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就活アカウント、オンライン面接....新たな時代を生きるZ世代は「コロナ就活」をどう捉えているのか?

道満綾香Z世代のメディア「Z総研」アナリスト

新型コロナウイルスの感染拡大によってさまざまなものをオンラインで行うようになりました。

この情勢の中で、就活もオンラインに移行したものの一つです。

一次面接から最終面接まで全てオンラインで行う企業も多く、入社してもなおリモートワークで、なかなか会社の雰囲気が掴めないというZ世代も多いと思います。

そんな新たな就活に企業も就活生も翻弄される中、今年の大学4年生はどのような就活を行ってきたのでしょうか。今回は現役の大学4年生の2人にインタビューを行いました。(本インタビューは2021年7月29日に行われたものです。)

ーー自己紹介をお願いします。

後藤:國學院大学に在籍しています、後藤章友です。僕は就活はせず、個人事業主を選んだという形になります。

梶山:たまたま同じ大学で驚いたのですが、私も国学院大学に在籍しています、梶山悠莉彩です。私はまだ就活中で、迷ったり難しいと感じたりする部分もあり、少し難航しています。

ーー梶山さんは現在も就活中ということですが、どのように就活をしてきているのでしょうか?

梶山:これまでインターンに40社ほど参加しました。その中で結構自分に合うと思っていた企業が合わないと感じたり、合わないと思っていた企業が合っていたり、そういう新しい発見がありました。

今は4年生ですがミスコンにも挑戦していて、そこで新たに企業のことも見えてきたりもしているので、将来どうしようかと考えています。第一志望はアナウンサーですが、ミスコンや他にもやるべきことが多く、本腰を入れられていないのが現状です。ただ、もしアナウンサーがだめだった場合に入りたいと思っている企業からは内定をいただけているので、そちらに行こうか迷っている部分もあります。

ーーありがとうございます。では後藤さんはどのようにして個人事業主を選ぼうと思ったのか、経緯をお聞かせいただけますか?

後藤:僕は大学入学直後に大きな挫折がありまして、大学受験に失敗して自分のやりたいことを見失ってしまった時期がありました。

ただ、この挫折から自分が生きていく上での生き甲斐を見つけたいと思い、インターンなどとにかく好奇心が掻き立てられたものは挑戦しようと思えました。

それまでは一般的な就活しか大学生には選択肢がないと思い込んでいましたが、自分で世の中に価値として提供し、生きていける道があるかもしれない、ということに気づくことができ、そして自分のやりたいことかつ社会の誰かのためになることという視点で深掘りして、行き着いた先が個人事業主でした。

ーーでは会社説明会にいく、などの一般的な就活はされなかったのですか?

後藤:説明会などには大学3年生の頃に一応参加してました。

大学受験に失敗して浪人しているので、先に働いている同い年の社会人に、「社会人はこんな感じだよ」というような、一種のOB訪問のようなこともしてリアルな意見を聞いていました。

しかし、話を聞いている中で、自分が子どもの頃抱いていたようなワクワク感を聞くことはできませんでした。

ーー周囲の友人も同じような感じだったのですか?

後藤: 自分のコミュニティはインターンだったり、挑戦というベクトルでの友人が多くできて、そこで情報交換をしていました。

そのため、信念を持っているタイプの人間が周りには多くいたので、自分の選んだ道は決して「異端児」のようなものではなく、同じような考えで生きている人がたくさんいるんだな、というのは結構意外な感覚でした。

ーーなるほど。自ら選択して道を切り開く人たちが集まるような環境に身を置いていたことで、自然と後藤さんもその道にたどり着けたという感じなのですね。ありがとうございます。

では、梶山さんは今も就職活動中ということで、インターンに何十社も参加されていたのですね。多くのインターンに参加された理由を教えてください。

梶山: インターンにたくさん参加した理由としては、私の尊敬している身近な社会人の方々から「今しかインターンというものを用意してもらえる時はないから、たくさん行ってみたほうがいいと思うよ」と言われたことがきっかけです。

ーー何十社もインターンに行く、ということは時間もたくさん費やしますし、多くの人と会うので相当なエネルギーもいると思うのですが、実際やってみてどうでしたか?

梶山:確かにエネルギーは要りましたね。体力的にも精神的にもきつい時はありました。朝から夕方までインターンに参加して、夜にエントリーシートを書いたり、面接用の動画を撮ったり、といった生活だったので。

ーー梶山さんの周りの友人も同じような就活の仕方をしていたのですか?

梶山:周りの友人も就活を本気でやっている子が多かったです。

就活を本気でやっている子達、何人かとLINEグループを作って、そこで息抜きの方法も含めて共有していました。

みんな頑張っているから私も頑張ろうという気持ちになれるし、息抜きの方法も教えてもらえるので、モチベーションにもつながりました。

ーー良い関係性が築けていますね。

以前Z総研で行った、Instagramについての調査で「Z世代の88.5%がInstagramのアカウントを複数持っている」という結果が出ています。「本垢(リア垢)」、特に仲良い友達と繋がる「サブ垢」、趣味用の「オタ垢」と呼ばれるものなど、SNSアカウントを複数持つことは当たり前という話も聞きます。就活においても、SNSで就活用アカウントを作って情報交換をしたり、逆にそれが焦りにつながってしまったり、ということがあるそうなんですが、梶山さんも「就活アカウント」を持っていたのでしょうか。

【Z総研調査】調査時期:2021年2月12日~2月19日 調査方法:インターネット調査 調査対象:全国、12〜15歳149名、16〜18歳281名、19〜22歳55名、23歳〜25歳9名、計女494名
【Z総研調査】調査時期:2021年2月12日~2月19日 調査方法:インターネット調査 調査対象:全国、12〜15歳149名、16〜18歳281名、19〜22歳55名、23歳〜25歳9名、計女494名

梶山:私の場合、就活アカウントは作ったのですが、途中から使わなくなりました。

その中で自分が話しやすい人や、お互いに高めていける人が数人見つかったので、もういいかなと思って消しました。

ーーアカウントを作って、合う人を見つけて、その後はどうするのでしょうか。また、その人が高めていける人、というのはどのように判断するのですか。

梶山:同じ会社の面接に行っていたり、インターンに参加していたり、というような人とTwitterでつながって、リアルで会っていい人だとわかったらその時にLINEを交換します。

Twitter上では交換しないですけど、会って、交換して、その人たちと高めあえると思ったので、もういいかなと思いました。

実際に会って微妙だな、と思ったらなかったことにしちゃいます。

自分に都合の良い情報ばかりを入れるのは良くないことですけど、良くない影響を与える情報は、変に入れないようにしていました。

ーーすごいですね。ちなみに後藤さんは、自身のコミュニティを、梶山さんのようにしっかりフィルター分けしていましたか?

後藤:梶山さんのようなSNSの使い方はしていなかったのですが、自分の足を使って会いに行く、ということはとても大事にしていました。

梶山さんも言っていたように、実際に会うと、「この人は信用できるな」だったり、「この人は何か自分を興奮させてくれるな」というようなものを感じることができるので、自分の足で伺って、お話を聞いて、という部分で精査していたのかと思います。

ーーお二人とも自分のやりたいことや進みたい方向がしっかりしているからこそ、軸のある選択ができているのですね。素晴らしいです。

以前Z総研で行った、職業についての調査で「Z世代の78.0%は将来やりたいこと、なりたい職業が決まっている」という結果が出ています。Z世代の中でも、中学生・高校生・大学生以上でわけてデータを比較してみたところ、大学生以上は中高生に比べて、将来やりたいこと、なりたい職業が決まっている割合がかなり下がっています。

周りの同世代の方達も、お二人と同じような考えで行動されているのでしょうか?

【Z総研調査】調査時期:2021年5月11日~5月18日 調査方法:インターネット調査 調査対象:全国、12〜15歳58名、16〜18歳140名、19〜22歳36名、23歳〜25歳3名、計女237名
【Z総研調査】調査時期:2021年5月11日~5月18日 調査方法:インターネット調査 調査対象:全国、12〜15歳58名、16〜18歳140名、19〜22歳36名、23歳〜25歳3名、計女237名

後藤:自分の場合は、同世代は社会人になっているのですが、なぜか人生相談をしてくる人が多いんです。特に社会に入ってから「どうも僕がやりたかったことは、これではないんだよね」というのを聞くことが多くて、「お前の輪に入れてくれよ」ということを言ってくる人もいるくらいです。

本当にやりたいことを見極められている人は、実はなかなかいないのでは、ということが自分の肌感覚ではあると思います。

ーー就活していた時に感じていた印象と、実際に入って働いてみた印象の違いから相談されているのかもしれないですね。

後藤さんはもう自分で事業を立ち上げてやっていこうということですが、そこに至るまでに直面した企業とのギャップなどはありましたか?

後藤:在学中に、自分が働いている姿を想像できるチャンスが、実は限定的なのかもしれない、とは思いました。

というのも、5daysインターンであっても、だいたい最初の1、2日は会社説明会が行われるので、具体的な業務を体験する機会はなかなかありませんでした。

なので、自分はインターンに参加する際、ベンチャーから大手企業まで幅広く、参加し、特にベンチャー企業ではより実践的な業務に携わらせていただきました。

こういうことをやっていきたいと考えていたけれど、実際仕事となるとそんなに甘いものではなく、もっと勉強しなければいけないし、やりたいという感情だけでは乗り越えられないほど社会は厳しいのだなと、社会の現実を感じさせてくれたのはベンチャー企業のインターンでした。

ーー確かにそうですよね。会社で人事を担当されている方にこの話を届けるべきですね。

梶山さんはインターンや就活を通じて、企業側と感じたギャップなどはありましたか?

梶山:私は比較的ギャップは少なかった方かなと思います。

理由としては、あまり先入観を持たずにいようと心がけていたからです。もちろん企業のことを知るためにホームページを見たり、クチコミサイトを見たりしていましたが、実際に企業に出向いてインターンに参加してから印象を決めようと考えていたので、それほどイメージについてギャップは感じませんでした。

ただ、自分がこの職業についたらこういう仕事をするのかなという想像と、実際の業務内容は違うという部分でギャップはありました。

ーー私も採用に携わることがあるので、ひとつ気になっていることがあるのですが、就活のプロフィールにInstagramを貼る子がよくいます。プライベートなものなのにいいの? と驚いてしまうのですが、これについてはどう思いますか?

梶山:Instagramは私たちの名刺のようなものです。まだ名刺を持っていないので、かわりのような感じで貼っているのだと思います。「みんなに見せられるプライベート」だから載せているのかと。

ーー確かに、以前Z総研で行ったInstagramについての調査で「Z世代の81.6%がInstagramのストーリーズを見せないようにしている人を設定したり、親しい友達機能を使って特定の人にのみ見せるように設定している」という結果がありました。先ほどの「Instagramの複数アカウントの使い分け」などもしながら、みんなに見せられるプライベートのみを載せているんですね。

後藤さんはどうですか?

【Z総研調査】調査時期:2021年2月12日~2月19日 調査方法:インターネット調査 調査対象:全国、12〜15歳149名、16〜18歳281名、19〜22歳55名、23歳〜25歳9名、計女494名
【Z総研調査】調査時期:2021年2月12日~2月19日 調査方法:インターネット調査 調査対象:全国、12〜15歳149名、16〜18歳281名、19〜22歳55名、23歳〜25歳9名、計女494名

後藤:確かに名刺のような側面はありますね。特に、クリエイターとして自分がやっていきたいと思った時に、ポートフォリオを発信できる大きなプラットフォームのような使い方もできるなと思っていました。

ーー上の世代でいうFacebookのような使い方をしているのですね。

Instagramはとてもプライベートなイメージがあるので、こちらに見せてもいいの? と驚いていたのですが、名刺代わりのような使い方をしているとは思いませんでした。

Z世代はFacebookってほとんど使ってないですもんね。これは企業側から学生へのギャップでもありますね。

梶山:多分ある程度ネットリテラシーの勉強をしてきていたり、SNSを普段からやっている中で自然と身についたりする部分もあるので、ネットリテラシーが高まってきているのではないかと思います。ネットリテラシーが高まってきたから、見せられないようなもの、見られて困るものはSNSに載せなくなっていると思います。

後藤:確かにはじめから見せられない写真は載せない、というのは自分の中にも当たり前にありますからね。

ーーそうですよね。Z世代はネットが当たり前にある中で生まれてきたので、そこが判断できている、というのは感じます。

新時代の就活が始まってはや2年。今の就活生にとっての「当たり前」には驚かされるポイントがいくつもありました。選択肢が広がったことで就活をせずに起業をするというのも増えてきています。

SNSで情報収集というのもZ世代らしい就活の仕方だなと感じました。

ソーシャルネイティブだからこそ、普段からSNSの使い方を自然と意識しており、他者に常に見られているという自覚を持っているので、企業に見られても何ら問題ないのです。

世代ごとにメインで使っているSNSの違いもあらわれていました。

後編では新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインで行われた選考やインターンの具体的な話をインタビューしています。

Z世代のメディア「Z総研」アナリスト

兵庫県出身。大学在学時に女子大生のマーケティングを目的としたTeamKJを設立し、プロデューサーを務める。大学卒業後はリクルートグループに入社。その後、スタートアップ数社でZ世代を対象としたPRやプロモーションを行い、数々のメディアに取り上げられるなど若者向けのアプリがブレイク。その後、Z世代のプロモーションやインフルエンサーのキャスティングを行う株式会社N.D.Promotonで取締役に就任。Z世代の研究メディア「Z総研」ではアナリストとして、ジェネレーションギャップが生まれるZ世代の「今」を取材している。

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