20代世帯では5.1%…固定電話の保有状況をさぐる(2020年公開版)

↑ 職場ならまだしも家庭ではあまり見かけなくなった固定電話。普及の現状は。(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

固定電話の世帯保有率、全体では7割近く

携帯電話の高性能化と普及が進むに連れ、一般の世帯において電話の利用スタイルは世帯単位から個人単位へと変わり、固定電話の必要性はこれまでに無いほどに減少している。若年層では実家を離れ一人暮らし・独立世帯化する際に、固定電話の契約をしない事例も増えている。それでは現状として、固定電話は一般世帯ではどの程度の保有状況なのか。総務省が2020年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に、日本における世帯ベースでの固定電話の保有(利用)状況を確認する。

携帯電話の普及とともに、固定電話の加入者数や契約者数は漸次減少している。この傾向は変わるところが無い。

↑ IP電話利用数・固定電話加入者数・携帯電話加入者数(万件、万契約)(積み上げ)(情報通信白書より筆者作成)
↑ IP電話利用数・固定電話加入者数・携帯電話加入者数(万件、万契約)(積み上げ)(情報通信白書より筆者作成)

今調査対象母集団では固定電話の世帯全体の普及率は69.0%。前年2017年時点の値65.2%からは3.8%ポイント増加している。全世帯のうち3割強は「固定電話無し」。

↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、世帯主年齢階層別)(2019年)
↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、世帯主年齢階層別)(2019年)

特に20~30代の若年層世帯主での世帯において、低い比率なのが目に留まる。無論これらの層で「電話離れ」が進んでいるのではなく、「固定電話離れ」が進んでいるだけであることに注意が必要。携帯電話があれば、固定電話の必要性は低くなる。さらに個人主義・個別主義が浸透する昨今では、世帯ベースの電話連絡先の必然性が低くなっている。そして世帯人数の減少、単身世帯の増加もそれに拍車をかけている。

属性別の実情

固定電話の保有状況を世帯構成と世帯年収別に見たのが次のグラフ。

↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、属性別)(2019年)
↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、属性別)(2019年)

高齢者がいる世帯では高く、若年層のみで構成された世帯は低い値を示している(大人3人以上の場合は若夫婦+高齢層の構成であることは容易に想像ができる)。また、世帯年収別では400~600万円未満を底とし、それ以上の世帯年収では、世帯年収が大きいほど固定電話の保有率も高いものとなる。多分に世帯年収そのものではなく、世帯年収と連動性の高い世帯主の年齢が影響しているのだろう。

スマートフォンを含めた携帯電話も、使わずにホルダーに固定するなり、充電している限りにおいては、固定電話とほぼ同じ利用スタイルとなる。その視点で考えると、携帯電話を多用しているのなら、固定電話は特に必要無しとする考えが、誰もが頭に浮かぶはず。

業務用としての必要性も考慮すると、固定電話が無くなることはないだろう。しかし一般世帯向けとしての固定電話から携帯電話への置き換えの動きは、今後さらに進むことは確実と言えよう。

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※通信利用動向調査

2019年分は2019年12月に、「世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に」「企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に」対して、郵送による調査票の配布および回収の形式によって行われている(一部オンラインでも実施されている)。有効回答数はそれぞれ1万5410世帯(3万9658人)、2122企業。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。