諸外国の国民が思う、相手の国の好き嫌いの実情をさぐる(2019年公開版)

↑ 食べ物の好き嫌い同様に、国単位での国民間の好感・嫌悪感は存在する。(写真:アフロ)

国としての政策姿勢とは別に、国民レベルで他国に向けた好感、嫌悪感といった感情は確実に存在する。その実情を新聞通信調査会が2019年3月までに発表した、アメリカ合衆国やイギリス、フランス、中国、韓国、タイへのメディアに関する世論調査「諸外国における対日メディア世論調査」(※)の報告書の内容から探る。

次に示すのは調査対象国各国における、自国以外の国への好感度の指標。好感が持てる(強弱)、好感を持てない(強弱)、加えて実質的にもう一つの選択肢である無回答(あるいは分からない)も合わせ5択のうち、強弱を合わせた好感が持てる派の回答率を合計した値となっている。日本は調査実施国では無いので掲載されておらず、また各国において自国の部分は空欄となっている。

↑ 対象国に好感が持てる人の割合(2019年)
↑ 対象国に好感が持てる人の割合(2019年)

各国の市民感情としての他国への敬愛度、好感度が如実に現れているのが興味深い。アメリカ合衆国は日本以外では英仏への値が高く、タイは7割近くと高め。中韓へは5割台に留まっている。イギリスやフランスも似たようなものではあるが、イギリスではアメリカ合衆国よりもフランスへの値が高めなこと、韓国への値が低いのが目に留まる。フランスでは対日、対英の値が特段高いが、一方で対米の値が低めで、対韓の方がむしろ高い値を示しているのが特徴的。なおイギリスにおける好感度の値が押しなべて低めとなっているのは、他の回答事例から察するに「無回答」の値がそれなりに高めとなった結果だと思われる。

タイはおおよそどの国へも好感度が高いが、唯一対中国は5割程度。韓国では日本に対する値が一段と低いが、中国への値も低め。

中国はといえば、英仏への好感度が一段と高く8割強、次いで対タイ・対米が6割前後。そして対日は一段と低く1/3程度でしか無い。これは諸国で一番低い値。

これらの値はあくまでも一般市民の思惑であり、各国の政府や行政などの姿勢とは別物。とはいえ民主主義国家では多分に市民感情なるものが国策に影響を与えうることを考えると、無視できない結果には違いない。

なお2018年分の報告書では特記事項として、中韓関係の動向が取り上げられていた。そこで中韓関係の動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 中韓の互いの国への好感度
↑ 中韓の互いの国への好感度

今調査項目は直近分も含め4年分しか無いが、その3年の間に中韓双方の好感度が大きく減少している様子が分かる。特に中国から韓国への好感度の減り方が急落している(直近年ではやや持ち直したが、その分韓国から中国への好感度がさらに下がっている)。各種外電から両国の関係が悪化している実情は推測できるが、それがそれぞれの国民一般にも浸透しているのが推し量れる結果ではある。

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※諸外国における対日メディア世論調査

直近発表分はアメリカ合衆国、イギリス、フランス、中国、韓国、タイに対し、2018年11月から12月に行われたもので、アメリカ合衆国・フランス・韓国は電話調査、イギリス・中国・タイでは面接調査で実施されている。調査地域は中国・タイは都市圏、それ以外は全国。回収サンプル数は各国約1000件。グラフの年数表記は調査結果の発表年で統一している。過去の調査もほぼ同様の調査スタイル。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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