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水難事故対策 ライフジャケットを着けていた親子が助かったのは、香川モデルによるものなのか注目を。

あんどうりすアウトドア防災ガイド  リスク対策.com名誉顧問 
写真提供 香川県教育委員会 出典「ライフジャケット推進事業」令和4年度事業報告書

香川県に住む親子3人が徳島県の川で流されたものの、ライフジャケットを着用していて助かったケースが報道されています。増水した川で遊ぶことについての是非についてはここでは触れませんが、親子が香川県在住であるということが関係している可能性もあるため、ライフジャケットについて深掘りし、関連記事を紹介します。

香川県はライフジャケットの普及に熱心に取り組む「ライジャケサンタ」の活動拠点。教育委員会も積極的にライフジャケットの普及とレンタルに取り組んでいる全国でも有数の県です。その取り組みを紹介した記事です。

前提として、ライフジャケット着用がなぜ命を守るのかということと、ネットで広まった誤解を招く情報として、川で「落ちたら浮いて助けを待つ」「ひざくらいの浅さなら大丈夫」「大人がいれば安心」をあげ、データに基づく対策について述べられている記事です。

ライフジャケット着用について、米国小児科学会が声明で推奨すると同時に、腕浮き輪では浮力足りないことまで記載している点や、海外児童アニメでは、積極的に主人公がライフジャケット着用シーンを報道していることについて紹介している記事です。

香川県の親子が、ライフジャケットを着けていた理由は明らかになっていませんので、香川県教育委員会「ライフジャケット推進事業」の取り組みが功を奏したのか、今後の検証が待たれます。

もちろん、ライフジャケットを着けてさえすれば事故にならない訳ではありません。台風が近づき、高波、高潮が起こりやすい海辺など、水辺には、そもそも近づくべきでない時期や場所があることも、当然のことながら前提です。しかし、ライフジャケット着用は車のシートベルトと同様に、確実に生存率を高める最低限の装備として、世界標準の対策になりつつあります。

香川県モデルの普及や、海外にも影響を及ぼす日本の児童アニメに、ライフジャケット装着シーンを増やした方がいいのかについては、今後の動きが注目されます。

報道記事にライフジャケットの着用の有無が記載されるようになったことも、今後の検証に役立つ動きになっています。

【この記事は、Yahoo!ニュース エキスパート オーサー編集部とオーサーが共同で企画したキュレーション記事です。キュレーション記事は、ひとつのテーマに関連する複数の記事をオーサーが選び、まとめたものです】

アウトドア防災ガイド  リスク対策.com名誉顧問 

FM西東京防災番組パーソナリティ 兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 博士課程 女性防災ネットワーク東京呼びかけ人 阪神淡路大震災の経験とアウトドアスキルをいかした日常にも役立つ防災テクを、2003年から発信。子育てバックは、そのまま防災バックに使えるなど赤ちゃん防災の先駆けとなるアイデアを提唱。技だけなく仕組みと知恵が得られると好評で、口コミで講演が全国に広がる。企業広報誌、子育て雑誌などで防災記事を連載中。ゆるくて楽しい防災が好み。

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