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ペレスさん、いらっしゃ〜い!「阪神タイガースのネルソン・ペレス選手」が誕生した日。

土井麻由実フリーアナウンサー、フリーライター
カメラに向かってスイングを披露するペレス選手

ペレスさん、いらっしゃ〜い!

ルートインBCリーグ・石川ミリオンスターズネルソン・ペレス選手との契約が結ばれ、今日、「阪神タイガースのペレス選手」が誕生した。

左からタイガース・中村GM、ペレス選手、ミリオンスターズ・端保社長
左からタイガース・中村GM、ペレス選手、ミリオンスターズ・端保社長

■大切にしている「感謝」の気持ち

真っ赤なポロシャツとデニムの訳は…?
真っ赤なポロシャツとデニムの訳は…?

入団会見に現れたペレス選手の服装にビックリした。真っ赤なポロシャツにデニム姿。こういう時って、たいがいスーツだと思うんだけど…。その訳はこうだ。ドミニカから来日した時にスーツを持って来ずで、今回の入団会見に合わせてスーツを新調しようとしたが、間に合わなかった。つまりそれだけ急展開で事が進んだのだ。

会見中、何度も何度も「感謝」という言葉を口にしたペレス選手。かつてはアメリカのメジャーリーグを目指していたが、「チャンスに恵まれなかった」と言い、それだけにプレーする場所を、更にはトップリーグに進むチャンスを与えてくれた石川ミリオンスターズには並々ならぬ恩義を感じているようだ。

カメラマンの要望に笑顔で応える
カメラマンの要望に笑顔で応える

だから、チームメイトとの別れは辛かった。普段は、石川ミリオンスターズの端保聡球団社長が評するように「陽気なドミニカン」なペレス選手だが、昨日の練習前、チームメイトに挨拶をした時にはいつもと様子が違ったという。

「石川に来られて感謝している。監督、コーチ、チームメイトのみんな、球団スタッフのみなさん、ファンのみなさん、今までありがとう。このチームが大好き、この場所が大好きです。離れるのは辛い」。

時折、声を詰まらせ、涙を流し、思いの丈を言葉にした。これまでペレス選手のそんな姿を見たことがなかったチームメイトや球団関係者はビックリ仰天。3月中旬に来日し、石川で過ごしたのは実質4ヶ月だったが、すっかり溶け込んでいたようだ。

特に仁藤敬太選手とは気が合い、「オレがもしドミニカに帰ったら、交通費はオレが出すから必ずドミニカに来てくれよ」と招待の約束をするくらい仲良くなった。

陽気で人情味あふれる人柄って、関西人と通じるものがあるなぁ。

■フランコ監督は父であり、兄であり、友だち

56歳にして衰えぬバッティングのフランコ監督
56歳にして衰えぬバッティングのフランコ監督

フリオ・フランコ監督からは厳しい指導を受けた。野球の技術はもちろんだが、練習に臨む姿勢についても口酸っぱく注意を受けた。「試合が終わってグラウンドを離れた時、そこからはもう次の試合に臨む時間なんだ。24時間ちゃんとしていなくて、試合で結果が出るわけがない」というのがフランコ監督の教えだ。それが実践できていないような姿が見受けられると、大きな雷が落ちる。

そうやって親身に指導してくれたフランコ監督のことを「お父さんのようであり、兄弟のようであり、友だちのようでもある。たくさんのことを教えてくれた」と心から尊敬している。「毎日、一生懸命練習していれば、必ず報われる」と授けてくれた言葉を胸に、ここまで頑張ってきたのだ。

■走行守&笑・・・四拍子揃ったプレーヤー?

では、ネルソン・ペレス選手とはどのようなプレーヤーなのだろう。タイガースの中村勝広ゼネラルマネージャーによると、「走行守、三拍子揃った選手。フランコ監督の指導で急成長したが、とくに成長したのは広角に打てるようになったこと。左に上手く打てる。前のサイドがあまり開かず、踏み込んで打てるバッター」ということだ。

もしかすると左バッターの“強敵”である浜風とも仲良くなれるかもしれないし、そうなると本塁打の量産も期待できる。

30試合で打率・324、本塁打7、打点24 ホームランはリーグトップ
30試合で打率・324、本塁打7、打点24 ホームランはリーグトップ

ペレス選手も「ボールを飛ばす力、走力、守備力、すべてにおいて自信を持ってやっている。一つではなく全てを見て欲しい」とアピールしているので、ホームランはもちろんのこと走行守すべてに期待しよう。

当面は外国人枠の関係でウエスタンでの出場となるが、「自分自身できることをしっかりやって、チームの勝利に貢献したい」とペレス選手も研鑽を積みつつ、チャンスを伺うつもりだ。

環境もまた変わるが、きっと心配ないだろう。端保球団社長が「チームのムードメーカーだった。ウチはダントツの最下位独走のチームで暗くなりがちだけど、彼が時々奇声を発したりして、明るいムードを作ってくれていた」と明かすように、タイガースでもぜひその“手腕”を発揮してもらいたい。

■ジャパニーズドリームを叶えるために

会見では「ヒダリ、ミーギ、マッスグ、アリガトウゴザイマス、オハヨウゴザイマス、サイコー」と、覚えた日本語を嬉しそうに披露してくれた。中でも「『アリガトウゴザイマス』が一番好き。使う機会も多いし、いい言葉。一番気に入っているよ」と話す。「感謝」の気持ちを大切にするペレス選手らしい。

力強いガッツポーズ
力強いガッツポーズ

更に「ファンの方に喜んでもらえるよう、積極的に勉強したい」と、お立ち台で日本語を披露するプランもぶち上げた。

また、特技が「バック転」であることも明かした。「相手チームに対する侮辱行為はしたくないので、状況を見てできるのであれば」と前置きした上で、「サヨナラホームランでも打てればやってみたい」と意欲的。タイガースファンのハートをガッチリ掴む日も、そう遠くなさそうだ。

「日本でできるだけ長くプレーしたい。日本でキャリアを終えるくらいの気持ちでいる」。強い決意を胸に、陽気なドミニカンのジャパニースドリームへの挑戦がスタートした。

フリーアナウンサー、フリーライター

CS放送「GAORA」「スカイA」の阪神タイガース野球中継番組「Tigersーai」で、ベンチリポーターとして携わったゲームは1000試合近く。2005年の阪神優勝時にはビールかけインタビューも!イベントやパーティーでのプロ野球選手、OBとのトークショーは数100本。サンケイスポーツで阪神タイガース関連のコラム「SMILE♡TIGERS」を連載中。かつては阪神タイガースの公式ホームページや公式携帯サイト、阪神電鉄の機関紙でも執筆。マイクでペンで、硬軟織り交ぜた熱い熱い情報を伝えています!!

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