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「出世したいと思わない」48.2%…今どきの新社会人の出世欲(2024年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
新社会人の出世への意欲は?(写真:イメージマート)

学業を終えた多くの人は企業へ就業し、組織の一員として社会に組み込まれることになる。組織は多様な階級構造で、ただの社員から役職がつくに連れて組織内で権限を持てるようになる。役職が上の段階に上がることを出世と呼んでおり、最終的には組織のトップとなる社長などを目指すのが一般的とされているのだが、今どきの新社会人はどれほどの出世欲を持っているのだろうか。ソニー生命保険が2024年4月に発表した、新社会人に対して行った意識調査の結果「社会人1年目と2年目の意識調査2024」(※)を基に、その実情を確認する。

次に示すのは調査対象母集団に対して、将来どの役職まで出世したいかを尋ねたもの。例えば全体では社長の値が7.3%と出ているので、調査対象母集団全体では7.3%が社長まで出世したいと考えていることになる。

↑ 将来どの役職まで出世したいか(属性別)(2024年)
↑ 将来どの役職まで出世したいか(属性別)(2024年)

全体では社長にまで出世したい人は7.3%、役員は13.7%、部長は18.4%、課長は12.4%。一つの組織にとどまるつもりはないので役職上の出世はあまり考えていない人もいるのかもしれないが、それにしても少々少ない気はする。一番多い部長ですら18.4%でしかない。

他方、出世したいと思わない人は48.2%。社会人1年生と2年生を合わせた調査対象母集団で5割近い人は課長にすらなりたくなく、出世そのものを考えていない、言い換えれば平社員のままでよいと考えていることになる。この出世欲の低さについて結果の報告書では「『出世したら負け』という言葉も聞こえるほど、近年では出世したくない若者が増えている。その原因として、出世した上司が幸せそうに見えない、所得以上に業務量やストレスが増える、プライベートが犠牲になる、などの見方がある」と説明している。

属性別に見ると、男性よりは女性の方が出世欲が低い。結婚して退社することを前提として働く人も少なくないのだろうか。また、社会人1年生より社会人2年生の方が「出世したいと思わない」の回答値が大きくなっているのが目にとまる。1年間の就業の中で、出世によるマイナス面を実際に見聞きした上での判断があるのかもしれない。

ともあれ、新社会人の半数ほどは出世を望んでいない。この実情に驚く人も少なくないだろう。

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※社会人1年目と2年目の意識調査2024

2024年3月8日から3月13日にかけて、「今春就職する社会人1年生」「就職してから1年経過した社会人2年生」(いずれも20代)に対してインターネット調査形式で行われたもので、有効回答数はそれぞれ500人。男女比はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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