1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。
記事一覧
- 「チャーズ」の惨劇はなぜ長春で起きたのか? 蒋介石とカイロ宣言
1947-48年に起きた惨劇チャーズが長春で起きた背景にはカイロ宣言がある。宣言には「日本が中国人から盗取した一切の地域を中華民国に返還する」とあり、その象徴が「満州国の新京(=長春)」だったからだ。
- 「台湾海峡の平和及び安定の維持に関するG7外相声明」を斬る
8月3日、台湾海峡に関するG7外相声明が発表されたが、第二次世界大戦で勝利した中華民国を国連から追い出し、中華人民共和国を、中国を代表する唯一の国家として認めたのは誰かを忘れるな。
- ペロシ訪台、メンツ潰された習近平の報復は?
ペロシ下院議長の訪台可能性に対して自滅行為だと豪語していた習近平は、その発言ゆえにメンツはつぶされたが、しかし複数の報復措置を準備し、結果的に台湾領空領海にジリジリとにじり寄る戦術を実行している。
- 中国から批判が集中した、長春の惨劇「チャーズ」に関するYahooのコラム
6月27日にコラム<許せない習近平の歴史改ざん_もう一つのジェノサイド「チャーズ」>を書いたところ、中国の古い友人や知人から連絡が殺到し、注意喚起を受けた。中国のネットで遠藤批判が広がっているという。
- 習近平三期目を否定するための根拠のまちがい
習近平三期目を否定する根拠として頻出しているのが5月25日に李克強が主催した10万人参加の国務院オンライン会議で、これを反習近平会議とし、国防部長が参加したのは軍が習近平から離れているという論理だ。
- トランプ前大統領がペロシ下院議長の台湾訪問可能性を酷評
トランプ前大統領が、ペロシ下院議長がすでにアメリカを発ったアジア歴訪の中に台湾を入れるかもしれないことに対し、酷評を公表すると、中国のネットは大騒ぎになった。回答は目前に迫っているが、どうなるのか?
- 米中首脳電話会談――勝敗は「ペロシ下院議長の訪台」次第
7月28日夜、習近平・バイデンの電話会談があったが、米中の勝敗と今後の世界のゆくえはペロシ下院議長が訪台するか否かで決まる。中国があれだけ抗議した中で行われたからだ。
- 政教一致を謳う統一教会は台湾で政党結成
統一教会は「政治と宗教は一つにならなければならない」と主張し、日本では自民党に食い込むことはあっても政党結成にまでは至っていない。しかし台湾では既に政党を結成。日本には公明党があると反論された。
- ウクライナ戦争が中国の宇宙覇権強大化を招いている
習近平は2022年内に中国独自の宇宙ステーション稼働を宣言したが、現実に近づいた。国際宇宙ステーションから中国を締め出したのはアメリカだが、ロシアの脱退宣言を受け、ウクライナ戦争が中国の覇権を確実に。
- 中国大陸ミサイル砲撃想定避難訓練中の台湾は、国共内戦時の長春の惨劇「チャーズ」に屈折した思い
中国大陸ミサイル砲撃を想定した避難訓練をしている台湾の民進党政権下で、日本敗戦後の国共内戦で起きた長春の惨劇「チャーズ」を位置付けるのは難しい。正史を伝えられるのは日本だけかもしれない。
- 統一教会や法輪功などの「邪教排斥」が香港国安法を生んだ
1980年代から2000年前後にかけて咲き乱れた種々の宗教や気功などを中国は全て「邪教」として排斥し、それが基本法第23条改正に多大な影響を与えて、今日の香港の国安法制定につながっていく。
- 中国は統一教会を邪教と位置付け、日米政界が統一教会に牛耳られているとみなしている
中国にも統一教会が潜入した時期があり、中国は邪教として公安部が動き駆逐した。日米は選挙のために統一教会を利用してきたため、統一教会にビジネス帝国を築かせ、台湾問題を煽るのを許したと中国は見ている。
- オランダ人も書いていた、長春の惨劇「チャーズ」
オランダ人の研究者が2013年にイギリスで出版した中国の国共内戦史(英文)の中で「チャーズ」を取り上げ、その本が中国語に翻訳されて香港で出版されていた。長春の惨劇「チャーズ」が世界に広がりつつある。
- 本当はラブラブな中豪経済 オーストラリアの鉄鉱石貨物船が人民元決算で山東省に初入港
7月10日、世界最大のオーストラリアの鉱業企業BHPが山東省の港に人民元決済で初めて入港。日米豪印クワッド対中包囲網の足元では中豪蜜月が展開している。オーストラリアのリチウムの96%も中国に輸出。
- バイデン「中東への旅」を痛烈に笑い飛ばす台湾のTV
ガソリン価格高騰などを受けバイデン大統領は石油増産依頼のため中東を歴訪したが、13日の台湾TVは「中東やインド」と中露との結びつきに言及し、バイデンの行動を笑い飛ばしている。結果はトークの通りだった。
- スリランカ大統領「デフォルト」で国外逃亡:主原因は有機農業、中国債務わずか10%
スリランカがデフォルトに陥り、大統領が国外逃亡した。原因は中国の「一帯一路」の「債務の罠」かと反射的に思うが、なんと主たる原因は大統領の気まぐれな有機農業命令で、中国からの債務はわずか10%だった。
- 作家・佐藤愛子さんからの返事 戦後の長春での惨劇「チャーズ」について
作家・佐藤愛子さんから返事があった。『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』に関するコメントだ。極限状態で人がどう生きるかをとことん問い詰めた意味では、文学だとも言えるとのお言葉を頂いた。
- 中露首脳の「安倍氏訃報」への反応と取材から見える日本の立ち位置
安倍元首相の訃報を受け、習近平国家主席や李克強首相あるいはプーチン大統領などがそれぞれ弔電を送っている。取材による生の声を含め、そこから見える今後の日本の立ち位置を考察する。
- 安倍元首相銃撃事件、中国で「SPは何してるのか?」
安倍元首相が撃たれて亡くなられた。怒りが込み上げ、無念でならない。全世界が悲しんでいるが、中国のネットは特に「SPは何してるのか?」というコメントに満ち満ちている。平和ボケ日本が安倍氏の命を奪った。
- 「サハリン2」、プーチン大統領令と習近平の狙い
先月末、プーチンは「サハリン2」を引き継ぐ新会社を設立する大統領令を発布。シェルが抜ければ中国が入り込む可能性が高かったが、思いもかけない事情が急展開している。習近平はサハリン3を虎視眈々と準備。
- 作家・佐藤愛子さんと『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』
1983年、長春の惨劇「チャーズ」を書いた筆者を世に出してくれたのは作家の佐藤愛子氏だ。そのころ来日の中国人留学生たちは「チャーズ」の本を讃えてくれた。それがなぜ今では書いた人が犯罪者扱いされるのか?
- 習近平香港演説の「ゆとり」の裏に「人民元で決済する露印」や「中国に回帰する欧州経済」
習近平が香港を訪問し中国返還25周年記念講演をした。話し方がゆったりしていて奇妙に「ゆとり」があった。背後で露印などが人民元で交易する現象が起きているからなのか、それとも民主を抹殺し終えた自信なのか。
- 「チャーズ」の跡はどうなっているか? 抹殺された長春のジェノサイド
2000年頃まで長春の「チャーズ」の跡は餓死体が多いため土地開発ができず放置されていたが、2000年に入ると地下を掘ることが可能になり、習近平政権になってから「完全抹殺」が加速した。
- もう一つのジェノサイド「チャーズ」の真相を書いた中国人は次々と逮捕される
長春の惨劇「チャーズ」を書いた中国人は次々に逮捕されている。筆者の場合は、北京の日本国大使館の役人により中国政府に密告された。習近平政権になると中国政府のシンクタンクから筆者に突然警告メールが来た。
- 許せない習近平の歴史改ざん_もう一つのジェノサイド「チャーズ」
1947‐48年、長春は中国共産党軍に食糧包囲され数十万の庶民が餓死した。二重の包囲網「チャーズ」の門を開けなかったのは中共軍だ。それを国民党のせいにした本が中国で出版された。生き証人として許せない。