新型コロナ禍の寒さ対策。換気した時に必要なのは3つの風対策。いつもの膝かけだけでは寒い理由。
新型コロナ対策で、換気が重要になっていますが、換気すれば、この時期、当然寒く感じます。
そして、寒いのであれば、いつものように服を着込む、膝かけを用意すればいいと思いがちですが、それだけでは寒いのです。
確かに、気温が下がれば、服を着込んだり、ふわっとした膝かけをかければ、服と体の間に動かない空気層を作ることができます。この動かない空気層こそ、自然界最強の断熱材となるので、今までは、それで暖かくなっていたのです。
新型コロナ対策の換気で起こる風は3種類
外からの風
でも今は、新型コロナ対策で、換気をしています。窓を開けての換気であれば、外から風が入ってきます。風が吹くと風速1mで体感温度が一度下がると言われているので、室内であっても風対策が必要になってくるのです。これが1つめの風です。
内側で起こる風
ところで、窓を閉めている状態でも室内の温度差によって風が起きています。室内で暖房をつけていると、空気が暖かくなります。暖かい空気は、膨張して密度が小さくなるので、軽くなり上にあがっていきます。冷たい空気は重いので下にむかって下降します。温度差によって室内でも対流が起きます。これが2つめの風です。
断熱性のない1枚のガラス窓や、窓枠がアルミだと熱伝導率がいいので、外からの冷気をそのまま室内に伝えてしまいます。そして、冷えた窓から伝わった冷たい空気が室内で下降気流となり、足元に冷たい風が吹きぬけるコールドドラフト現状が起こります。
この現象こそが、体育館などの避難所が、テント泊より寒くなる原因でもあります。北海道以外での学校の体育館は、断熱性がほとんど考慮されていないため、床からの冷気に加えて、窓からの冷気でコールドドラフト現象が起き、床部分に風も吹きぬけます。そのため、床部分で寝るのは、テント泊よりも辛い状況になります。
ちなみに、テント泊では、寝袋の下には断熱材を敷きますし、ガラスのような熱伝導率のよいものを使っていません。そして、自分の体温で温められる程度の小さな空間の中に動かない空気層を作り、断熱材とすることができるので、避難所よりも暖かいのです。
内側で起こる風に換気がさらに影響を与える
このように普段から断熱性のない窓であれば、ただでさえ冷気を伝え、室内に風を起こしやすい状況であるというのに、さらにそこに換気による冷たい風が加わったのがコロナ禍の状況です。冷たい空気層が今まで以上に、足元にふきぬけやすくなっているので、足元の寒さは格別です。暖房で温めた空気は、換気で入ってくる風とひきかえに、窓の外に逃げていきます。寒い上に電気代までかさんでしまいます。この3つめの風は、1つめの風と2つめの風をあわせて強まった風ということになるので、寒いのは当然です。
換気で寒い時にとるべき風対策
ではどんな対策をとればいいでしょうか?原因がわかれば、対策がとれます。まず、窓から吹いてくる風に対しては、上着に防風のものを着る、かけるということが有効になります。膝かけが風を通す素材の場合、風によって、体との間にせっかくためた空気を動かしてしまうので、断熱材の役割を果たしません。風を防ぐ防風の素材で、温めた空気を動かさないものが最適ということになります。
さらに、換気した時、最も寒くなるのが足元だということがわかりました。だから、足元こそ、防風かつ空気をためられる素材を使ってみてください。防風素材のレッグウォーマーを足元に使うと効果的な対策になります。換気時は、室内でも使うのがポイントです。
そして、コールドドラフト現象を避けるために、窓の冷気を伝えない断熱対策をしてみてください。窓対策ができていないと電気代がかさむわりには、暖かい空気が部屋にためられていないことになります。窓をトリプルサッシにするなどの断熱対策の他、断熱グッズも、結露対策として、様々な商品が販売されています。結露は、温度差で起きるので、窓に普段から冷気が伝わってしまっている証拠です。
アウトドアの知恵を日常に
アウトドアでは、風が吹いたら風対策をします。日常にその知恵を取り入れておけば、野外でも寒くないくらいなので、暖房が使える状態の換気の風については対策をとることができます。もちろん災害時にも役立つ知恵です。みなさんも、ぜひ、日常にアウトドアの知恵を取り入れていただければと思います。