1282人の大学生に聞いた「飲食系のバイトで食べ物を捨てたことがありますか?」

(ペイレスイメージズ/アフロ)

2018年11月14日から3日間の予定でeラーニング2018フォーラムがお茶の水のソラシティカンファレンスセンターで開催されている。事前登録で参加無料。筆者も参加型・双方向型セミナーの実践術 ~リアルタイムアンケートシステム「respon」を使って取り組んだ「食品ロス」問題~と題して講演してきた。

2018年11月14日に開催されたフォーラムでの、筆者による、レスポンと食品ロスの講演(主催者提供)
2018年11月14日に開催されたフォーラムでの、筆者による、レスポンと食品ロスの講演(主催者提供)

紙の要らないアンケート 瞬時に集計結果を全員に共有

リアルタイムアンケートシステムのrespon(レスポン)は、紙の要らないアンケート。スマホやガラケーを通して回答し、その結果は瞬時に集計され、その場にいる全員に共有することができる。

2018年11月14日にお茶の水ソラシティカンファレンスセンターで開催された、レスポンと食品ロスの講演(主催者撮影)
2018年11月14日にお茶の水ソラシティカンファレンスセンターで開催された、レスポンと食品ロスの講演(主催者撮影)

メリットとしては、紙に書かなくていいので面倒でない、紙やインクが不要なので環境負荷を抑えられる、集計も瞬時にできるのでラク、回答者・主催者双方が瞬時に結果を知ることができる、手をあげて言いづらい(あるいは紙に書きづらい)ことでも言いやすい、後日でも集計結果を見直すことができる、などが挙げられる。

eラーニングアワード2018フォーラムが開催されたお茶の水のソラシティ(筆者撮影)
eラーニングアワード2018フォーラムが開催されたお茶の水のソラシティ(筆者撮影)

一方、筆者がこれまで一年以上使ってきて感じたデメリットとしては、対象者が高齢の方だと操作を理解しづらい、巨大な会場で一斉に大人数がアクセスするとネット環境がダウンすることがある、会場によっては「wifi環境がありません」と言われる、などが挙げられる。

もともと大学など教育機関向けに開発されたそうだが、現在は、企業やテレビの企画、雑誌のイベントなど、幅広く使われている。

respon(レスポン)の出展ブース(筆者撮影)
respon(レスポン)の出展ブース(筆者撮影)

大学生1282名に飲食系バイト経験の有無をレスポンで質問

筆者はこのシステムを使い、これまで10代の学生から80代の方まで、幅広い年代の方から意見や消費行動などのデータを収集してきた。

そのうち、大学生のみの集計結果をお伝えしたい。

大学生1282名に「飲食系アルバイトの経験があるか?(過去にしていたか、あるいは現在しているか)」について、レスポンで質問した。

その結果、1282名中、約77%にあたる987名が「はい(ある)」と回答した(2016年12月17日から2018年10月17日までの調査)。

大学生1282名に聞いた「飲食系バイトの経験があるか?」(リアルタイムアンケートシステムrespon(レスポン)で集計、筆者が編集)
大学生1282名に聞いた「飲食系バイトの経験があるか?」(リアルタイムアンケートシステムrespon(レスポン)で集計、筆者が編集)

飲食系バイト経験者のうち95%が「仕事で食べ物を捨てたことがある」と回答

飲食系バイト経験者987名のうち、バイトの仕事で食べ物を捨てたことがある、と回答したのが938名。実に95%にのぼる。

987名の大学生に聞いた「飲食系バイトで食べ物を捨てたことがあるか?」(リアルタイムアンケートシステムrespon(レスポン)で集計、筆者作成)
987名の大学生に聞いた「飲食系バイトで食べ物を捨てたことがあるか?」(リアルタイムアンケートシステムrespon(レスポン)で集計、筆者作成)

貴重な職場体験が食べ物を捨てる場になっている現実

筆者自身も大学生時代には飲食系バイトを複数行った経験がある。だが、大量の食べ物を捨てて衝撃を受けたということはなかった。地方都市だったからだろうか。

今回の結果から、対象者は987名に限られるものの、飲食系(スーパーやコンビニ含む)のアルバイトの経験者のうち、95%が食べ物を捨てた経験があることがわかった。

アルバイトは、まだフルタイムで働いたことのない学生にとって、職場を体験できる貴重な機会だ。だが、そこが、「食べ物を捨てる」場になってしまっている。しかも、「食べ物を捨てる」という仕事をすることでお金をもらえる場になっている。

2018年11月14日、お茶の水のソラシティカンファレンスセンターで開催されたフォーラムで食品ロスについて講演する筆者(主催者撮影)
2018年11月14日、お茶の水のソラシティカンファレンスセンターで開催されたフォーラムで食品ロスについて講演する筆者(主催者撮影)

食品事業者は農林水産省「食品廃棄物の発生抑制目標値」の確認を

農林水産省は、食品事業者に対し、食品廃棄物の発生抑制目標値を設定している。

食品事業者の食品廃棄物発生抑制目標値(農林水産省による。筆者パワポ作成)
食品事業者の食品廃棄物発生抑制目標値(農林水産省による。筆者パワポ作成)

また、環境省は、2018年10月末に食品ロスポータルサイトを開設し、公式サイトで「排出事業者責任の徹底について」説明している。

食品事業者の多くが、経営コストに関わる廃棄物の削減に尽力している。だが、残念ながら、食品事業者のすべてではない。まだ取り組んでいない事業者には、この目標を再確認し、実践して頂きたいと願う。

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン(株)、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。「食品ロス削減推進法」成立に協力した。世界資源研究所(WRI)とオランダ政府が運営し食品ロス削減を目指すチャンピオン12.3メンバー。著書に『賞味期限のウソ』『食品ロスをなくしたら1か月5000円の得』。食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞

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気候変動が深刻化し、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、対応に悩む企業も多いです。著者は企業広報に14年半、NPO広報に3年従事の後、執筆や講演を通して食品ロス問題を全国に広め、数々の賞を受賞しました。SDGsが掲げる17目標のうち、貧困や飢餓、水・衛生、生産・消費など、多くの課題に関わる食品ロスの視点から、国内外の事例を紹介し、コスト削減や働き方改革も見据え、何から取り組むべきか考えます。

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