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統一球隠蔽問題の責任を取ってコミッショナーは即刻辞任せよ!

本郷陽一『RONSPO』編集長

千葉マリンの記者席で野球を見ていると、新聞記者の間で、情報が飛び交った。

「午後8時からコミッショナーが会見」

「コミッショナーは辞任を否定」

メディアは、試合前に統一球が実は公表されないまま飛ぶボールに変わっていたという問題についてのコメント取りに振り回されていた。

統一球が飛ぶボールに変わっていたという問題は何もニュースではない。

第一に数字が物語っている。現場から出ていた声もそうだった。

「やっぱ変わってますよね。飛び方が違いますもん」

隠蔽が公表される前から何人もの選手にそんな話を聞いた。

ある現場の人間からは、昨年の9月くらいから、すでに実験的に飛ぶボールに変わっていたのではないかという話を聞いたことがある。

ボールの製造場所が密かに変わったこと。

今回、明らかになったように中心の部分の材料の変更の話なども具体的に球界のアンダーグラウンドでは情報として流れていた。

それでもミズノは、絶対に口を割らなかったそうだ。

統一球を飛ぶボールに戻すことは大賛成である。

問題は、そのことではなく、秘密裏にボールを変更して、事実を隠蔽していたことだろう。この日、加藤コミッショナーは、それを知らなかったこと、本塁打数が増えた事実などは、選手が対応した結果だと思っていたと語った。こういう人物には、即刻、辞任してもらいたい。

例え、本当に知らなかったとしても、それを会見で言うべきではないし、知らなかったとすれば、その時点で、トップの立つ人間の管理能力の欠如、管理責任である。公式球には加藤氏のサインがプリントされている。加藤コミッショーナが承認したという証。

なのに、それを本当は承認してなかったと告白しているのだから、責任は逃れられない。

また、ホームラン数の増加や3割打者が増えたことを「選手の対応力だ」と思っていたとしたら、誰のどういう技術が、対応力だと思ったのかを個別にひとりひとり説明してもらいたい。例え、野球がわからぬとも、情報力というものがあるだろう。コミッショナーの立場で、あらゆるプロ野球関係者と野球談義を重ねれば、おのずとボールが飛ぶボールに変わっているのではないかという疑問にたどりつくだろう。それでも気がついていなかったとすれば、これもまたコミッショナーとしての情報集収能力不足である。

つまり、今回の問題は、今さらながらだが、加藤コミッショナーが、その座には、不適任であることを表にさらけ出したということだ。

ところで、NPBの事務方は、なぜ、公表を避けてきたのだろう。

「新旧のボールが混在することで現場が混乱する」と、下田事務局長は説明している。メーカーとの癒着で在庫一掃などの事後処理があったにしても、どうも隠蔽理由としては弱い。コミッショナー事務局に強い影響力を持つ、どこかの球団の謀略か。

それとも業者との癒着か。

よくわからない。

とにかく被害者は、選手とファンである。

プロ野球は数字が査定ポイントとなってモロに給料に跳ね返る。元阪神スコアラーの三宅博さんと本作りをした時、「統一球対応ができなかったベテランがのきなみ成績を落としている」という分析を聞いた。統一球だからと、その分を査定に配慮してくれる球団などない。彼らの選手寿命さえ左右する問題であることがわかっているのだろうか。

また「国際試合で通用するために」という大前提も先のWBCで、使用球と統一球がまったく違うもので、対応に苦労したことが明らかになって崩れてしまっている。もう大義名分はない。統一球によって失われた時間の責任は、間違いなくコミッショナーにある。

『RONSPO』編集長

サンケイスポーツの記者としてスポーツの現場を歩きアマスポーツ、プロ野球、MLBなどを担当。その後、角川書店でスポーツ雑誌「スポーツ・ヤア!」の編集長を務めた。現在は不定期のスポーツ雑誌&WEBの「論スポ」の編集長、書籍のプロデュース&編集及び、自ら書籍も執筆。著書に「実現の条件―本田圭佑のルーツとは」(東邦出版)、「白球の約束―高校野球監督となった元プロ野球選手―」(角川書店)。

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