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初対面でLINEは聞いちゃダメ?! ティーンが“インスタ交換”からスタートする理由

道満綾香Z世代のメディア「Z総研」アナリスト
(写真:アフロ)

スマートフォンが登場する前の連絡手段といえば、電話やメールが主流でしたよね。

電話番号やメールアドレスは交換するにも赤外線通信をして時間がかかったり、プライベートなものという認識から聞くにはハードルが高く、「ドキドキしながら好きな人に連絡先を聞いたなあ」という思い出がある人も多いのではないでしょうか。

メールはリアルタイムでのコミュニケーションが難しく、メールが届いていないか確認するために『センター問い合わせ』を連打していた記憶もあります。

現在は、昔のように電話番号ではなくLINEを交換するのが当たり前になっていますが、その常識がティーンにはタブーなのを知っていますか?

「LINE交換しよ!」の一言で完結していた連絡先交換

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(GIRLY DROP より)

スマートフォンが登場して以来、『LINE』というアプリが連絡手段の主流になりました。

QRコードやID検索、ふるふる機能などで簡単に連絡先が交換できたり、リアルタイムでの連絡が可能になったりと、今や手放せない連絡手段です。

電話番号などのプライベートな情報を交換せずとも「LINE交換しよ!」の一言で連絡先が交換でき、メッセージのやり取りや電話が可能なLINEが登場したおかげで、以前のような連絡先交換のハードルはかなり低くなりました。

LINE交換が主流になってからは、「仲の良い子でもメールアドレスや電話番号を知らない」ということも当たり前になりました。

Z世代的にLINEを聞くのはタブー?!

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(写真AC より)

知り合ったあとの最初のアクションである連絡先交換においてLINEを聞くことが、Z世代(1996年~2012年に生まれた若者たち)にとってタブーになりつつあることをご存知でしょうか。

Z世代においてはLINEでさえプライベートなツールとして認識されており、連絡先交換をする際は、Z世代の誰しもが使っているSNSであるInstagramを交換することが主流となっています。

Instagram交換が主流になったのはなぜ?

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(写真AC より)

InstagramはLINE同様、DM機能を使えばリアルタイムでのメッセージのやり取りが可能です。

また、Instagramはフィードやストーリーズなどの投稿内容から、その人がどんな人なのかを知ることができます。ここである程度ふるいをかける作業をしており、イメージと違ったり、フィーリングが合わなかったりなどがあった場合『LINE交換には発展しない=親密にはならない』という判断につながるのです。

また、気軽にメッセージを送れる点もInstagram交換のメリットです

LINEの場合、今までメッセージのやりとりをしていなかった人に唐突にメッセージを送る行為はとても勇気のいることですが、Instagramではストーリーズに反応することで自然に(言うなれば理由をつけて)メッセージを送ることができます。

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InstagramのDMである程度メッセージのやり取りをしてから「この人とならLINE交換しても良いかな?」と判断できれば、ようやくLINEでの交流に移行します。

実際にリアルZ世代コミュニティ所属のメンバーへのヒアリングを行ったところ、「地元の友達でもまず最初に繋がるのはインスタから。そこからLINEに移行します。また、オタク友達で仲のいい子でもLINEではなくインスタを交換します!」とのことでした。

さらに、連絡先交換の手段としてInstagramを選択した場合、「インスタのフォロワーが増える」というメリットが発生します。

一方のLINEが、友達が多くても特別メリットもありませんし、増えすぎると目当ての友達が探せなかったりとデメリットになる要素もあります。

「Instagram交換しよ!」の時代へ

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(写真AC より)

Z世代にとっては、写真をシェアするSNSとしてだけではなく、連絡手段としても認識されているInstagram。

今までは「LINE交換しよ!」の一言で連絡先を交換していましたが、最近では「Instagram交換しよ!」に変化し、LINEを交換するまでの道のりが長くなりました。

Instagramの特性を利用し、その人がどんな人なのか、自分と相性が合う人なのかをふるいにかけ、気軽に話しかけたい人にはストーリーズを介してリアクションを送るなど、ソーシャルネイティブらしいZ世代独自の使い方をしています。

Z世代は情報の取り扱いに慎重な部分があるため、このような現象が起きていると考えています。

今後も大人にはない、Z世代独自の常識が生まれていくことでしょう。

※クレジットのない写真は、「Z世代ラボ」に著作権があるものになります。

Z世代のメディア「Z総研」アナリスト

兵庫県出身。大学在学時に女子大生のマーケティングを目的としたTeamKJを設立し、プロデューサーを務める。大学卒業後はリクルートグループに入社。その後、スタートアップ数社でZ世代を対象としたPRやプロモーションを行い、数々のメディアに取り上げられるなど若者向けのアプリがブレイク。その後、Z世代のプロモーションやインフルエンサーのキャスティングを行う株式会社N.D.Promotonで取締役に就任。Z世代の研究メディア「Z総研」ではアナリストとして、ジェネレーションギャップが生まれるZ世代の「今」を取材している。

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