)、ペットは自宅で看取ることが多いです。(入院中に亡くなる子ももちろんいます。)病院で亡くなるより「最期は住み慣れた家で、家族と一緒に」と考えている獣医師が多いことが理由の一つです。(ペットの場合は死亡診断書が無くても火葬・埋葬が出来ます。)

死亡確認の問題点

・人間は、死亡確認は医師や歯科医師がして死亡診断書を出す。(人間が亡くなった場合には、死亡診断書が必要。死亡届けを市区町村役場に提出するときに、この死亡診断書といっしょに提出します。死亡診断書がないと、葬儀や火葬も出来ない。)

・ペットの場合は、自宅で看取ると死亡確認は、飼い主になる。

亡くなる兆候

朝起きたら、亡くなっていることもありますが、それは稀です。

がんなどの慢性疾患の場合は

  ・食べなくなる。

  ・水も飲まなくなる。

  ・体温が35度以下に下がる。(犬や猫の平熱は38度ぐらい。)

  ・反応が鈍くなる。

  ・尿の量が減り、出なくなる。  

  ・痙攣を起こす場合も。

このような兆候があらわれたら、そろそろお迎えに来ていると思って、飼い主は覚悟しておいた方がいいです。(これは、一般的なことで、もちろん例外もあります。)

ペットの死亡確認

電話で「先生、動かないです、、、」と飼い主の泣き声と嗚咽を聞きながら、以下のように対応することもあります。亡くなっているのに、わからないのか? と思われるかもしれません。がんなどの子を看病していると、日に日に弱ってくるので、本当に亡くなっているか否か、わからなくなる飼い主もいます。

・心臓が止まる。

・目が動かなくなる。

・瞳孔反射が無い。(瞳孔反射とは光などの刺激の強弱によって、瞳孔を狭めたり広げたりする反射)

・舌が動かない。

・首がぐらぐらしている。

・眼瞼反射がない。(眼瞼反射とはまぶたに触れると反射的に閉じる反応)

以上の症状がみられれば、亡くなっている可能性が高いです。(自分で死亡確認が出来ない場合は、かかりつけ医のところに運んで確認してもらってください。)

供養の仕方

どんな供養の仕方がいいとか悪いとかはありません。それは飼い主の死に対する考え方なので、経済的なことや時間的なことを考慮して自分の納得する方法でやってあげてくださいね。

飼い主が自宅で

庭などがある場合は、自分で穴を掘って埋葬します。ペットの大きさによりますが、火葬をしない場合は、深く掘らないと、動物に掘りかえされる可能性もあります。または民間の業者で火葬してもらい骨を埋める方法も。しばらく骨を持っている人も割合にいます。

飼い主が地方公共団体に持っていく

自治体によって違いますが、清掃局に連絡すると、遺体を取りにきてくれます。各自治体で、ペットの火葬の方法が違います。ペットなどを火葬する専用の小動物火葬施設があるところや、一般のごみと一緒に処理するところもあります。事前に調べておくと、いざとなったときに、慌てないですみます。

飼い主が民間業者の霊園へ

上のふたつに比べると高額になりますが、民間企業の霊園で供養する人が増えています。2010年の埼玉県飯能市の霊園で動物死体の不法投棄がありました。飼い主から預かった約100頭のペットの死体を山中に投棄した事件です。このようなことも稀にありますので、愛するペットが安らかに眠れるように、飼い主は供養する霊園についてよく調べてください。

漱石先生の猫の供養

約110年以上前、夏目漱石の『吾輩は猫である』のモデルとされた黒猫は明治41年(1908年)9月14日の晩に病死しました。

筆者撮影 NHK 人間講座 出久根達郎 漱石先生の手紙より
筆者撮影 NHK 人間講座 出久根達郎 漱石先生の手紙より
撮影筆者 NHK 人間講座 出久根達郎 漱石先生の手紙 68ページより
撮影筆者 NHK 人間講座 出久根達郎 漱石先生の手紙 68ページより

漱石の手紙は(NHK 人間講座 出久根達郎 漱石先生の手紙 68ページより)

辱知猫義久(じよくちねこぎひさし)く病気の処(ところ)療養不和叶(あいかなわず)昨夜いつの間にか、うら物置のヘツツイの上にて逝去候埋葬の義は車屋をたのみ箱詰めにて裏の庭先にて執行仕候(つかまつりそう)。但(ただし)主人「三四郎」執筆中につき御会葬に及び不申候(もうさずそう) 以上

  九月十四日

漱石先生は、この手紙を高浜虚子や寺田寅彦などに送っていたようです。

漱石先生は、戒名をつけませんでしたが、夫人が買ってきた四角な墓標に「猫の墓」と書きました。

知り合いにペットを亡くした人がいたら

・無理に慰めたりしない。

・飼い主の話を丁寧に聞く。

・ペットとの思い出の話をする。

まとめ

筆者撮影 満中陰法要のお返しが飼い主から届いた
筆者撮影 満中陰法要のお返しが飼い主から届いた

ペットも家族の一員です。いまのところ犬や猫の寿命は長くても20年ぐらいで、死はやってきます。室内飼いが多くなり、いつも傍らにいてくれる彼らの最期のサインをしっかり受け止めて、飼い主が、後悔のないように看取り、そして喪の儀式をやってあげてください。ペットの心臓が止まっても、飼い主の心の中で彼らはずっと生きつづけています。