スーパーマーケットやコンビニエンスストアはどのくらいの量食品を捨てているのか 環境省発表資料から見る

スーパー・コンビニなどから廃棄物として出された食品(島田幸治氏撮影)

食品業界の中でもスーパーやコンビニから出される食品ロスはどの程度か。少し前の公開資料だが、環境省が2013年に発表している「スーパー及びコンビニエンスストアにおける食品廃棄物の発生量、発生抑制等に関する公表情報の概要」を見てみたい。

大手スーパーマーケットの食品廃棄物の発生量及び発生抑制

大手5社の中で、イオンは2017年に「2025年までに食品廃棄物を半減する」という数値目標を立てている。が、環境省のこの資料では、食品廃棄物だけの発生量が開示されていないことになっている。イオンの発表資料では、食品廃棄物発生量全体ではなく、100万円あたりのキログラムという原単位で示されている。

「スーパー及びコンビニエンスストアにおける食品廃棄物の発生量、発生抑制等に関する公表情報の概要」(環境省)
「スーパー及びコンビニエンスストアにおける食品廃棄物の発生量、発生抑制等に関する公表情報の概要」(環境省)

イオンを除く4社の中では、年間の発生量は西友が最も少なく、次いでユニー(ユニー・ファミリーマートホールディングス内)、ダイエー、イトーヨーカドーの順に多くなっていく。

リサイクル率も西友が59%と突出している。できればリサイクル率だけではなく、環境配慮の3Rの中でも優先する「リデュース(Reduce:廃棄物の発生抑制)」も見てみたいところだ。

フードバンクへの取り組みも、この中では西友が最も早かった。

「エコの森京都」に持ち込まれた食品廃棄物(島田幸治氏撮影)
「エコの森京都」に持ち込まれた食品廃棄物(島田幸治氏撮影)

大手コンビニエンスストアの食品廃棄物の発生量及び発生抑制

次にコンビニエンスストアを見てみる。

7社のうち、サークルKサンクスとam/pmを除く5社を比較すると、全店舗の食品廃棄物発生量(環境省による試算)は、セブン-イレブン・ジャパンが5.8万トンで、最も多い。

次いでローソンが4.6万トンとなっているが、4.0万トンのファミリーマートと、3.6万トンのサークルKサンクス、0.9万トンのam/pmが統合した現在では、値がまた違っているだろう。ミニストップが1.1万トン、デイリーヤマザキが0.9万トン。

セブン-イレブン・ジャパンの最新の環境報告書である「社会・環境への取り組み 2017-2018」のうち、「商品、原材料、エネルギーのムダのない利用」を確認してみた。リサイクル率が53.4%ということは載っていた。食品廃棄物の実数については言及されていない。

「スーパー及びコンビニエンスストアにおける食品廃棄物の発生量、発生抑制等に関する公表情報の概要」(環境省)
「スーパー及びコンビニエンスストアにおける食品廃棄物の発生量、発生抑制等に関する公表情報の概要」(環境省)
「エコの森京都」に持ち込まれた食品廃棄物(島田幸治氏撮影)
「エコの森京都」に持ち込まれた食品廃棄物(島田幸治氏撮影)

東洋経済新報社「CSR企業白書2017」の廃棄物等総排出量ランキングから算出すると

そこで今度は、第三者が公開している白書のデータを見てみたい。

東洋経済新報社が毎年発行している「CSR企業白書2017」に、企業の廃棄物等総排出量ランキングが掲載されている。ここから、食品系の企業の廃棄量を算出している記事がある。

廃棄物の多い企業の参考として、上位200位の中で食品、小売の会社をあげてみると、

セブン&アイホールディングス, ユニーファミリーマートホールディングス, 日本ハム, サントリーホールディングス, イオン, ローソン, サッポロホールディングス, コカ・コーラボトラーズ, キッコーマン, 日本マクドナルドホールディングス, 味の素, 日清製粉グループ本社, 森永乳業,ニチレイ, 昭和産業, J-オイルミルズ, 明治ホールディングス, 三越伊勢丹ホールディングス, カルビー, 伊藤園, 伊藤ハム, 高島屋, 日清食品ホールディングス, 雪印メグミルク, 日清オイリオグループ, イズミ, ワタミ, オーケー食品工業

といった会社があります。量としてはセブン&アイホールディングスの670,280トンを一番に、合計が2,817,867トンになります。

ざっくりな概算ですが、30~50%が食品廃棄物と思われるので、約84.5万トン~140万トンがこれら上位企業による食品廃棄物の量と見ておけば大体の量としてはよいのではないでしょうか。

上記のうち小売企業で発生したものは食品ロスであろうという考えでいくと、上記企業のうち小売企業の合計が1,507,069トンなので、30~50%が食品ロスとして、約45万~75万トンが上位小売企業で発生した食品ロスと考えられそうです。

出典:食品廃棄・フードロスの廃棄物量上位企業での発生量はどれくらいか(すぐ活かせる環境情報 2018年4月10日付)

このサイトによれば、上記企業のうち、日本ハム、キッコーマン、マクドナルド、カルビー、日清食品の5社は、自社の公式サイトで、すぐにわかるように食品廃棄物の量を掲載していたとしている。いずれも食品メーカーやファストフードで、スーパーやコンビニではないが、実際に調べてみた。

日本ハム「廃棄物の発生量推移と割合」

キッコーマン 「廃棄物・副産物の削減と再生利用」

日本マクドナルド 「環境への取り組み」

カルビー 「資源の有効活用」

日清食品 「廃棄物の削減」

必ずしも全社が全量を公開しているわけではないようだが、可能な範囲で情報を開示し、透明性を保つことは、企業の信頼性にも繋がる。

高校1年生は「コンビニの食品ロス」に関する論文を執筆し受賞

高校生もコンビニを取材していた。「コンビニエンスストアの食品ロス問題から私たちができることを考える」という論文を執筆し、中央大学の第16回高校生地球環境論文賞で賞を受賞している。

次世代を担う私たち、コンビニエンスストアを当たり前の様に利用している私たちにできる事がある。食品リサイクル・ループに取組む企業とコラボレーションし、この活動を啓蒙するのである。「食品リサイクル・ループで人道支援」を私たち高校生の手で積極的に告知していく。そして食品ロスの現状と、これから起こるであろう食料問題を多くの人に知ってもらうのだ。その為には、とても身近で告知力の高いSNSを利用した拡散が効果的であると考える。

出典:中央大学 高校生地球環境論文賞 第16回受賞論文【佳作】「コンビニエンスストアの食品ロス問題から私たちができることを考える」お茶の水女子大学附属高等学校 1年 高橋風香さん
2018年10月30日に京都大学で開催された食品ロス削減全国大会in京都のネットワークディナー(浅利美鈴先生を通して頂いたYuccoTさん撮影の写真)
2018年10月30日に京都大学で開催された食品ロス削減全国大会in京都のネットワークディナー(浅利美鈴先生を通して頂いたYuccoTさん撮影の写真)

社会全体で「食べられるものはおいしく食べる」を実践したい

せっかく作られた食べものなのだから、食べられるものは最後まで売りきりおいしく食べるという、本来、当たり前のことを実践していきたい。決して無理に、ではなく。