【新型コロナワクチン】死者30万人超の米国 初接種の感想は?一般はいつから?

アメリカ第一号となったNYの医療従事者のサンドラ・リンジーさん。(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

注射が終わると「おめでとう」と拍手が沸き起こった。

米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスのワクチン接種が12月14日、イギリスから6日遅れでアメリカでも開始した。ほんの数秒のこの時間を「歴史上極めて重要な瞬間」と、CNNなど米主要メディアがいっせいに報じた。

同日午前9時23分、アメリカ国内の接種第一号になったのは、ニューヨーク市クイーンズ区ロングアイランド・ジューイッシュ医療センターでICU看護ディレクターを務めるサンドラ・リンジー(Sandra Lindsay)さん。臨床試験以外で初めてワクチン接種を受けたアメリカ人となった。

「ほかのワクチンを受けた時の感覚とまったく同じ。希望と安堵、そして癒しの到来を感じている。非常に辛い日々の終わりの始まりになることを願っています」とリンジーさんは記者団に語った。21日の間隔を空け再び接種を受け、新型コロナの予防接種は「完了」となる。

アメリカでは11日、FDA(米食品医薬品局)が16歳以上のワクチン緊急使用を承認してから、3日後には国内各所で接種開始というスピードでここまで来た。

ニューヨークポスト紙によると、ミシガン州の専用倉庫から第一段階として国内各地に配布されるワクチンは約290万回分。うち17万回分がニューヨーク州に届けられ、ニューヨーク市内では初日の今日、5つの公立および私立の病院に届けられた。また今後3日間で44の病院に届けられ、今後3週間で46万5000回分の投与を目指す。

梱包されて各州に配送されている新型コロナのワクチン。
梱包されて各州に配送されている新型コロナのワクチン。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

ワクチンの数には限りがあるため、当面は最前線のフェーズ1A(高リスクの医療従事者、介護施設の従事者および入居者)が最優先され、次にフェーズ1B(ファーストレスポンダー、教師、郵便・交通局員、食品供給業者、75歳以上の高齢者)、フェーズ1C(65歳以上の高齢者、16歳以上の高リスクの身体疾患者、そのほかのエッセンシャルワーカー)の順に接種が受けられるようになる。アメリカの一般市民のもとにワクチンが届くのは、2月以降になるだろうとされている

NYでの接種を皮切りに、コネチカット、ケンタッキー、アイオワ、ワシントンD.C.、ミシガンなど、アメリカ各地で次々に接種する様子が報じられた。(CBSNニュースから。キャプチャは筆者が作成)
NYでの接種を皮切りに、コネチカット、ケンタッキー、アイオワ、ワシントンD.C.、ミシガンなど、アメリカ各地で次々に接種する様子が報じられた。(CBSNニュースから。キャプチャは筆者が作成)

14日は大統領選の勝者を正式に決定する選挙人投票が始まったのだが、TVニュースなどを見る限り、新型コロナのワクチンの解禁ニュースが主役となり、選挙人投票のニュースは隅に追いやられる形となった。

アメリカでは現在新型コロナの第3波を迎えており、国内の感染件数は累計で1600万件以上、死者は30万人以上となっている。

第2波の中にあるニューヨークも、10月以降に再び感染が拡大しており、州内の感染件数は累計で78万件以上、死者は3万5000人以上。ニューヨーク市内は9月30日に屋内飲食が再開したが、今日から再び屋内飲食が禁止となっている。ただし当地では今週水曜日から大雪警報が出ており、外食産業にとって頭痛の種はしばらく続きそうだ。

(Text by Kasumi Abe)  無断転載禁止