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パパラピーズって知ってる?Z世代に人気のYouTuberベスト3を徹底分析

道満綾香Z世代のメディア「Z総研」アナリスト
写真はアフロ(写真:アフロ)

Z世代(1996~2012年に生まれた若者たち)の流行や価値観について調査・分析している私たち「Z総研」では、独自に行ったトレンド調査をもとに「Z総研2020年上半期トレンドランキング」をまとめ、発表しました。今回はその調査の中でも反響が大きかった「YouTuber部門」での人気YouTuberトップ3を分析していきたいと思います。

(調査は、東京などに住む10~20代の男女106人を対象に、2020年6月22日~28日にインターネット上で実施しました)

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トレンドランキングインフルエンサー部門のYouTubeトップ3は1位が「パパラピーズ」2位が「エミリンチャンネル」同率2位で「ヴァンゆんチャンネル」という結果となりました。

1位「パパラピーズ」

「パパラピーズ」はGROVE株式会社所属のぽっちゃり(?)系男子「じんじん」とクールな関西弁ツッコミが特徴の女の子「タナカガ」の男女2人組YouTuberで、その独特のキャラクターやトーク力の高さでZ世代から絶大な指示を受けています。

そんな彼らのYouTubeチャンネルのチャンネル登録者数は112万人(2020年7月19日現在)パパラピーズの2人はそれぞれ個人のYouTubeチャンネルを開設しており、「じんじん」が11.5万人、「タナカガ」が26.5万人(2020年7月19日現在)とそれぞれ個人でも活躍しています。

そんな彼らはドッキリ企画や踊ってみた、男女YouTuberならではの企画などの動画が人気で、彼らの最高視聴回数の動画「【ドッキリ】ポロリ注意!お風呂上がりにそれは起こった。」という2018年6月3日公開の動画は約509万回再生(2020年7月19日現在)を誇っています。

2位「エミリンチャンネル」

「エミリンチャンネル」は「エミリンエミリンエミリンエミリンエミリンチャンネルーさあ始まるよー」という独特で耳に残る挨拶から始まる動画でお馴染みの女性YouTuberです。なりきり企画や思いのままに好きなものを食べる企画、一風変わったコンセプトカフェに行く企画などが人気を集めており、チャンネル登録者数 は140万人(2020年7月19日現在)を突破しています。

彼女の最高視聴回数の動画は「グアムの海で、念願の人魚になりました」という2019年7月7日公開の動画で、約468万回再生(2020年7月19日現在)を誇っています。

2位「ヴァンゆんチャンネル」

そして、同じく2位の「ヴァンゆんチャンネル」は株式会社太田プロダクション所属の「V・A・M・B・I、ハロハロー☆、どうも、ヴァンゆんです!ん”ー!!卍」というテンポのいい挨拶から始まる付き合ってそうで付き合っていない男女2人組YouTuberで、今や活躍の幅はYouTubeだけにとどまらず、テレビにも数多く出演しています。まるでカップルかのような匂わせ動画やモニタリングシリーズ、大食い企画などが人気であり、チャンネル登録者数は214万人(2020年7月19日現在)を突破しています。

彼らの最高視聴回数の動画は「【モニタリング】男女の友情は成立するの?密室で二人きりになった結果がヤバイ。」という2018年4月9日公開の動画で、約1232万回再生(2020年7月19日現在)と1000万回を突破しています。

3組の共通点と特徴を分析

SNSでの交流

そんな彼ら3組に共通しているのはSNSで積極的にファンとの交流を図っているところです。

Twitterではそれぞれのツイートにリプライをしているファンに対して返信をしたり、誕生日を祝って欲しいというファンのリプライに「誕生日おめでとう」と答えていたりと丁寧な対応を行っています。

また、パパラピーズの動画の視聴者はTikTokでパパラピーズの動画の面白かったところを切り抜いて投稿しています。

普通はいわば無断転載なので「じんじん」のTikTokの投稿でそのような人たちに怒るのかと思わせて「めっちゃ嬉しい」と拡散を喜んでいたり、動画内で「また切り取り動画作られるんじゃない?」といった話をしていたり、それを見た視聴者はより拡散していくのでそれを見て新たに視聴者になる人が増えるという好循環を生み出し、Z世代の人気を獲得していったのでしょう。

自分たちの色を大切に

他にも3つのグループに共通していることは自分たちの色を大切にしているというところです。

3組中2組がカップルではない男女グループで、そのようなグループがZ世代に人気ということが分かりますが、「パパラピーズ」も「ヴァンゆんチャンネル」もそれぞれのチャンネルの色があるので動画の雰囲気は全く違います。

男女だからこそできる企画をそれぞれ行ってはいますが、「パパラピーズ」はそのような動画のコメント欄で「唯一付き合ってると疑われない」と書かれている一方で「ヴァンゆんチャンネル」は「付き合ってないのが不思議」といったコメントがあり、「ヴァンゆんチャンネル」はそれを活かし、匂わせの動画でバズったチャンネルです。

「エミリンチャンネル」は自分の容姿を活かした企画や自分の思うがままに楽しむ企画など他のYouTuberとは少し違った企画で差別化を図っています。

チャンネルの色はコメントにも

このチャンネルの色というのは先ほど挙げた動画のコメントのようにそれぞれのチャンネルのコメントにも現れます。

「ヴァンゆんチャンネル」は2人の仲の良さ、まるでカップルかのようなことに関する言葉が目立ちます。ほとんどの動画になぜ2人は付き合っていないのか、本当は付き合ってるんじゃないか、などのコメントが見受けられます。

「パパラピーズ」は「じんじん」「タナカガ」それぞれキャラが濃く、クセのあるポイントが他のYouTuberに比べて多い印象です。そのため、コメントもそのクセのある動画部分の秒数とそれに対する言葉やツッコミが多く、ファン同士のコメントも多くコミュニティが出来ている印象です。

「エミリンチャンネル」はファンの一行感想のようなコメントが多く、動画を追うごとに可愛くなっていくえみりんさんに対する「可愛い」といった応援の言葉が多い印象です。

動画の内容やコメントだけでなく動画の編集にもそれぞれ色があり、テロップの出し方、オープニングやエンディングなど見ているファンからすればこの編集の仕方ここのチャンネルらしいなと感じ取れるほどです。

独特の「言葉」を使う

そして、最後にそれぞれ思わず真似したくなる独自の言葉があると考えます。「エミリンチャンネル」や「ヴァンゆんチャンネル」は思わず言ってみたくなる挨拶、「パパラピーズ」は別途調査した「大丈夫そ?」や電話を切るときの「電波が…」など日常で使える言葉などファンなら真似したいと思う言葉が動画の中にちりばめられています。ちなみにZ総研で別途行った調査においてもこれらの言葉がランキングトップ10にこの「大丈夫そ?」が入るほど人気を博しています。

彼らはそれぞれファンとのコミュニケーションが丁寧で、それぞれのチャンネルの色を大事にして動画を作成し人気をあげていっただけでなく、Z世代と近い年代のためZ世代の心を掴む動画を作るのが得意だからこそZ世代に人気なのでしょう。

Z世代のメディア「Z総研」アナリスト

兵庫県出身。大学在学時に女子大生のマーケティングを目的としたTeamKJを設立し、プロデューサーを務める。大学卒業後はリクルートグループに入社。その後、スタートアップ数社でZ世代を対象としたPRやプロモーションを行い、数々のメディアに取り上げられるなど若者向けのアプリがブレイク。その後、Z世代のプロモーションやインフルエンサーのキャスティングを行う株式会社N.D.Promotonで取締役に就任。Z世代の研究メディア「Z総研」ではアナリストとして、ジェネレーションギャップが生まれるZ世代の「今」を取材している。

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