どれほどの小中高校生がスマホで動画を観ているのだろうか
スマートフォンの普及は子供達の娯楽に動画視聴という新たな様式を加えることとなった。動画共有サイトは今やテレビと同レベル、あるいはそれ以上の存在にある。その利用実情を内閣府が2016年3月に確定報を発表した「平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査」」(満10歳から満17歳までの青少年対象)の結果を基に確認していく。
スマートフォンを持ち、それを使ってインターネットを利用している人に、動画視聴をしているかを尋ねた結果が次のグラフ。動画視聴のスタイルとしてはインターネット経由で閲覧する以外に、ファイルをダウンロードしてオフラインで観るパターンも想定されるが、今回はそのパターンによる視聴は算定外としておく。
小学生は5割、中学生は7割、高校生は8割近くが動画視聴をしている。同じ学校種類なら男女差は大よそ誤差の範囲で事実上差は無いと見て良い。具体的な視聴先は今件では不明だが、スマートフォンで視聴可能な動画サービスは山ほどあるため、視聴先には困らない。
「スマホでネットを使っている人の5割から8割が動画を観ている」。これは一つの指標ではあるが、全体像がやや分かりにくい。そこで各属性の全体のうち、何%がスマートフォンで動画視聴をしているかを算出した結果が次のグラフ。例えば小学生女子は9.3%と出ているが、これは女子小学生全体の1割近くが、スマートフォンで動画を視聴しているのを意味する。
スマートフォンを利用していなければ当然スマホで動画は視聴できず、さらにスマホを利用していてもインターネットへのアクセスが許可されていなければ(今件定義における)動画視聴は不可能。よってスマートフォンの利用状況そのものが多分に反映される形となっている。
小学生は元々スマートフォンの利用率が低いため、動画視聴率も低い。大よそ8%前後。中学生は1/4前後、そして高校生は大よそ7割。「高校生全体の7割はスマートフォンを使って動画を視聴している」計算になる。対象となる動画サービスは多種多様だが、関係方面には小さからぬ驚きを覚えさせる値に違いない。
今件「動画視聴」はその頻度や視聴先は問われておらず、具体的な視聴スタイルは不明。しかし少なくとも「スマホで動画」との新しい娯楽様式に関して、小中高校生の実情が把握できたのは興味深い。今後スマートフォンの普及が進むに連れて、小中学生にもこの「スマホで動画」はさらに浸透していくことだろう。
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