夜は2割近くがテレビを見ながら食事…テレビ視聴と食事時間帯の関係(2021年公開版)
多くの人にとって食事は毎日3食欠かせないものだが、生活様式、家族構成や習慣により、その摂取時間は大いに違う。NHK放送文化研究所が2021年5月に発表した2020年国民生活時間調査(※)の報告書を基に、テレビ視聴との関係を食事時間帯の観点から確認する。
食事時間帯の動向は、食事をし「ながら」テレビを見る傾向が強いことから、テレビの視聴動向を見ることである程度推測できる。
つまりテレビ視聴のうち「ながら」の行為者率が高い部分で食事をしている、との推測である。もちろんテレビを見ずに食事をする人もいるし、スマートフォンを操作したり新聞を読むなど食事以外の「ながら」をしながらテレビを見る人もいる。ただし平日の昼間は職場や学校で食事をする人も多いため、テレビの「ながら視聴」の比率は低めとなる。
それでは肝心の食事における平均行為者の推移はどのようなものだろうか。平日と日曜に関して、その動きを確認したのが次のグラフ。縦軸の区切りは双方で合わせてある。
1日3回大きな山ができており、多くの人が食事を1日3回取るライフスタイルが確立されているのが分かる。そしてよくその中身を見ると、
・平日より日曜の方が朝食時の行為者率が高くなる幅が広く、起床時間がまちまちなことが推測できる。
・平日の昼食時は時間帯が限られているためか、ピーク時の行為者率が高い。
・日曜の夕食は平日夕食よりもピーク時の平均行為者率が高く、世代を問わず(≒家族で)時間を合わせて食事をしていると推測できる。
・朝食のピークは平日の方が早い。
などの動きを読みとれる。特に「朝食のピークは平日の方が早い」は、次のように平日・日曜を重ねて折れ線グラフにすることで明確化が可能。
平日と日曜では起床時間がずれるので、朝食のピークやボリュームゾーンもずれる。さらに日曜では幅広い状態となる。そして夕食は食事時間のピークやボリュームゾーンこそ変わらないものの、皆で食事を取るために該当時間帯の平均行為率が上がることが確認できる次第である。
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※2020年国民生活時間調査
住民基本台帳から層化無作為二段抽出法によって選ばれた10歳以上の日本国民7200人を対象に、2020年10月13日から18日にかけて郵送法によるプリコード方式で行われたもので、有効回答数は4247人分。過去の調査もほぼ同様に行われているが、2015年以前は配布回収法によって実施されている。
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