アメリカに続いて日本の株式市場が急落、話題の仮想通貨も大変な状況、それでも投資に取り組むほうがいい?

刻々と値動きする対象を追いかけるのが「投資」ではありません。(提供:アフロ)

「投機」ではなく「投資」をする

 仮想通貨取引所を運営するコインチェックから、時価総額約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した事件は、「仮想通貨」という新しい金融システムにそれほど関心がなかった人にも衝撃を与えたことと思います。

 ちょっと関心がある人の場合、2017年の年初は1BTC=10万円そこそこだった「ビットコイン」が、12月に1BTC=220万円超と急騰し、その後急落して2月6日現在では1BTC=65万円程度と、激しい値動きを見せることに驚きを隠せないでしょう。

 急騰している時には、ビットコイン取引で大きく資産を増やした人が話題になり、仮想通貨は儲かる金融商品として認識されたように思われます。

 しかし、そもそも仮想通貨は、中央銀行や所轄の行政機関に管理されず、また銀行など金融機関へ高い手数料を払わずに、送金、決済、交換などができることを求めて誕生したという経緯があります。収益が期待できる新しい金融商品というのは、仮想通貨の一面に過ぎません。

 仮想通貨の金融商品としての面が突出してしまったことに、鵜の目鷹の目で儲けられる対象を探す投資マネーのエネルギーを感じます。

「自分も仮想通貨取引を始めてみようか」と食指が動いていた人にとって、冷や水を浴びせるのに十分な現状ですが、ここで肝に銘じておきたいのは「投資」と「投機」の違いです。

 同じようなイメージでとらえている人が少なくないのですが、「投資」は将来の成長を期待して資金を投じること。資格取得など自分磨きにお金を使うことを「自己投資」と言うのがわかりやすい例です。投資対象の成長を資金面で応援し、それに伴い投資資金も増えるというwin-winの関係です。

 一方の「投機」は、一攫千金を狙って資金を投じる行為。勝つか負けるかのギャンブルに近く、投資対象の成長うんぬんより、投じた資金を増やすことが最大の目的です。増えればいいですが、大きく損をする可能性も少なからずあるのです。

 預貯金中心の運用をしている人が多い日本では、「投資」にネガティブな印象を持たれがちですが、「投機」と混同されているからと思われます。

 株式のデイトレードや為替のFXなどは、どちらかと言えば「投機」の部類です。マネーゲームの対象となった感のある仮想通貨もしかり。

「刻々と動く相場を見ながら資金を動かすなど自分の手には余る」という人が多いのは当たり前で、そんな取り組み方でなくても投資対象の成長をゆっくり待つ「投資」はできるのです。

 

先々の成長を期待しての積立投資を資金計画に取り入れる

 2月に入って米国株市場が急落しており、その影響で6日は日本の株式市場も大きく下げています。馴染みのない仮想通貨より多少身近である株式であっても、「やっぱり投資は怖い」と思った人が多いことでしょう。

 このように大きく相場が動くときは、デイトレーダーにとって儲けるチャンスでもありますが、読みが外れて大きな損を抱えるリスクとも無縁ではありません。

 ゆっくり成長を待つ投資を行いたい生活者はどうしたらいいのか。すでに確定拠出年金の加入者になっていたり、ボーナスで投資信託を購入したりで、投資に一歩踏み出している人もおられるでしょう。まずは慌てないで冷静に情報収集することです。

 現在のところ、リーマンショックの時のような悲観的な要素は見あたらず、今回の下げは日米とも、ほぼ右肩上がりで上がってきた相場の調整局面ととらえることができそうです。短期的には予測しづらい動きが続くと思われますが、「ゆっくり投資」を行う人にとっては安く買えるチャンスではないでしょうか。

 そうは言っても、買いを決断するのは難しいものです。ベストのタイミングを見極めるのは、運用を仕事にしているプロの投資家でも簡単ではありません。

 私たちアマチュア投資家が、家計にマイナスの影響を与えないよう「ゆっくり投資」に参加するには、積立式に投資信託を購入していくのが最善の方法です。

 預貯金であれば元本割れするリスクはありませんが、決められた利息以上の収益は生みません。資産の底上げをするには、プラスαの収益を狙える投資商品を組み合わせるしかないのです。その候補となる投資商品となると、少額でも様々な投資対象への分散効果がある投資信託が最適というわけです。

 目先の低迷を恐れすぎず、10年後、20年後の成長を買うといったスタンスで取り組むといいでしょう。