きのう7月28日、台風8号が宮城県石巻市付近に上陸しました。台風が宮城県に上陸したのは、1951年の統計開始以来初めてとなります。これに関して「ほんとに上陸したことなかった?」「これまで何度も台風来ているけど...」という質問を多数受けましたので、ここで、台風の上陸とは何か、について簡単に話したいと思います。

台風上陸の定義

 気象庁による台風上陸の定義は、「台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸に達した場合」とされています。つまり、海上を進んできた台風が、この陸地のどこかに最初に達したところが上陸地点ということになります。他県に上陸して宮城県を通った台風はいくつもありますが、その場合は、宮城県に上陸したとはなりません。今回の台風8号は、海から直接、中心が宮城県に入ってきました。このような台風はこれまでの統計ではなく、「統計開始以来初めて宮城県に上陸」となるわけです。

 この「上陸」に関しては、一部例外もあります。

 まず、島しょ部に中心が達した場合、上陸ではなく「通過」となります。沖縄もこれに含まれます。ですから、沖縄に台風が「上陸」することはないわけです。また、小さい半島を横切ってすぐに海に出た場合も、上陸ではなく「通過」となります。

中心ばかりにこだわりすぎない

 今回の台風8号、太平洋から直接、東北地方へ接近してきたため、中心がどこを通るのか、宮城県に初めて上陸するのか、そんなことが注目されたと思います。ニュースでも、初めてとなれば、大きなトピックになることは間違いないでしょう。ただ、あまり中心の位置ばかり見ていると、大事なことを見落とす可能性があります。

 おととし2019年の台風19号(令和元年東日本台風)。宮城県では24時間で600ミリ近い雨が降ったところもあり、土砂災害、河川の氾濫が至るところで発生。大きな被害が出ました。

 実はこの台風は、中心は宮城県を通っていません。茨城県、福島県を通って、太平洋へ抜けていきました。しかしながら、宮城県は、全国でも最も雨が降り、最も被害が大きかった地域の一つとなりました。もちろん、今回の台風8号とはまるで勢力が違いますが、中心が外れたと思って安心などしてはいけないということです。

 台風が接近してきた時、中心ばかりに注目していても仕方がないと、個人的には思います。台風の中心が近づく前のほうが雨が強まったり、過ぎ去った後の方が風が強まったりということもあるはずです。

 大事なのは、防災対応をとることであり、どれくらい雨が降りそうなのか、どこで風が強まりそうなのか、どこで危険が迫っているのかを、レーダーや危険度分布などを見て気にする方に重きを置いて、少しでも被害を軽減させることを優先していただきたいと思います。