新社会人の初任給、何に使いたいか・使ったか(2024年公開版)
学生時のアルバイトでの初めてのアルバイト料のことを指す場合もあるが、一般的には社会人となってはじめて受け取るお給料のことを初任給と呼んでいる。人生で初めての経験となる、自分の労働の対価の受け取りは、一生の思い出となるに違いない。その初任給を、新社会人たちはどのように使おうと思っているのだろうか。ソニー生命保険が2024年4月に発表した、新社会人に対して行った意識調査の結果「社会人1年目と2年目の意識調査2024」(※)を基に、その実情を確認する。
次に示すのは、新社会人(社会人1年生)がこれからもらう初任給をどのように使いたいか、そして社会人2年生が実際に初任給をどのように使ったのかについて、複数回答で尋ねた結果。新社会人も社会人2年生もトップの使い道は貯蓄だった。
新社会人で貯蓄に続くのは生活費。やはり現状の生活が金銭的に厳しいからか、あるいは一人暮らしをしているなどでお給料を生活費に充てるのは当然だという認識だからかもしれない。
一方で、初めて手にした労働対価だから記念に、ということなのだろう、自分にちょっとよい物を買いたいとの意見が続いている。これまで欲しくても買えなかったものとか、または記念になるものを買うのだろうか。
さらに同様の考え方だが、自分にではなく保護者への贈り物を買いたいとする意見が続く。感謝の意を込めてということだろう。直後に続く保護者をご馳走に連れていくもほぼ同じ内容といえる。
社会人2年生の回答、つまり実際に初任給でどのような使い方をしたかについては、新社会人の思惑と大きな違いはない。貯蓄がトップにつき、生活費や自分にちょっと良い物、保護者への贈り物が上位となる。一方で、貯蓄や生活費、保護者への贈り物やご馳走に連れて行く、新生活で必要なものなど、実用的な使い方や他人のために使うものは新社会人の思惑より値は少なく、自分にちょっと良い物をはじめ、美容・ファッション、友人と飲み・食事会、旅行、デートなど自分自身の遊興費的な使い方へは値が多くなる傾向があるようだ。はじめてまとまったお金が自分の稼ぎとして手に入ると、気が緩んでしまうのだろうか。
なお一部で注目されている奨学金の返済は、新成人も社会人2年生も1割強。見方を変えれば、少なくとも就業者として対価を得られるようになった新社会人の1割強は、学生時代に奨学金制度を利用しており、社会人として自分の稼ぎの中から返済している次第ではある。
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※社会人1年目と2年目の意識調査2024
2024年3月8日から3月13日にかけて、「今春就職する社会人1年生」「就職してから1年経過した社会人2年生」(いずれも20代)に対してインターネット調査形式で行われたもので、有効回答数はそれぞれ500人。男女比はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。
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