EATALY グランスタ丸の内店オープン  イータリーらしさを発揮  

通路の奥に広がる世界、EATALYのはじまり

8月30日EATALYオープン

ニューヨークのEATALYの売り場は、市場のような空間がそこかしこにあり、そこに人が集まり、賑わう光景が脳裏に焼き付いている。その為か、ある程度の坪数があってこそ、良さが発揮できると思い込んでいた。

今回、オープンしたグランスタ丸の内店は日本では最大の450平方メートル。日本最大と言われているが、ニューヨーク1号店4600平方メートルと比べると10分の一である。この他にトリノ本店は1万1000平方メートルであり、多くは大型である。

これまで日本で展開していたEATALYの売り場を見てきたが、イタリアの食材を販売しているだけにとどまっており、そこにヒューマニティーが感じられなかった。商品一つ一つには物語があって、こだわりがあって、顧客と従業員との会話からその商品を知り、食べることを通じ、生きる楽しさを体験できる。これらが混然一体となってようやく「EATALYらしさ」が表現できる。それが果たしてこの坪数で表現できるのかと危惧したのだ。

しかし、オープン日、売り場を目の当たりにし、よくよく考えこまれた売り場と思った。

そして三井物産子会社のイータリー・アジア・パシフィックが手掛けたことも大きい。

今、都市型に出店する際、坪単価が高く、広さは望めない。当然のことながら、商品の選択と集中が必要課題となり、その上、選択された商品にその店の「らしさ」を顧客は求めてくる。グランスタ丸の内店は、競合ひしめきあう場所であり、その上、世界中の人々が集まる国際駅になりつつある。そんな立地のなか、柔軟に対応しつつ、EATALYの理念が表現できていると思う。

ジュースバーとカンノーリバー

まず顧客がよく通る通路に面してジュースバーがある。「これでおわり?」と一瞬、思ったのであるが序奏に過ぎない。

色とりどりの果物をきれいに陳列することにより、鮮度感を顧客の脳にインプットされる。

ジュースバーで鮮度感を表現
ジュースバーで鮮度感を表現

そしてカンノーリとその売り場 カンノーリバーがある。

カンノーリバー
カンノーリバー

目の前でクリームを詰めてくれることで臨場感も出てくる。

その奥に行くといよいよEATALYの看板。

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間口はそれほど広くなく、照明は若干、暗い。しかしEATALYの考えでもある「商品が主役」ということから、上手に照明があたるようにすることでより華やかになっている。

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EATALYではお馴染みの「Venchi」のチョコレート量り売りが入り口入ってすぐに配置され、ここでも華やかさがランクアップしている。

そして顧客が通る際、時には体があたってしまうような程よいスペースは、むしろ親近感も生まれ、顧客が顧客を呼ぶ。

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次に入り口近くにあるイートインスペース 

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中央にはサンドイッチ、チーズ、ハム、そしてピザ。

トータル600種類並ぶ

サンドイッチはチーズ売り場に置かれ、アイテム数を絞り込んでうまく陳列。

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今回、テイクアウトでは難しいとされるパスタはなく、ピザのみ。劣化を考えると賢明な選択で、ピザは四角の形の大きな生地の上に違ったトッピングを載せ、一度に焼き、カットする。オペレーションもよく考えられている。

さて注文したジェラード。商品説明もわかりやすく、お薦めも教えてもらえる。

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オリーブオイルについても説明を織り込みつつテイスティング。

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「朝、一匙、そのままで飲みたいのでできればすっきりしたものが頂ければ、それと重いのは苦手なので小さいボトルで」

というと、様々なオリーブオイルが陳列している売り場でその特徴とお薦め品を教えてもらい、思わず購入してしまう。

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パスタの生地を作っている様子。

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さて奥にはレストランが広がる。

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その席数110席。

パスタを盛り付けている様子がわかる。

朝7時から夜は11時までオープンしているので、次回、利用してみよう。

顧客が顧客を呼ぶ、そして従業員との会話

昔は日本にも地域ごとにあった市場では、店員と顧客との会話から、その商品を購入したり、その場で食べる楽しさがあった。その後、大手小売りが大量出店したことで、市場は年々減少し淘汰されていった。

急速に情報が氾濫し、人を介さず商品が購入できるようになった今だからこそ、人を介す、店員と顧客の会話、人が集まっている楽しさを実感できるリアル店が求められ、これは時代がどんなに変わろうとも不変なのではないだろうか。

最後にグランスタ丸の内店にかかっていた看板にはこのような言葉

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人生は短い

美味しいものを飲んで、食べて

毎日を楽しもう

なんとも明るく、深く、せわしく移動する東京の中心地での出店だからこそ、看板を見たとき、カメラのシャッターを押した。