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不法の中国系ラボで“ヤバい発見” 新型コロナに感染するよう遺伝子操作されたネズミ千匹に病原体多数 米

飯塚真紀子在米ジャーナリスト
ラボを不法運営していたプレステージ・バイオテック社倉庫。出典:USA Today

 カリフォルニア州フレズノ郡リードリー市にある中国系のラボから、新型コロナウイルスを含む少なくとも20の病原体が見つかっていたことがわかり、衝撃が広がっている。新型コロナウイルス以外の病原体では、HIV、マラリア、クラミジア、風疹、ヘルペス、肝炎ウイルス、デングウイルスなども米CDCにより検出されていた(下記の裁判所の文書を参照)。

 さらに、ラボからは、新型コロナウイルスに感染するよう遺伝子操作された1,000匹近くのネズミや約800もの化学物質、血液などの体液や組織、医療廃棄物、約30台のフリーザーや冷蔵庫なども発見されていた。

 リードリー市によると、このラボは、ネバダ州で登記されている中国の企業プレステージ・バイオテック社が不法に運営していた。もっとも、裁判所文書によると、ラボ所有者は中国の空の事務所や住所を使っていたという。

 リードリー市は、同社が正規のビジネス・ライセンスを所持せずに、不法にラボを運営していたため、ラボの存在を把握していなかったようだ。

5月2日〜4日に、ラボの調査を行った米CDCが、少なくとも20の病原体を見つけたことを説明している裁判所の文書。
5月2日〜4日に、ラボの調査を行った米CDCが、少なくとも20の病原体を見つけたことを説明している裁判所の文書。

不法な秘密の中国系ラボが見つかる

 事は昨年12月に遡る。フレズノ郡公衆衛生局は放置された倉庫に庭用ホースが通っているのを発見、不審に思ってその倉庫のドアをノックしたところ、ビジネス・ライセンスを所持していないラボを発見する。同郡は州政府や連邦政府、FBIと調査を開始、今年3月、ラボに立ち入り調査をした結果、多くの化学物質や生物学的物質、体液、実験用マウス、実験器具などが見つかり、さらには、新型コロナウイルスや妊娠の検査をするために開発されたと考えられる医療機器も発見されたことから、ラボは閉鎖された。

 フレズノ郡公衆衛生局副局長のジョー・プラド氏は「現場には800以上もの異なる化学物質が、様々な酸が含まれているボトルに入っていた。残念なことに、これらの多くは不明の化学物質に分類されている。ラベルが剥がされたボトルが多いため、私たちができるテストは限られていた。フレズノ郡で26年間働いてきたが、こんなものを見たことがない」と驚きを隠しきれない様子だ。ラベルの中には、英語と中国語の両方で表記されたものもあったという。

 見つかった1,000匹近くのマウスのうち、約200匹は押収時すでに死んでおり、残りの773匹は安楽死させたという。

 また、裁判所の文書によると、プレステージ・バイオテック社の関係者は、ネズミは「新型コロナウイルスに感染するよう遺伝子組み換えされている」と述べたという。

 7月初め、このラボ内にあったものが撤去されたが、その際には、5,000ガロン(19,000キログラム)分もの病理学的廃棄物も除去された。

迅速検査法を開発?

 プレステージ・バイオテック社はこのラボで、いったい、何をしていたのか?  調査の過程で同社は「診断するためのラボを目指して、新型コロナウイルスや妊娠の検査法の開発を行っていた」と話していたという。

 また、ラボの代表者はあまり英語を話せなかったようだが、ネズミには、抗体を生成するために新型コロナウイルスが注入されたというふうなことも話していたようだ。実際、現場からは、妊娠や新型コロナウイルスの迅速検査法を開発するための機器も見つかっていることから、リードリー市は「ラボでどんな研究が行われていたかは正確には明らかになっていないものの、迅速検査法を開発するために抗体と抗原を生成する研究開発が行われていたようだ」と説明している。

武漢研究所に類似か

 フレズノ市議会議員のギャリー・ブレデフェルド氏は、31日、記者会見で、3月にラボを閉鎖してから、調査員が市民に発見したものを伝えるのに非常に時間がかかったことを非難。さらには、問題のラボと武漢研究所に類似性を見出し、以下のように発言した。

「中国の武漢研究所に由来するとも考えられている新型コロナウイルスで何百万人もの人々が亡くなった。今回、フレズノ郡で、新型コロナウイルスを使って実験をしている不法のラボが発見された。感染性のあるバクテリアやウイルスなどの病原体も見つかった。200匹近いネズミの遺体が見つかったが、裁判所の文書はそれらのネズミは新型コロナウイルスの実験対象だったと指摘している」

 新型コロナウイルスの発生源については、武漢研究所流出説も流布してきた。米国家情報長官室は6月、新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所から流出した可能性を排除しないものの、直接的な証拠は発見できていないとする報告書を公表したが、共和党議員を中心に、武漢研究所流出説を訴える声は根強い。今回、不法な中国系のラボが新型コロナウイルスを使って実験を行っていたことが発覚したことから、武漢研究所流出説が再燃するかもしれない。

在米ジャーナリスト

大分県生まれ。早稲田大学卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会、トレンドなどをテーマに、様々なメディアに寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲル、ジム・ロジャーズなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。

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