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20代は70.2%が携帯電話から閲覧…日本におけるTwitterの利用状況詳細

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
つぶやきなどと呼ばれる書き込みを連ねるTwitter。日本での利用実情は(写真:REX/アフロ)

Twitterの最新利用状況を確認

ミニブログ形式の書き込みをアカウント単位で逐次発信する、チャットスタイル感覚のコミュニケーションツール、Twitter(ツイッター)。短文によるやりとりが日本人の性質とマッチしたこともあり、諸外国よりも日本国内での評判が高いことは日本国内外で知られるところ。今回は日本国内の動向のみではあるが、そのTwitterの利用状況に関して、総務省が2022年8月に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の公開値を基に、いくつかの切り口から確認する。

まずは直近年となる2021年における、Twitterの利用状況の確認。利用スタイルをパソコンからか、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンの双方合わせて)からなのか、そして閲覧をしているか、書き込み(投稿)をしているか、それぞれの組み合せで計4つの選択肢を用意し、該当するものを答えてもらった結果が次のグラフ。例えばパソコンのみを利用しているが、閲覧も書き込みも行う場合もあれば、パソコンでは閲覧のみで、携帯電話では閲覧と書き込みの双方を行う場合もある。それぞれの利用スタイルに応じて複数回答で答えてもらっているので、最大で4選択肢(パソコン経由で閲覧・投稿、携帯電話経由で閲覧・投稿)に回答するケースがありうる。

↑ Twitter利用率(複数回答、年齢階層別・利用スタイル別)(2021年)
↑ Twitter利用率(複数回答、年齢階層別・利用スタイル別)(2021年)

パソコンは青系統色、携帯電話は赤系統色で統一しているが、パソコン経由の利用者は少数で、多分に携帯電話による利用者であることが分かる。特に若年層は携帯電話経由での投稿に積極的で、10代では2割強、20代では4割近くとなっている。同じ20代でパソコン経由は読むのみが1割台半ば、書き込みは1割にも満たない。

30代以降になると携帯電話利用者、特に投稿をする人の値が急激に減り、読むだけの人が多数となる。40代に入ると携帯電話経由での閲覧者が4割台となる以外は1割を切り、書き込みをする人はごく少数。実質的に今の日本におけるTwitterは、若年層が多数派の、携帯電話中心によるサービスであることが分かる。

男女別に区分したのが次のグラフ。

↑ Twitter利用率(複数回答、男女別・利用スタイル別)(2021年)
↑ Twitter利用率(複数回答、男女別・利用スタイル別)(2021年)

就業時間、あるいはその合間に利用するケースが多いのか、それも含め元々パソコン経由でインターネットを利用する機会が多いからか、男性は女性と比べてパソコン経由での利用が多い。他方、携帯電話経由での閲覧は女性の方がわずかだが多い結果となっている。

経年推移で実情を確認

「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では今回年も合わせ都合10年分の、Twitterの利用率を確認することができる。その値を年齢階層別に区分したのが次のグラフ。この利用は経由端末種類を問わず、読むだけの人も投稿をする人もすべて該当する。

↑ Twitter利用率(年齢階層別)
↑ Twitter利用率(年齢階層別)

10代の利用率は2015年まで急激に伸びた後はゆっくりとした形での伸び方で、2017年以降はほぼ横ばい。20代は毎年増加を示していたが2019年で大きな減少を示したものの2020年で再び伸びる。30代以降もゆるやかでぶれも生じているが、少しずつ増加の傾向にある。直近2021年では30~50代で大きな伸びが生じている。もっとも30代以降は元々の値が低めであることから、今後も10-20代が利用者の主役である状況には変わりはあるまい。

よい機会でもあるので、多様な属性におけるTwitterの「利用率」を示しておく。この値の人たちが何らかの形でTwitterを利用していることになる。

↑ Twitter利用率(属性別)(2021年)
↑ Twitter利用率(属性別)(2021年)

学生・生徒の利用率が高いのは上記の通りで、それと連動する形で10~20代が高め。男女ではわずかに男性の利用率が高い。全体では46.2%の利用率を示している。

日本におけるTwitterの利用率の現状を把握する上で、この値を覚えておくのが一番無難かもしれない。

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※令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2021年11月30日から12月6日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォータサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳~69歳の1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが確認できるが、これについて報告書では「経年での利用時間などの変化については、調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きを入れている。さらに2020年分の調査については「令和2年度調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、11都府県を対象とした緊急事態宣言下で行われたものであることにも留意が必要」との補足があった。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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