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冬至をきっかけに東北地方は厳しい寒さに 週末は第一級の寒気が南下

平野貴久気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
18日(土)の気象衛星画像 今週末の寒気はこの時以上に?(ウェザーマップ提供)

「冬至 冬なか 冬はじめ」という言葉があります。冬至は、暦の上では冬の真ん中だが、実際は冬至から本格的な冬が始まる、という意味です。あす12月22日は冬至ですが、今年はまさにこの言葉通り、あす22日以降、年末にかけて、寒さが非常に厳しくなる見込みです。

25日(土)ごろから強烈な寒気流入

 先週末、今季一番の強い寒気が流れ込んだ影響で、東北地方の日本海側では24時間で60センチを超える雪が降り、青森県の酸ヶ湯では、全国で今季初めて積雪が1メートルを超えました。また、太平洋側にも雪雲が流れ込み、仙台でも3センチの積雪を観測しました。

 そして、今週末の25日(土)ごろからは、先週末よりもさらに強い寒気が流れ込む見込みです。

上空5500メートル付近の寒気の予想(ウェザーマップ提供)
上空5500メートル付近の寒気の予想(ウェザーマップ提供)

上空1500メートル付近の寒気の予想(ウェザーマップ提供)
上空1500メートル付近の寒気の予想(ウェザーマップ提供)

 現時点での予想ですが、26日(日)には、上空5500メートル付近で-42度以下という、真冬でも十分に強い、第一級の寒気が東北地方の上空に流れ込む予想です。この付近の寒気が強ければ強いほど雪雲が発達し、日本海側に多量の雪を降らせます。また、先週末同様、太平洋側にも雪雲が流れ込んで、平地でも再び積雪となる可能性があります。

 そして、1500メートル付近(下層)の寒気も-12度以下。こちらも、第一級と言えるくらいの強い寒気です。この付近の寒気は、地上の気温に直接影響するため、寒さが非常に厳しくなります。最低気温は-7度前後で、朝は水道が凍結するくらいの冷え込みになります。最高気温も0度に届かない真冬日のところがある見込みです。

21日(火)17時発表の週間予報(ウェザーマップ提供)
21日(火)17時発表の週間予報(ウェザーマップ提供)

ノーマルタイヤでの雪道走行は法令違反

 12月も下旬になり、東北地方では多くの方が、冬用タイヤへの交換は終わっているものと思いますが、太平洋側の雪の少ない地域では、まだノーマルタイヤのままという方もいるかもしれません。

 今週末は太平洋側の平地でも積雪の可能性がありますが、雪道や凍結路面をノーマルタイヤで走行してしまうと、罰則の対象になります。

 以下、宮城県の場合ですが、次のように定められています。

宮城県道路交通規則 第14条(1)

 積雪又は凍結のため、滑るおそれのある道路において、タイヤに鎖又は全車輪に滑り止めの性能を有するタイヤ (設置面の突出部が50パーセント以上磨耗していないものに限る。)を取り付けるなど滑り止めの方法を講じないで、 三輪以上の自動車(側車付き二輪の自動車及び小型特殊自動車を除く。)を運転しないこと。

 違反した場合は、大型車7000円、普通車6000円の反則金が科せられます。

 反則金を取られるから交換する、ということでは決してありません。あくまでも安全のための交換です。もしもまだノーマルタイヤであるという方がいらっしゃいましたら、できるだけ早く冬用タイヤに履き替えていただきたいと思います。

気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

1980年愛知県生まれ。大学では気象学を専攻。卒業後は番組制作会社でリサーチャーとして活動。メディアを通じて自ら気象情報を発信したいという思いから、2009年に気象予報士の資格を取得。2012年から宮城県の仙台放送にて気象キャスターを務める。現在「仙台放送 Live News it!」出演中。予報はもちろんのこと、これまで宮城県内さまざまな場所を取材した経験から見えてくることなども発信できたらと思います。

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