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【私とラーメン】アナウンサー野村邦丸が語る愛すべきラーメン ~幼少期から訪れるお店から町中華まで~

井手隊長ラーメンライター/ミュージシャン
野村邦丸さん

「私とラーメン」

本連載の新コーナーとして、多方面で活躍する著名な方々に思い出のラーメンやラーメンと人生について伺っていきたいと思う。

今回お話を伺うのはフリーアナウンサーの野村邦丸さん

日本大学法学部卒業後、茨城放送のアナウンサーとして活動。1991年に文化放送に中途採用で入社。大人気番組「くにまるジャパン」をはじめ、お茶の間の顔として活躍し、2017年1月同社を定年退職。2月1日からフリーアナウンサーとなる。現在も文化放送「くにまる食堂」を月曜日から金曜日まで毎日放送中だ。

そんな邦丸さんに思い出のラーメンについてたっぷりと語ってもらった。

Q.幼少期のラーメンの思い出を教えてください

お父さんに連れて行ってもらった札幌ラーメンが幼少期の思い出
お父さんに連れて行ってもらった札幌ラーメンが幼少期の思い出

「子供の頃、ラーメンというのは高嶺の花でした。特にお店で食べるラーメンは高級で、親父の機嫌のいい日にだけ、年に数回食べに行ければいいかなというぐらいでした。

川崎に当時住んでいたのですが、川崎の『さいか屋』の地下にあった札幌ラーメンのお店。ここは忘れられません。親父が札幌出身だったのでよく連れて行ってもらったのですが、モヤシとひき肉の乗った味噌ラーメン、これは本当に美味しかったです。

文化放送に入社してから一度行ってみたのですが、もうお店がなくなっていました。

味噌・塩・醤油と3種類あって、プラスチックの食券だったのを覚えています。当時は中太麺が珍しく、どれを食べても美味しかったなという記憶です」

Q.茨城放送時代のラーメンの思い出を教えてください

茨城放送時代は中継に行ってはラーメンを食べていた
茨城放送時代は中継に行ってはラーメンを食べていた

「1981年に茨城放送に入社し、23歳でアナウンサーになりました。

この頃のラーメンの思い出といえば、入社2~3年目の頃、中継車で各地をレポートする仕事があったのですが、 その時のディレクターの大内さんという方がラーメンが好きでよく連れて行ってもらいました。

水戸の歓楽街で大工町というところにある『すずき』というお店。

一軒家を改装したようなお店なんですが、大内さんは『中継をまいて(早く終わらせて)すずきに行くで』といつも張り切っていました。煮干しの効いた醤油ラーメンで、とろけるようなチャーシューは絶品でしたね」

Q.文化放送に入られてからよく通ったラーメン店はありますか?

かつて文化放送の社屋があった四谷は老舗の多いエリアだった
かつて文化放送の社屋があった四谷は老舗の多いエリアだった

「四谷に社屋があった頃、よく通ったのが『温州軒』。社食のごとく通っていましたね。

あとは『珍萬』の熱々の玉子そば。野球中継を担当していた頃、戸谷真人さんという先輩アナウンサーによく連れて行ってもらいました。戸谷さんは食べるのが早くて、熱々の玉子そばをさっさと食べて、食べ終わると先に出て行ってしまうんですよね(笑) 私のラーメンとの思い出には必ず“人”がいる気がします。

「こうや」のワンタンメン
「こうや」のワンタンメン

それからよく通っていたのは『こうや』

よく皿ワンタンをつまみにビールを飲んでから、締めにラーメンを食べていました。ここのワンタンメンは最高。ワンタンの餡の独特な紹興酒っぽい味が好きでしたね。

2~3年前にどうしても『こうや』に行きたくなり、久々に行きましたが、量が多くて大変でした。30~40代の頃はペロッと食べていましたが、今はすぐにお腹いっぱいになってしまいます」

Q.いろいろお店がある中でも「町中華」がお好きだと伺いました

「原体験は、当時住んでいた川崎の工場街にあった『新月庵』という蕎麦屋です。

ここからラーメンの出前をよく取っていたんですが、今も町中華に行くたびにここのラーメンを思い出します。

かためのチャーシューにナルト、メンマが乗った“The東京ラーメン”という一杯でした。

町中華ではワンタンメンをよく注文します。

おばちゃんが作っていて麺が少し伸びているぐらいが最高。いい意味でこだわりのない食堂の醤油ラーメンって本当に染みるんですよね。いろんな店が思い出と共にあります。

それから好きなのは五目そば。

キャベツか白菜がたくさん乗っていて、キクラゲにさやえんどう。うずらの卵が乗っているのにはこだわりたい。さらに海老が入っていると店主の良心を感じます。少しとろみがあって最高に好きです。伊達巻はなくてもいいかな(笑)」

番組プロデュースのオリジナルラーメン自販機企画を展開する
番組プロデュースのオリジナルラーメン自販機企画を展開する

6月は「くにまる食堂」の企画で、番組プロデュースのオリジナルラーメン自販機を展開する。

有名ラーメン店の味を24時間365日楽しめる冷凍自動販売機「ラーメンストック東京」で販売されているラーメンを試食し、邦丸さんの“推しラーメン”を決定した。

Q.今回番組「くにまる食堂」の企画で初めて冷凍ラーメンを食べられましたが、いかがでしたか?

「はっきり言ってびっくりしました。それぞれのお店が自信を持って作っているのが食べただけでわかりました。

特に麺のクオリティには驚きました。滑らかで食感もしっかりある。

『くじら食堂』さんの麺は、時間の指定通りに茹でるとアルデンテ風に仕上がる。これがまたニクかったです。

インスタントとは全く違うクオリティで、予想をはるかに超えた美味しさでした。ラーメン店の皆さんに尊敬の念を抱くばかりです」

“人”とともにある邦丸さんの思い出の一杯。時代を感じさせる味わい深いお話をたくさん伺うことができた。

野村邦丸

1957年1月17日生まれ。神奈川県川崎市で生まれ、日大明誠高校・日大法学部新聞学科を経て1981年茨城放送入社。

フリーを経て1991年文化放送入社。2017年定年退職、再びフリーとして活動中。

現在は『くにまる食堂』(毎週月~金曜日午前11時~午後1時 生放送)パーソナリティ。

これまで5000人以上のゲストを迎え、様々な人生観に触れてきた。

家族・高校野球・シカゴ(ロックバンド)、そして酒と肴をこよなく愛する。

※写真は文化放送より提供

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ラーメンライター/ミュージシャン

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。東洋経済オンライン、AERA dot.など連載のほか、テレビ番組出演・監修、コンテスト審査員、イベントMCなどで活躍中。 自身のインターネット番組、ブログ、Twitter、Facebookなどでも定期的にラーメン情報を発信。ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。本の要約サービス フライヤー 執行役員、「読者が選ぶビジネス書グランプリ」事務局長も務める。

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