日本において男女平等は“幻想”だ--今日は「国際女性デー」です

日本女性には“壁”がある・・・(写真:アフロ)

■今日は「国際女性デー」です

あなたは今日、3月8日が“何の日”が知っていますよね?

本日3月8日は「国際女性デー」(国際婦人デー、国際女性の日)です。国連が1975年に定めた記念日なんですって。日本を含めて、世界中で様々なイベント・デモ・集会がこの日前後に行なわれます。イタリアではこの日に、男性が女性へ感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈る習慣があるのだとか。

日本では「女性活躍推進法」が制定されたり現政権の猛烈なプッシュもあってか、私の専門であるCSR(企業の社会的責任)の領域でも様々な議論や施策が実施されています。

というわけで本記事では、現代日本女性の現状に関するデータと、「国際女性デー」に関する企業の取組み事例を紹介します。改めて“男女の平等”に関して考えるきっかけとなれば幸いです。

■ジェンダーの平等は妄想なのか?

2015年9月、全国連加盟国(193国)は、より良き将来を実現するために今後15年かけて極度の貧困、不平等・不正義をなくし、私たちの地球を守るための計画「アジェンダ2030」(持続可能な開発目標、SDGs)を採択しました。

このアジェンダには、2015年から2030年までに解決すべき世界の社会問題として、17の大目標が掲げられております。その5番目が「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワメントを図る」というものなのです。世界的には、環境問題や貧困問題などの人々の“命”に関わる重大な社会課題と同レベルで「ジェンダーの平等」(性の格差をなくす)が語られております。

画像

安倍総理大臣もこのアジェンダが採択された場のスピーチで、日本も積極的に関わっていくと国際社会に明言しましたし、積極的な関わりが企業を含めた多くの組織に、今後は求められていくでしょう。

で、この国連のプロジェクトの親善大使で、ハリーポッターシリーズでブレイクした女優(現在活動休止中)のエマ・ワトソンさん曰く、「男性が女性を助けなければいけない、というのは誤解」という話のように、女性は弱い存在だから助ければいいという、そもそもの認識が「男が上で、女が下」というのがよろしくないと。

2015年「国際女性の日(3月8日)」記念 - エマ・ワトソンと語る "HeForShe"|YouTube)※日本語字幕あり

丸1年前の、1時間におよぶトークイベント映像ですが、彼女が著名人であるかどうか別としても、とても示唆のある発言をしていますので、興味がある方はぜひどうぞ。

■女性には“壁”がある

職場での男女平等度を示す「ガラスの天井指数」(2015)では、日本はOECD加盟国で算出可能な28カ国中27位となったとされ、男女平等の概念の浸透と実践が遅れているワーストの部類に入っています。マジですか。

「ガラスの天井指数」の指標は、高等教育、経済活動への参加、賃金、管理職への登用、経営参加、育児費用、産休・育休の権利、ビジネス・スクール候補生、議員、の9項目です。「保育園落ちた、日本死ね」というブログが流行っているように、日本の「育児費用」や「産休・育休の権利」は、理解ある経営トップがいる一部の企業でしか実践されていないのです。海外に住んだことがないのですべてはわかりませんが、日本の男女平等は遅れているとしかいいようがありません。

世界各国の男女平等の度合いを指数化した「ジェンダー・ギャップ指数」(2015)では、日本は調査対象145カ国中101位だったそうです。マジですか。男女平等に関する日本の評価はこちらのデータでも、かなり低いラインであると言えます。

「ジェンダー・ギャップ指数」の指標は、女性の地位を経済、教育、政治、健康の4分野で分析したもの。日本は女性の労働参加率が低く、男性との賃金格差も大きいため経済で106位だったとのこと。「企業における女性の働き方」が変わらない限り、この状況は変わらないということでしょうか。

では、次に女性自身は“働くこと”に関してどう思っているのでしょうか。「はたらく女性のしあわせ調査」(博報堂、2015)によれば、 「仕事の充実」、「やりがいのある仕事」、「子どもの数」がはたらく女性のしあわせに大きく貢献するとのこと。「ジェンダー・ギャップ指数」、「ガラスの天井指数」と、この実務的な女性の働き方の部分をより良くしていくことで、男女差の解決が進むのかもしれません。

企業における女性活躍推進・女性活用に関しては、「女性活躍推進のエビデンス、女性役職数のレポート事例8選」、「企業のワークライフバランス意識調査事例5選、仕事に“調和”は存在しないのか?」、という記事にまとめていますので、興味がある方はどうぞ。

■GoogleとFacebookの取組み

昨年の「国際女性デー」もそうでしたが、GoogleとFacebookはグローバル・プラットフォームのパワーを活かして積極的に関わっています。以下が本日の、Googleのトップページ画面と、Facebookのタイムライン画面です。

画像
画像

実はGoogleは著名なIT系企業の中でも、女性活躍推進に関して積極的な企業です。日本のGoogle社自体で女性活躍推進が進んでいるかは知りません。

One Day I Will」や、「Women Will」という女性のエンパワメント(活躍推進)のプロジェクトを実施しています。CSR的にいえば、IT企業の取り組むべき「キーイシュー」(業界特有の社会課題)は“人”です。ですので、企業が取り組むべきアプローチとしては非常に理にかなっていると言えます。さすが、GoogleとFacebook。

では日本企業はどうでしょうか。大規模なメディアを持つ企業やマスメディア、IT企業はどうでしょうか。私の見る限りそういった、国際的なムーブメントへの参加は見られません(私が知らないだけかもしれないが)。

こういった雰囲気の社会では、やはり女性にライフスタイルに関心を持とうという男性も女性も増えないのかもしれませんね。世界のIT企業の女性活躍推進に関する情報は「IT企業の女性活躍推進は進むのか? 世界的企業CSR4事例」という記事にまとめています。

さて、エマ・ワトソンさんのイベント動画の紹介、女性のライフスタイルに関する各種データ、日本企業の女性活躍推進に関する事例、企業の「国際女性デー」に関する取組みなどを紹介しました。

現実的な話、女性のことを特別に扱わなければならない社会であることは、男女ともにフェアな社会であるとは言えません。

個人でも企業でも、改めて、性の平等に関して考えるきっかけとなれば幸いです。