2007年の新人王・元阪神タイガースの上園啓史氏、独立リーグ「滋賀ユナイテッド」初代監督に就任!

新しいことに挑戦し続ける上園啓史。次なるチャレンジは監督だ!

■上園啓史氏、独立リーグの監督に就任する

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この選手にはいつも驚かされる。突然、海外…しかもオランダでプレーすると聞いたかと思えば、今度は独立リーグの監督を引き受けたという。関東・北信越を拠点とするプロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグに来季からの参入が正式決定した滋賀ユナイテッドベースボールクラブ。その初代監督に就任した上園啓史氏だ。

(オランダへ渡る直前の記事はこちら⇒2007年の新人王がオランダリーグへ!―元阪神タイガース・上園啓史投手の挑戦

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2006年、大学生・社会人ドラフト3巡目で阪神タイガースに入団。ルーキーイヤーの2007年に8勝を挙げ新人王に輝いた。その後、2012年から2015年まで東北楽天ゴールデンイーグルスに籍を置き、今季はオランダのオースターハウト・ツインズでプレーした。

オランダでのシーズンが終了し、次なる道を模索していたときだった。「やはり野球に関わっていたい。野球に携わる仕事を探そう」。そんなとき、現在の住まいからもそう遠くない滋賀にチームが誕生するとの情報を掴んだ。最初は投手兼任コーチで…という気持ちで自ら働きかけた。しかし話が進んでいく中で監督を要請され、それを受諾することとなった。

■学ぶ姿勢で挑戦を続ける

常に前向きである。人として、何かを得て成長したい。何をするにも常に向上心が上園氏の行動の根源にある。オランダに行くときもそうだった。「野球だけでなく、語学も学べる」。そんなプラス思考で海を渡った。実際、日常生活で困らない程度には英語を習得した。「細かい部分は無理ですけど…」と言いつつ、選手同士のコミュニケーションはしっかりとれていたという。

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今回も、ハッキリ言って指導経験はほとんどないに等しい。ましてやチームの指揮を執るなど初めてだ。しかし「経験がない分、逆に特別な気負いはないんです。これから勉強していきたいし、若いうちにこういうことはなかなか経験できないと思うんで」と、プラスに捉えて引き受けた。

今のところ、兼任監督の予定はないという。「プレーはしませんよ。ボクが投げても仕方ないでしょ。独立リーグの意義を考えると、ボクが投げたんじゃ本末転倒になってしまうから」。まだまだ投げられるし、投げる姿を見たいファンは多くいると思うが、上園氏はきっぱりと言い切った。

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オランダでも「マウンドでどうしても投げたいとうより、違う環境で人としての経験を積みたいという方が大きかった」と振り返る。「先発10試合と中継ぎで3~4試合投げて、防御率1.60だったかな。途中まで0点台だったけど」と好成績を修めた。「レベルは低いですから。でも成績より勉強と思っていたんで」と語る。

日本と違いオランダの野球をする環境は、とても恵まれているとはいえない。しかし誰もが野球を純粋に楽しんでいた。上園氏自身も「野球が楽しいって、久しぶりに思い出せた」という。そういった感情を再確認できたことも、オランダで得た収穫のひとつだった。

独立リーグでも、勉強し成長することを自身に期待している。「とにかく日々勉強だなと。何でも勉強しないと成長はないんで。野球を含めて、広い範囲で勉強したい」と強調する。“独立リーグの先輩”に当たる元タイガースの野原祐也選手(富山サンダーバーズ)西村憲投手(石川ミリオンスターズ)には「色々教えてもらいます」と、既に連絡済みだ。

■常に前を向いて進む

今後、来季の開幕までにコーチ陣の人選やトライアウトの視察、選手のセレクトほか、しなければならないことは山積みだ。しかしそういった初めてのことがすべて、上園氏にとって貴重な経験であり、人としての糧となる。

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そして未定だが、年末にオーストラリアリーグを訪れることも検討している。昨年末に参加したとき、投手としての充実感を再び味わわせてくれた大切な場所だ。「自分だけで行くのか、誰かを連れて行くのか、まだ何も決まっていませんけどね。でも関係は保っておきたいし、繋がっていることが大事なんで」。行けばまた得るものはあるし、オーストラリアでの人脈もまた、いつかどこかで何かに繋がるかもしれない。

32歳。まだまだ若い。近い将来、何をするのか、何ができるのか、具体的なプランは立っていない。ただ野球が好きだ。野球と真摯に向き合っていきたい。野球と関わる中で、自分にできることを見出していきたい。

新規参入の独立リーグで監督をすることが、また次なる道を上園氏に示してくれることだろう。そしてそのときはまた、上園氏は前向きに進んでいくに違いない。

(写真は上園氏からの提供あり)