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地震発生、その時まず何を観て情報を確認する?

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ いざという時、必要な情報をまず何で確認するのだろうか

地震をはじめとした各種災害が発生した際に、人々はどのようなメディアやルートで災害状況、そして防災情報(ニュース)の確認を行うだろうか。マクロミルが2015年2月に発表した防災に関する調査結果(インターネット調査。20代から40代の会社員・公務員男女に対して実施。有効回答数は1035件)をもとに、地震などの災害時に注目し、利用をする情報源などを見ていくことにする。

今調査対象母集団ではニュースの取得媒体としてテレビを使う人が9割を超え、次いでネット、紙媒体としての新聞、自治体の広報誌などが続いている。また利用者における利用頻度でもテレビニュースは圧倒的な高頻度で用いられている。

↑ メディア接触率(1日1回以上の接触率)(各メディア利用者限定)
↑ メディア接触率(1日1回以上の接触率)(各メディア利用者限定)

この動向は日常生活におけるもの。それでは非日常時、緊急時ともいえる地震をはじめとした各種災害発生時には、いかなる情報源を災害そのもの、そして各種防災情報の取得元として注目=利用するつもりでいるだろうか。そして、それらの中でも一番最初に情報を求めるのはどのメディアだろうか。

↑ 地震・災害発生時に注目している災害・防災情報源(複数回答)/その中で一番初めに情報を求めるもの
↑ 地震・災害発生時に注目している災害・防災情報源(複数回答)/その中で一番初めに情報を求めるもの

テレビの威力は圧倒的。利用するつもりの人は9割近く、さらに最初に利用する人は(テレビを使う人のうち)6割強。つまり調査対象母集団全体では55%もの人が、地震などの災害でニュースを取得する際、まず最初にテレビをつけてチェックすることになる。今調査がインターネット経由で行われている事を合わせて考えると、改めてテレビのメディア力を思い知らされる。

インターネット経由のニュースを用いる人は6割強。ただし最初に使う人は2割に留まっている。調査対象母集団全体比では13%強で、テレビの1/4ほど。テレビは瞬時に起動できること、インターネットの場合は情報取得元次第で正しい情報か否かの精査に時間がかかることを考えると、やはり現在ではテレビの方が優れているとの判断が示されているのだろう(ただしこの場合、テレビ発の情報が正しいと認識していることが前提となる)。

先の震災で大いにその威力を発揮したラジオは26.5%が利用、最初に使う人はそのうち6.1%。調査対象母集団全体比では2%足らず。利用率そのものは高いが、第一に使う事例は多くない。

興味深いのは口コミ系の経路がデジタル・穴ロゴを問わずさほど用いられていない実態。友人・知人ですら15.1%、ソーシャルメディアは11.1%、ニュースアプリでは6.7%、個人ブログ・掲示板では3.5%でしかない。「一番初め」の回答率も一様に低い。あるいは先の震災で、緊急事態時における口コミ情報の正しさを判断することの難しさを、実体験で学んだ結果が表れているのかもしれない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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