ニート数比率の国際比較をさぐる(2019年時点最新版)

↑ ニートにも色々な生活様式の人がいるが、日本国外の実情は(素材:ぱくたそ)

「ニート(NEET(Not in Employment、 Education or Training)、就業、就学、 職業訓練のいずれもしていない人)」は若年層の就労困難さや社会様式の実情を推し量れる存在として知られている。日本では毎年内閣府の「子供・若者白書(旧青少年白書)」でその実情を知ることができるが、他国ではどれほどのニートが存在するのだろうか。OECD(経済協力開発機構)の公開値(※)を基に確認する。

まずは公開されている直近年分となる2017年におけるニートの対該当年齢層構成比率。なお韓国はデータが存在しないためグラフには反映されていない。また日本は2017年分の値が無いため、前年の2016年分を適用させている。

↑ ニート比率の国際比較(OECD諸国、15~29歳、対該当年齢階層総数)(2017年)
↑ ニート比率の国際比較(OECD諸国、15~29歳、対該当年齢階層総数)(2017年)

OECDの平均値は13.4%。OECD全体では15~29歳の約7人に1人がニート判定を受けていることになる。最大値はトルコの27.2%、1/4強。次いでイタリアの25.1%、ギリシャの22.8%。日本は9.8%でOECD平均よりも低い値。アメリカ合衆国は13.3%で意外と高い。

続いて細かく年齢階層別に区分しての精査。まずは15~19歳。

↑ ニート比率の国際比較(OECD諸国、15~19歳、対該当年齢階層総数)(2017年)
↑ ニート比率の国際比較(OECD諸国、15~19歳、対該当年齢階層総数)(2017年)

高等教育を受けている状態ならばニートには該当しないため、この年齢階層では高等教育の普及率も少なからず影響を受けている。OECD平均では5.9%、最大値はトルコの15.5%、次いでメキシコの13.9%、チリの11.4%が続く。日本は3.7%と低めの値。

続いて20~24歳。

↑ ニート比率の国際比較(OECD諸国、20~24歳、対該当年齢階層総数)(2017年)
↑ ニート比率の国際比較(OECD諸国、20~24歳、対該当年齢階層総数)(2017年)

20~24歳のニート率はOECD平均では15.6%となり、15~19歳から跳ね上がる形となる。トップはトルコの32.9%で変わらず、次いでイタリアが15~19歳から大きく伸びて30.1%。ギリシャの24.0%、メキシコの23.8%が続く。日本は10.1%と1割を超えているが、それでもOECDの中では低い水準にある。

最後に25~29歳。

↑ ニート比率の国際比較(OECD諸国、25~29歳、対該当年齢階層総数)(2017年)
↑ ニート比率の国際比較(OECD諸国、25~29歳、対該当年齢階層総数)(2017年)

OECD平均は17.7%。20代後半の2割近くはニートと判定される立ち位置にある。トップはトルコでは無くギリシャで34.6%、次いでトルコの34.1%、イタリアの33.8%。ある意味働き盛りのこの年齢層で、ギリシャやトルコ、イタリアが大きく値を伸ばしている状況は、それらの国の雇用状況が非常に厳しい実態を示唆している。アメリカ合衆国ですら17.9%となり、5人に1人近くはニート。

日本はといえば15.8%で、6人強に1人がニートとなる。25歳未満の年齢階層の実情と比べて、他国との相対的な順位が上がっており、この層での就業がより厳しい状態にあることがうかがえる。

OECDではニートについて、その状態にある若年層は非常に乏しい所得でしか無く、さらにその経済状態から脱出できる機会を得られず、社会から排除されるリスクがあると説明している。他方、国によって社会保障や就業サポートの制度が異なるため、今件でニートと判定された人がどの国でも同じような生活苦にあるとは限らない。望んでその状態に収まっている人もいるだろう(残念ながらその実情は今データからは判断できないが)。

とはいえ実情として、世界でこれだけのニートがいるのもまた事実。失業率も併せ考えると、若年層の就業の苦労ぶりはどの国でも変わらないようだ。

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※OECD(経済協力開発機構)の公開値

OECDの公開データベースOECD.Statからの取得。具体的には「Education at a glance」内の「Share of population by education and labour force status」から、OECD諸国におけるニートの対該当年齢層構成比率を知ることができる。OECDでのニートの定義は「15~29歳で就業も就学も職業訓練もしていない者。就学は短時間の就学行程にある人も含まるが、短期就学は含まれない。就業はOECDやILOのガイドラインに従って判断(就業者は週1時間以上賃金労働に就いている、あるいは就いている状態だが調査時点では一時的に休んでいる者)」。日本では上限が34歳で定義されているので(2018年以降は39歳)、多少領域が異なることになるが、OECDの公開値では日本の値もOECDの基準に合致するように計算されている。

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