政務官インタビュー「いじめを絶対に許さないという毅然とした姿勢を」:自由民主党 山本ともひろ衆院議員

山本ともひろ衆院議員(自由民主党)×明智カイト

文部科学大臣政務官と復興大臣政務官、さらに今年6月より内閣府大臣政務官(オリンピック・パラリンピック担当)と、3つの政務官を兼務している山本ともひろ衆院議員に「いじめ自殺」「LGBTと教育」をテーマにインタビューしました。

いじめを絶対に許さないという毅然とした姿勢を

明智 では、まず自己紹介をお願いします。

山本 自由民主党所属の衆議院議員(3期)です。現在は文部科学大臣政務官・復興大臣政務官・内閣府大臣政務官(オリンピック・パラリンピック担当)を兼務しています。

これまでに衆議院文部科学委員会理事、青少年問題に関する特別委員会理事、憲法審査会委員などを歴任しました。

明智 今年7月に岩手県の中学2年生の男子生徒が、いじめを原因に自殺したという報道がありました。一昨年に「いじめ防止対策推進法」が施行されたばかりですが、今の「いじめ対策」の問題点や課題についてどのようにお考えでしょうか?

山本 私は2013年に衆議院文部科学委員会理事を務めていましたが、議員立法「いじめ防止のための対策の推進に関する法案」は賛成者の一人として提出しています。この法案を与野党の実務者協議において精力的に議論を重ね、更により良い法案へと練り上げました。そして、新たに議員立法「いじめ防止対策推進法案」を改めて賛成者の一人として提出しました。この後、衆議院本会議において賛成多数により法案は可決し、参議院へと送付されています。

本法案の要点は、

・総則。いじめを定義し、いじめの禁止(後にこの禁止が共産党の反対を招くことに)を定めました。

・いじめ防止基本方針。国や学校にいじめ防止基本方針策定の義務、地方公共団体に努力義務を定めました。

・基本施策・いじめ防止措置。イ、学校設置者、学校が講ずべき基本施策として、1.道徳教育の充実、2.早期発見のための措置、3.相談体制の整備、4.ネット上でのいじめ対策推進、5.人材の確保、6.調査研究の推進、7.啓発活動について定めること。ロ.学校は、いじめ防止措置を実行的に行う組織を置くこと。ハ.学校の個別の措置として1.事実確認、2.生徒・保護者への支援、3.生徒・保護者への指導・助言を行うこと。ニ.学校、教育委員会による懲戒、出席停止制度の運用(後にこの運用が共産党の反対を招くことに)を定めること。

・重大事態対処。イ.学校設置者、学校は、事実関係調査を行う。ロ.学校設置者、学校は生徒・保護者に情報提供を行う。ハ.地方公共団体の長等への報告、同長等の再調査、その結果を踏まえた措置を講ずること。

前述の通り共産党は同法案に反対をしました。しかし、私は本法案で「いじめは行ってはならない」と明文化することで社会としていじめを絶対に許さないという毅然とした姿勢を表明し、いじめは許されないものであることを国民全員に周知させることができると考えています。

もちろん、私も「いじめ防止対策推進法」を成立させたからといって、いじめが世の中から無くなるとは思っていないし、いじめ問題が全て解決できるとも思っていません。しかし、いじめが確認された、或いは、重大な事案が発生した時にどういう措置を取るべきか、今までの現場は混乱し、迷いもあったと思います。そこで上記の要点を示した通り、法律によっていじめそのものの定義や問題への対処、措置のプロセスを定義することにより、今後は本法律を根拠にして、迷うことなく現場でプロセスを踏んでいけるはずです。

今回、いじめを苦に男子生徒が自殺する事件が起きたのはとても残念に思っています。担任の教師は男子生徒の「生活記録ノート」を読んでいたので、いじめのことには気付いていたはずです。「いじめ防止対策推進法」では、いじめの案件があった場合には教師から学校の中で情報共有するルールになっていました。なので、制度的には「救えた」事案だと考えています。しかし、制度を運用しているのは人間なので失敗してしまうこともあります。8月4日に全国の教育委員会等に対して「通知」を出しました。

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文部科学省の役人たちがLGBTのことで意見を聞きに来るようになった

明智 今年3月に「LGBTに関する課題を考える議員連盟」が設立されました。どのような取り組みをされていますか?

※LGBTとは、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)の頭文字をとった言葉ですが、同性や両性に恋愛・性愛の感情を抱いたり、心身の性別に違和感を感じる人々など、当事者が前向きに表現した性的マイノリティの総称です。

もっと詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

「セクシュアル・マイノリティ/LGBT基礎知識編」

山本 LGBTのみなさんが日常生活で抱える課題について超党派で議論する議員連盟が今年3月に発足しました。会長には自民党の馳浩衆院議員が就任しています。私も呼び掛け人の一人として議連に参加しています。超党派の議連ができたことによって自民党内でもLGBTに対する認識がでてきたし、施策を推し進める後押しになると思っています。

LGBTのことは以前に、遠藤まめたさんからトランスジェンダーの人たちが学校の制服のことで困っていることを聞いて興味を持ちました。

今年4月に文部科学省から「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を出しました。私も文部科学大臣政務官として、この通知の作成に関わっています。私がLGBTのことに取り組んでいることを知った文部科学省の役人たちが意見を聞きに来るようになったのです。今後も、誰もが安心して通える学校作りに取り組んでいきたいと考えています。

明智 LGBT当事者の子どもたちに対して何かメッセージはありますか?

山本 LGBTの子どもたちも楽しく学校に行けるように環境を整備していきたいと考えています。何か辛いことや悲しいことなどがあれば周囲の大人たちに相談して欲しいですね。

(つづく)

(いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン代表 明智カイト)

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山本ともひろ

昭和50年(1975年)生まれ。関西大学商学部商学科卒業。京都大学大学院法学研究科(行政学)修士課程修了。松下政経塾を卒塾(21期)。米国ジョージタウン大学の客員研究員、会社員を経て衆議院議員へ。現在、3期目。

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