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「喫煙者は仕事ができない人」非喫煙者の意見は肯定か否定か

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
喫煙者は仕事ができない人。その考え方を非喫煙者は肯定するのだろうか(写真:アフロ)

たばこを忌み嫌う人にとっては、喫煙は我慢ができない人のすることだから、喫煙者は自己管理能力に劣っていると考えているかもしれない。また、喫煙は席を外して喫煙場などでするため、仕事をさぼる行為に他ならないという認識を持っている人もいるだろう。それでは実際に、非喫煙者は喫煙者に対し、仕事ができない人だと思っているのだろうか。ネットエイジアが2022年5月に発表した非喫煙者意識調査(※)の結果から確認する。

次に示すのは「喫煙者は仕事ができない人だと思う」という命題に対し、どのような感想を抱いているかの結果。同意ができるか否かを4段階で答えてもらっている。あくまでも回答者の認識でしかないことに注意。

↑ 喫煙者は仕事ができない人だと思うか(非喫煙者のうち有職者限定)(2022年)
↑ 喫煙者は仕事ができない人だと思うか(非喫煙者のうち有職者限定)(2022年)

今調査対象母集団に限れば、喫煙者は仕事ができない人だという認識を持っている人は非常にそう思うとややそう思うを合わせても15.4%でしかない。8割以上の人は、喫煙者だからといって仕事ができない人ではないとの考え。国内外を問わず、喫煙者は自己管理ができないから仕事もできないに違いないとの考えが一部にあるようだが、実際のところ(少なくとも非喫煙者においては)喫煙習慣を業務能力の評価に結び付けることは合理的でないと考える人が多いようだ。

男女別・年齢階層別に動向を見ると、女性は30代と60代で肯定派(喫煙者は仕事ができない人と思う)が少ないが、それ以外ではやや多め。特に20代と40代で大きな値が出ている。他方、男性はおおよそ年を経るに連れて肯定派が増える傾向がある。20代では15.7%にとどまっているのに対し、60代では22.8%と2割を超えてしまう。もしかすると「喫煙者は仕事ができない人」というのは男性に限れば古い考えなのかもしれない。

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※非喫煙者意識調査

2022年4月20日から21日にかけてインターネット経由で現在たばこを吸っていない20~69歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比・10歳区切りの年齢階層で均等割り当て。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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