野菜を買うときの重視点、鮮度か価格かそれとも産地か
野菜の購入、鮮度が一番
味、鮮度、価格、安全性。一日に何度も直接食する事から、食品購入時に様々なこだわりを持つ人は多い。特に購入頻度が高い野菜では、いかなる点を重視して選択、購入しているのだろうか。JC総研が2016年1月に発表した、野菜や果物の消費行動に関する調査結果をもとに確認していく。
野菜を購入している人に限定した上で、購入時にいかなる点を重視しているかを複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人がウェイトを置いているのは「鮮度」だった。61.9%の人が野菜は鮮度を重要視して購入すると答えている。
次いで多いのは「販売単価」で53.5%。さらに「国産品」が38.6%。鮮度、価格、国産品の3項目が野菜選別の際の重要な要素との結果は、大いに納得ができる。
価格関連の動きを見ると、第2位の「販売単価」以外にも「特売」「予算内」「見切品値引」が続く。対象となる種類の野菜であれば、鮮度や量、見た目などは二の次とする考え方だが、スーパーのセールス時間帯や特売コーナーによく足を運ぶ人は、「これだけライバルが居るのか」と思うかもしれない。
味わいにこだわる人も多い。「鮮度」はもちろんだが「旬」「味・食味」なども上位に挙がっている。他方「色づき・つや」「見た目・形」などの見た目を気にする人は少なめ。情報開示やネームバリューによる付加価値などを模索した「地元・近隣産地」「生産者氏名など」「有名産地」も、野菜選択の上ではさほど大きな影響力は無いような結果が出ている。
世代別動向を確認すると
この野菜購入時の重視点について、回答者世代別の動向を見たのが次のグラフ。世代による野菜のこだわりの違いが良く出た形となっている。
若年層は「販売単価」「特売」「見た目・形」で高い値を示している。多分にお値段第一、最優先である懐事情が透けて見えてくる。実際、40代までは「鮮度」より「販売単価」の方が回答率が高く、野菜調達の際のウェイトが世代で大きく変わってくる実情がつかみ取れる。
他方「鮮度」「国産品」「旬」「味・食味」「地元・近隣産地」は歳を経るほど回答率は上昇する。歳と共に味そのものへのこだわりが上乗せされ、コストは二の次となるようすがうかがえる。また高齢層では「量の程よさ」も高い値を示し、消費量が少量の人への配慮が高齢層には喜ばれていることが分かる。
実際、総務省の「全国消費実態調査」で二人以上世帯に関し、中堅勤労者世帯と高齢年金生活夫婦世帯の食料関連の出費を比較すると、魚介類以外に野菜や海草で高い値が出ている。
金額は二の次、味などへの優先がコストを引き上げた形ではある。
興味深いのは見た目の項目。「色づき・つや」は高齢層の方が、「見た目・形」は若年層の方が高値をつけている。同じ外観でも、歳と共に評価する視点が変わってくるのだろう。味に関連するか否か、価格に影響するかも多分に係わってくるのかもしれない。
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