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あまり注目されない 梅雨入り・梅雨明けの「確定値」

平野貴久気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
今年の梅雨入り・梅雨明けの確定値(気象庁ホームページを加工)

 きのう9月2日、気象庁から、今年の梅雨入り・梅雨明けの「確定値」が発表されました。と言われても、よくわからない方は多いと思います。

 梅雨入り・明けはすでに発表されていますが、あれはあくまでも「速報値」です。気象庁は、春から夏にかけての天候経過を振り返り、梅雨入り・明けの時季を確定させる作業を行い、毎年9月に「確定値」として発表しています。時には、速報値から大幅に変更されることもあります。それだけ、季節の移ろいを予想して線引きすることは難しいということです。

東北南部の梅雨明けは 7月30日ごろ→7月25日ごろ に

7月25日午前9時の実況天気図(ウェザーマップ)
7月25日午前9時の実況天気図(ウェザーマップ)

 今年、東北南部の梅雨明けは、少し待たされました。7月は曇りや雨の日が多くなりましたが、7月25日ごろからは晴れて暑くなり、梅雨明けを発表してもいいような気圧配置になっていました。しかし、実際に発表されたのは7月30日。当時、南の海上には台風があり、不安定降水も予想されていたため、発表が遅れたものとみられます。

 これが再検討の結果、やはり7月25日ごろには梅雨は明けていたという判断になり、確定値は5日早くなりました。これは多くの人の実感と一致しているかもしれません。

ひっそりと発表される「確定値」

 この「確定値」は、気象庁のホームページでひっそりと発表され、あまり日の目を見ることはありません。大々的に報じられることもありません。梅雨はもう終わったことで、多くの人の関心は、この先の天候に向いているからだと思います。

 しかしながら、この「確定値」こそが正式な梅雨入り・明けとなります。これを知らないと、東北南部の梅雨明けは、おそらく7月30日のままです。

 今年の確定値については、気象庁の「夏(6月~8月)の天候」のページに詳しく載っていますから、一度ご覧になってみるといいかと思います。

気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

1980年愛知県生まれ。大学では気象学を専攻。卒業後は番組制作会社でリサーチャーとして活動。メディアを通じて自ら気象情報を発信したいという思いから、2009年に気象予報士の資格を取得。2012年から宮城県の仙台放送にて気象キャスターを務める。現在「仙台放送 Live News it!」出演中。予報はもちろんのこと、これまで宮城県内さまざまな場所を取材した経験から見えてくることなども発信できたらと思います。

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