男性の自分が痴漢や、DV被害を受けた理由。

(写真:アフロ)

今から20年も昔の話になりますが、学生時代の私はKinKi Kidsの堂本光一に似てると周囲からキャーキャー言われていたときが一瞬ありました。当時は埼玉県内に独り暮らししながら都内まで通学をしていたのですが、埼京線で痴漢に遭遇したことがあります。そのときは怖くて相手の顔を見ることもできませんでした。

あと、DV被害も受けたことがあります。私はゲイ(男性同性愛者)なので未婚・別居の付き合いだったからデートDVといったほうが正確かもしれません。同時、パートナーだった男性と些細なケンカをしたときに「おまえはネコ(受けの意味)なんだから、タチ(攻めの意味)の言うことを聞けよ!」と訳の分からないことを言われたので、私が「意味分からないんだけど」と逆らうと大声を出されたり叩かれたりと怖かったです。そのときには男女間だけではなく、同性間でもDVってあるんだなと驚きました。

実は痴漢やDV被害のことをきちんと他人に話すのは今回が初めてです。やはり性的なことが含まれるので被害に遭ったことを書くのはためらってしまいます。

「女性は被害者」「男性は加害者」とか関係なく、「誰だって性暴力の被害者」になる可能性が

性犯罪を厳罰化する改正刑法が先月6月に成立しました。強姦罪の法定刑引き上げや、起訴するのに被害者の告訴が必要となる「親告罪」規定の削除が柱となっています。性犯罪に関する刑法の大幅改正は、明治時代の制定以来約110年ぶりとなります。本日、7月13日から施行されます。

改正法では強姦罪の名称を「強制性交等罪」に変更しました。さらに、これまで女性に限定されていた被害者に男性を含め、性交類似行為も対象となります。

それで今回なぜ私が被害体験の話題を出してまでこの記事を書いたかと言いますと、男性だって痴漢やDV、レイプやAV強要(ゲイ向け)などいろいろな被害に遭っているということです。

これまで性暴力加害者の多くが男性だから、男性が被害者になることはない、男性は苦しみを表にださないので、被害は深刻ではないと思われてきました。こうして存在や苦しみを見えなくされたたくさんの男性サバイバーが、孤立のなかで苦しんできたのです。

性別違和のある男子への性的な暴力

一方で、私が代表を務めている「いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」調査結果ではLGBTなどのセクシュアルマイノリティの児童生徒が性的な暴力の被害に遭っていることが判明しています。

いじめや暴力を受けた経験
いじめや暴力を受けた経験

とくに「性別違和のある男子」の23%が服を脱がされたり、恥ずかしいことを強要されるなどの性的な暴力被害を経験しています。「性別違和のある男子」とは簡単に説明すると身体は男性なのに、性自認は女性なのかな、よくわからないなと感じている男子のことです。詳細を知りたい場合は調査結果をご覧ください。

男性、女性、LGBT、子どもなどすべての人々の性の安全という人権を守ることはとても重要なことです。また、女性だけではなく、これまで見過ごされがちであった男性や、LGBTや子どもなど被害に遭った方たちのケアやサポート体制も充実させていって欲しいです。

今回の法改正においてジェンダーに関係なく性犯罪の被害者になり得るという意識の広がりが期待されます。