成人の平均食塩摂取量は1日あたり男性11グラム・女性9グラム

↑ 食塩は料理の味付けには欠かせない存在、だが

調理には欠かせない調味料の一つ、食塩。しかし過剰摂取は体に悪影響を及ぼしかねない。現代人はどれほどの食塩を摂取しているのだろうか。厚生労働省が2016年11月に発表した「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」(調査時期は2015年11月。今回調査分では調査実施世帯数は3507世帯で、調査方法は調査票方式)から探る。

日本人の健康増進のための指針の一つ「健康日本21」(第2次)では、男女とも成人の目標塩分摂取量について、1日あたりの目標値を8.0グラム、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)では18歳以上男性は8.0グラム未満・同女性は7.0グラム未満(2015年版、1日あたり、ナトリウムの食塩相当量)と定めている。これを念頭に、次の年齢階層別の平均塩分摂取量などを見ればお分かりの通り、男女とも目標値を数グラムほど上回っており、塩分を過剰摂取気味であることが分かる。

↑ 年齢階層別食塩摂取量平均値(グラム/日)(2015年)
↑ 年齢階層別食塩摂取量平均値(グラム/日)(2015年)

男女別では労働強度の違いや体質的な問題もあり、男性の方が摂取量は多い。また経年と共に味覚細胞が鈍化する(=同じ味付けでも薄味に感じる)ことで濃い味付けを求めるようになるため、塩分摂取量が上乗せされる。70歳以上でやや減るのは、健康への留意と共に、食事そのものの摂取量の減退などもあるものと考えれば道理は通る。他方、30代から40代で最小値を示すのは、健康に留意した結果だろう。

2003年以降の年代別平均値を見ると、2005年に一度増加しているものの、それ以外は大よそ減少しつつあるのが分かる。

↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、グラム/日)
↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、グラム/日)

健康志向と共に食塩の摂取量はわずかずつ減少の傾向を見せている(一方で調味料の多様化と西洋化の傾向も確認されている)。

他方、「国民健康・栄養調査」では2014年分・2015年発表分から経年変化の一部データにおいて、年齢階層別の人口比によるデータのぶれを考慮し、年齢で大きな差異が生じる経年データに関しては、年齢調整を行った値を併記している。その動向が次の通り。

↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、グラム/日)(年齢調整後)
↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、グラム/日)(年齢調整後)

食塩摂取量が大きめになる高齢者に関する調整が入るため、やや少なめの値が出るが、傾向としては変わらず。2005年をピークに漸減する動きが示されている。そして一つの目安となる8.0グラムを超えていることにも変わりはない。

身体の健康状態を維持するために必要な塩分量は労働条件・運動量・年齢、そして日々の状態によって大きく異なる。一概に上記で触れた値「男性8.0グラム未満・女性7.0グラム未満/日をクリアしないと体が変調を来たす」わけではない(例えば上記「日本人の食事摂取基準」(2015年版)によれば、小児(3~5歳)における基準量は男子4グラム未満、女子4.5グラム未満と記されている)。

ただし健康を維持する際の視点の一つとして挙げられる「塩分」を多量に摂取することは、健康にはマイナスとなることに違いない。目安としては十分以上に役立つものであり、今グラフを参考に、日頃の食生活における塩分の摂取について、今までよりもう少しだけ留意してほしいものだ。塩の利用量を少なくしても、美味しく味つけできる方法はいくらでもあるのだから。

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