Yahoo!ニュース

2023年の新成人は341万人

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
成人の日の華やかさはいつも通り(写真:イメージマート)

・2023年1月1日時点で卯(う)年生まれの人口は997万人、新成人の人口は341万人。

・新成人の総人口比は2.73%。

・新成人の数はおおよそ減少中。

新成人は341万人、民法一部改正経過措置で3年分合算

総務省統計局は2022年12月31日、2023年1月1日現在における「卯(う)年生まれ」の人口と「新成人」の人口の推計データを発表した。それによると卯(う)年生まれの人口は997万人で、新成人の人口は341万人との推計となった。

2022年年4月1日、成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする、民法の一部を改正する法律(平成30年法律第59号。以下「改正法」)が施行され、経過措置により、施行日時点で18歳以上20歳未満の人も同日に成年に達することとされた。そこで2022年中に新たに成人に達した人は、2023年1月1日現在で18歳か19歳か20歳の人となり、その人口は18歳が112万人、19歳が113万人、20歳が117万人で、合わせて341万人となる。新成人341万人においては、男性が女性より9万人多い。グラフでは連続性を考慮し、2023年分は20歳の値のみを反映させる。

↑ 新成人人口(万人)(各年1月1日現在)
↑ 新成人人口(万人)(各年1月1日現在)

↑ 新成人人口(万人)(各年1月1日現在、2001年以降)
↑ 新成人人口(万人)(各年1月1日現在、2001年以降)

新成人の人口推移を見ると、グラフ左側にある1970年が一番多い。これは第一次ベビーブーム世代が成人に達したのが原因。その後減少を続けているが、1980年以降再び増加に転じ、第二次ベビーブーム世代の人が成人に達する1995年前後にピークを見せる。その後減少傾向を再開し、今はそれが継続中の状態にある。

今回発表された2023年の新成人341万人は、値が公開されている1968年以降においては過去最大。もっとも3年分が合算された値だから大きなものとなるのは当然。前年まで同様に20歳のみで勘案すると、これまでで過去最低値だった2014年・2016年におけるの121万人からは4万人少ない。新成人の総人口比は2.73%となるが、20歳に限れば0.93%。

グラフ上、1987年に大きなへこみが生じているのが目にとまる。これは昭和41年・丙午(ひのえうま)年生まれの人が成人した年。いわゆる「丙午信仰・迷信」により出産数が極端に少なかったことに起因するもの。これが主な原因で、十二支では丙午生まれの人口がもっとも少なくなっている。このように視覚化すると、ここまではっきりとした動向が確認できる次第である。歴史的事実として覚えておくとよいだろう。

卯年生まれは997万人

2023年は卯年。その卯生まれの人口は全年齢合わせて997万人で、そのうち男性は485万人・女性は513万人。総人口1億2477万人に占める比率は8.0%。出生年別に見ると、2023年中に48歳になる昭和50年(1975年)生まれの人が186万人でもっとも多い。次いで多いのは昭和26年(1951年)生まれの人で171万人。また卯年生まれの人口は十二支の中では10番目に多い人数となっている。もっとも多いのは丑(うし)年生まれで1126万人。

↑ 卯(う)年生まれの人口(男女別・出生年別、万人)
↑ 卯(う)年生まれの人口(男女別・出生年別、万人)

2023年分は従来の1年分の成人人口ではなく、3年分の合算となっている。2023年における20歳よりは19歳、19歳よりは18歳の方が人口は少ないため、次年の2024年時点での成人人口はさらに勢いよく減少する可能性は多分にあるといえよう。

■関連記事:

【日本の平均世帯人数と世帯数推移をさぐる(2020年公開版)】

【2050年の日本人口推計は9515万人・首都圏や中部圏に集中化へ…地域別人口推計】

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事