Yahoo!ニュース

単身者グループインタビューつづき、 女性、Kさん「私は冷蔵庫を持っていません」 

池田恵里フードジャーナリスト
Kさんのお昼 惣菜パック ならびにお刺身を購入 

当たり前にあった冷蔵庫、電子レンジ、今後は・・・・

これまで家庭にごく当たり前にあったもの、それが冷蔵庫、電子レンジであった。その普及率を見てもわかるように、既に冷蔵庫98%、電子レンジ96%と、他の家電製品と比較すると断然高い.

主要家電製品の世帯普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)

冷蔵庫は1950年代後半(昭和30年代)の高度成長時代から、白黒テレビ受像機や洗濯機、そして冷蔵庫は三種の神器とされ、急激に家庭に普及した。冷蔵庫の普及から衛生面も大幅に改善され、便利になり、1950年後半、急速に家庭に浸透し、ほぼ全戸に1台の時代を迎えるのは、昭和50(1975)年になってからのこと(一般社団法人 家庭電気文化会)。

そんななか今後も増える単身者、その食状況の続きでグループインタビューした単身者女性のKさんは、冷蔵庫をもたない。

Kさんの食生活は、一般ではないと言われるかもしれない。その一方で、冷蔵庫を持たない生活が成り立っているのも事実である。

現在、より近場に食べ物が購入できるようになり、持たなくても良い「便利さ」もあることを示唆してくれた。

スーパーが我が家のキッチン

東京都内に住む30代後半 女性 Kさん 自由業 年収500万

Kさんは、スレンダーで、はきはきと快活に話をしてくれる女性。率先して会話に参加してくださったおかげでグループインタビューも滞りなく進められた。

冷蔵庫について、どのようなものが常備されていますか?

Kさん「はじめまして、よろしくお願いします。冷蔵庫の中身ということなんですが、実は、私、冷蔵庫持ってません」   

kさんの住まいは、スーパーが50メートルもかからないところにあり、冷蔵庫を抱える、つまり荷物を抱えなくてすむと言われる。食べたい物をその都度買ってきて、お魚の味噌煮とかも半々ぐらいで出来合いの物が多いという。

Kさん「まあ・・・買いに行く時間が無駄なんじゃないのと言われたら、それまでなんですけど、やっぱり、常に身軽にできるっていう利点、そして持つ必要性もそんな感じないので、なくても生きていけるっていうか・・・」

持たない暮らし、使い切る暮らし、ミニマム生活を実践中と言われる。

今、実践なさっている食事とは?

Kさん「目標、今、目指すところは、小麦をなんとか絶つ感じ。て言うのも、うどん・パスタとか炭水化物をお昼に、私、朝抜いてるんですけど、昼に食べると、一気に眠気がくるんですよ。だからもうほんとうに、炭水化物系を摂るとすぐ眠くなるので・・・」

仕事の質が落ちないように、炭水化物を取らない。

Kさん「体が資本なんです。自分動けなくなったら稼げないじゃないですか。だからもうほんとに真剣に色々読んで学んで情報を収集して、あれがダメ、これがダメで自分の体で実験してくみたいな感じで行き着くところが今の現状」

そしてどうしても忙しいと精神的に時間に余裕が無くなってくるため、限られた時間の中で眠くならず、適度な量で食べれるように購入するという。

もしかすると、電子レンジもないのでしょうか?

kさん「店の中にレンジで温めて、食べたいときはそこでやっちゃうので、ほぼ自宅のものは、使わないです。で、多分、私、あまり食べたいっていうか、食べるってことがもうどうでもよくなっちゃってるところがありまして・・・」

一緒に誰かと食べるときは普通においしいなあと思う、しかし普段、食べることに時間をかけるなら、自分の仕事の方にかけたい。食に対して、あまりこだわりがないとも。食費は外食も入れるとバラつきがあるため、一日約1000円。

Kさん「食べない方向にシフトできたらいいなあって・・・例えば一日一食って・・・できなかったんですけど、極力、自分の一日の必要最低限にしといて、あまり食べないようにして、頭が動かす。朝起きて、3時間が一番集中できる時間です。食べると、(仕事の質)落ちるので...」

確かに食日記を見ると、朝はミルクティ―のみ。

朝食は、ミルクティ―を必ず飲む。食べると集中できなくなるため、とらないと言われる
朝食は、ミルクティ―を必ず飲む。食べると集中できなくなるため、とらないと言われる

夕食は惣菜のパック、そしてたまに調理もするKさん。

納豆、ホウレンソウの和えもの、豚の角煮、卵の炒めものは自分で作る
納豆、ホウレンソウの和えもの、豚の角煮、卵の炒めものは自分で作る

食事に必ずあるもの、惣菜パック、そしてパソコン

この他にも3日間、写真をとってもらった。いずれの写真も惣菜のパックが必ず一つは食卓にあがり、どの写真もパソコンが登場する。女性の社会進出もあり、92年から惣菜、中食産業が一気に台頭し、HMR(家庭料理に変わる食卓、代行)という言葉はブームとなり、現在、9兆円規模となっている。Kさんの写真を通し、パソコンと惣菜という時代の大きな流れ、食の流れ(変わる女性)をもわかる。間取りでよくある1DK、1KといったK(キッチン)という間取りは、単身者にとってスペースをとり変貌するかもしれない。それはワンルームでもない、住居の新しい形態でもあり、食生活がここに来て変化する予兆を感じた。

フードジャーナリスト

神戸女学院大学音楽学部ピアノ科卒、同研究科修了。その後、演奏活動,並びに神戸女学院大学講師として10年間指導。料理コンクールに多数、入選・特選し、それを機に31歳の時、社会人1年生として、フリーで料理界に入る。スタート当初は社会経験がなかったこと、素人だったこともあり、なかなか仕事に繋がらなかった。その後、ようやく大手惣菜チェーン、スーパー、ファミリーレストランなどの商品開発を手掛け、現在、食品業界で各社、顧問契約を交わしている。執筆は、中食・外食専門雑誌の連載など多数。業界を超え、あらゆる角度から、足での情報、現場を知ることに心がけている。フードサービス学会、商品開発・管理学会会員

池田恵里の最近の記事