親と同居している若年就業者の実情をさぐる(2020年公開版)

↑ 就職して結婚しても親と同居。理由は多々ある。(写真:アフロ)

昨今では核家族化が進み、祖父母とともに暮らす人は少なくなりつつある。一方で成人して職を手にしても、親にせがまれ、職場に近く便利なため、あるいは金銭上の事情などから離れることができず、親と同居する就業者の事例も多々見聞きする。それでは実態として、親と同居している若年の就業者はどれほどいるのだろうか。厚生労働省が2019年12月に発表した、2018年時点における若年層(15~34歳)の雇用実態を調査した「若年者雇用実態調査」(※)の結果を基に確認する。

次に示すのは若年層(15~34歳)の就業者で構成される調査対象母集団における、親との同居率。例えば総数では47.6%とあるので、若年就業者の47.6%は親と同居していることになる。若年全体に対する割合ではないことに注意。あくまでも働いている人に限定している。

↑ 若年就業者における親との同居率(属性別)(2018年)
↑ 若年就業者における親との同居率(属性別)(2018年)

男女別では女性の方が同居率は高く、年齢階層別では男女ともに若年層の方が高い。10代後半では男性9割近く、女性は8割強が親と同居しながら働いていることになる。介護による同居の人もいるだろうが、別項目の「自世帯の主な収入源」の項目を見ると(グラフ化は略)、10代ではほぼ同率が「親の収入が世帯の主な収入源」と答えており、多分に稼ぎの少なさから一人暮らしなどができず、親元で暮らしている状況が透けて見える。

この状況も年を取って手取りが増えるに従い、同居率は減っていく。それでも30代前半に至っても、男性では約3割、女性は3割台後半が親と同居している。

興味深いのは雇用形態別。正社員では4割強なのに対し、非正社員では6割近くに及んでいる。親と同居する理由の多分が、手取り不足で同居せざるを得ない非正社員の実態を垣間見せてくれる。ちなみ正社員における「主収入は親の収入」とする回答は17.1%に留まっているのに対し、非正社員では39.6%に達している(グラフ化は略)。

余談になるが、兄弟姉妹(就業している・していないを問わない。未成年でも構わない)との同居率は次の通り。親元に自分だけでなく兄弟姉妹がともにいる事例も多分にあり、親との同居と重なる事例も多々あることに注意。

↑ 若年就業者における兄弟姉妹との同居率(属性別)(2018年)
↑ 若年就業者における兄弟姉妹との同居率(属性別)(2018年)

値そのものは少なめだが、親の同居とほぼ同じ傾向を示している。クロスオーバー的な値は公開されていないものの、親と同居している若年就業者の少なからずが、同じような割合で兄弟姉妹とも同居をしている、しかも若年層でその割合が特に高いことから、未成年の兄弟姉妹と親元で暮らしているようすが想像できよう。

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※若年者雇用実態調査

厚生労働省が5年おきに実施している調査で、直近分は2018年9月22日から10月15日(個人調査は10月11日から11月30日まで)の間に調査票郵送配布・郵送返信方式にて行われたもので、有効回答数は事務所調査が9455事務所、個人調査が1万9889人。現時点では2018年実施・2019年発表のものが最新となる。

用語定義は次の通り。

「若年就業者」…15~34歳の就業者

「常用就業者」…期間を定めずに雇われているか1か月を超える期間を定めて雇われている就業者

「正社員」…直接雇用関係のある雇用期間の定めのない就業者のうち、正社員・正職員など

「非正社員(元資料上の表記では正社員以外の労働者)」…直接雇用関係のある就業者のうち、正社員・正職員などとされている”以外”の人(例 パート・アルバイト、契約社員など)

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。