『叫び』が引っ越す!ムンクの故郷で観光客は5月まで鑑賞できない!? 2020年に叫び両美術館が移転

Foto: Halvor Bjorngard (C)Munchmuseet

有名な絵画『叫び』を描いた画家エドヴァルド・ムンクは北欧ノルウェー生まれ。

オーロラやフィヨルドを目的にくる観光客が、首都オスロで楽しみにしているのは、『叫び』を鑑賞することだろう。

『叫び』は世界で4点ある(版画を除く)。オスロでは1点をムンク美術館、もう1点を国立美術館が所有。日本からの観光客も、どちらかの美術館で『叫び』を見ていることになる。

なんと、今までオスロで観光客が楽しみしていた『叫び』、今年の5月まではお目にかかることができなさそうだ。

ムンク美術館では、展覧会内容によっては、たまに『叫び』が展示されないことがある。一方で、国立美術館では、館内にある「ムンクの間」で必ず鑑賞することがこれまでは可能だった。

しかし、両館が同時に移転するため、今年は『叫び』が鑑賞できない時期が発生する。

2020年はオスロの「文化年」に

オスロではフィヨルド再開発プロジェクトが動いており、オスロフィヨルド周辺では大規模な工事が行われ、街の様子はみるみると変化している。

2020年には、たまたま同じ年に、新しい「ムンク美術館」、「国立美術館」、「ダイクマン公立図書館」(100年後に読める「未来の図書館」も含む)の3館が移転・再オープンする。

国立美術館はオスロ市庁舎のすぐ側にオープン予定。オスロフィヨルド前で現在も建設中 Photo: Asaki Abumi
国立美術館はオスロ市庁舎のすぐ側にオープン予定。オスロフィヨルド前で現在も建設中 Photo: Asaki Abumi
オペラハウス(中央)がある場所で、公立図書館(左)、ムンク美術館(右)が現在建設中 Photo: Asaki Abumi
オペラハウス(中央)がある場所で、公立図書館(左)、ムンク美術館(右)が現在建設中 Photo: Asaki Abumi

歴史ある国立美術館が『叫び』とともにクローズ

そのために、カール・ヨハン通りからすぐ側にある現在の国立美術館は、13日に幕を下ろした。

国立美術館前、最終日には行列ができた Photo: Asaki Abumi
国立美術館前、最終日には行列ができた Photo: Asaki Abumi

2020年まで国立美術館で『叫び』は公開しない

国立美術館の広報エリーセ・ルンド氏に問い合わせたところ、2020年の春・夏頃に新美術館がオープンするまで、『叫び』は一般公開しない予定とのこと。

ムンク美術館では5月まで公開予定なし

今もオープン中のムンク美術館は、現在日本に大規模な作品の貸し出しをしている。オスロでは見ることはできないが、東京では20日までに『叫び』が鑑賞可能だ。

作品はノルウェーへと戻ってくる。

だが、ムンク美術館の広報リヴ・ランディ・ホラン氏は、『叫び』を現在の美術館で次に公開するのは、5月11日からの新展覧会『EXIT!』と話す。

特別な内容となる予定で、『叫び』が過去に盗難された事件を振り返るそうだ。今まで知られていなかった裏話が暴露されないかと、筆者は勝手にわくわくしている。

つまり、5月まではオスロでは『叫び』が一般公開されないことになる。

オスロで『叫び』とたまに記念撮影できない、珍しい年

ノルウェーに住んで10年を過ぎるが、オスロの最大の売りでもある『叫び』が両美術館で見られないという状態は極めて珍しく、初めてのような気がする。

ちょうど、今は複数の北欧のガイドブックと仕事をしている最中なのだが、現在の日本の旅行本では美術館移転のことを記しているものはほとんどない。今年、ノルウェー旅行をする予定の方は、ちょっと注意しておいたほうがよさそうだ。

2020年のオスロ芸術の祭典に向けて

国を代表する文化機関の3か所がどこに移転するかは、ノルウェーの人々が政治家と一緒に何年間も議論してきた。

2020年はノルウェー・オスロからわくわくする文化ニュースがたくさん発信されそうだ。

それまではムンクの国でも『叫び』は見られない時期が多そうなので、美術好きは20日までに東京都美術館で鑑賞しておくといいかもしれない。

Photo&Text: Asaki Abumi