第2のダイヤモンドプリンセスか 新型肺炎死者出たクルーズ船、ヘリで上空から検査キット配布の徹底ぶり

ヘリコプターを見守る、グランド・プリンセス号の乗客。3月5日。(提供:Courtesy of Steve Berry/ロイター/アフロ)

乗客乗員全員の下船が完了した、ダイヤモンド・プリンセス。しかし今度は、アメリカのカリフォルニア州でも同じようなことが起きようとしている。

入港許可がもらえずサンフランシスコ沖をさまよっているのは、乗客2383人、乗員1100人を乗せたクルーズ船「グランド・プリンセス」(Grand Princess)。入港が許可されない理由は、2月にこの船に乗った71歳の男性が、今週カリフォルニア州でCOVID-19(新型コロナウイルス)により死亡したからだ。

この男性は2月11日から21日の間、サンフランシスコからメキシコへの航海中に、新型コロナウイルスに感染した可能性が高いとみられている。男性の死は3月4日に発表された。男性には持病があったとされる。

グランド・プリンセスは15日間の航海予定で今週土曜日、ハワイからサンフランシスコに帰港予定だった。カリフォルニア州では、新型コロナウイルス検査の結果が出るまで、下船を許可しないとしている。

5日、船内にウイルスの検査キットが配布された。ヘリコプターにより上空から配布されるなど管理が徹底していた。

Sankei News クルーズ船「グランド・プリンセス」に検査キットを輸送

船内では今のところCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染者は確認されていない。しかし少なくとも10人の乗員と11人の乗客に「兆候」が見られるという。今回の検査対象は、死亡した男性との濃厚接触者62人をはじめ、呼吸器疾患や風邪、インフルエンザのような症状のある35人を含む、乗員乗客100人弱となる。

これを受け、同州のギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)知事は、非常事態宣言を出した。「非常事態宣言は、州内で感染が広がった場合、医療システムのさらなる準備をするのに役立つものとなる」とコメント。検査結果が出た後、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)とカリフォルニア州当局で話し合い、クルーズ船の停泊に最適な場所を決定するという。

船内では現在、死亡した男性と同じ日程でクルーズ旅行をした乗客に限り、客室に閉じこめられた状態だが、そのほかの乗客の行動は制限されていないという。

グランド・プリンセスとは?

日本の横浜港に停泊していたダイヤモンド・プリンセスと同じオーナー会社、カーニバルコーポレーション&plc(Carnival Corporation & plc)が所有し、運営もダイヤモンド・プリンセスと同じプリンセス・クルーズ(Princess Cruises)によるもの。

ダイヤモンド・プリンセスは2月1日、香港で下船した男性が感染していたことが発覚し、横浜港に停泊していた。船内で集団感染が広まり、これまでのべ706人の感染が確認されており死者は現時点で6人となっている。乗船していた乗員乗客約3700人全員の下船が、3月1日までに完了したばかりだ。

グランド・プリンセスが、ダイヤモンド・プリンセスの二の舞にならなければよいのだが。

Updated: ニューヨーク情報アップデート

3月5日、ニューヨークのビル・デブラシオ市長は、日本、中国、韓国、イタリア、イランを訪問したニューヨーク市民は、帰国後14日間自宅待機し、待機中に症状が出た場合は医療機関に必ず届け出るよう要請。在ニューヨーク日本国総領事館は「一般の旅行者が対象となるかの詳細は、市保健局に問い合わせを」としている。旅行やビジネス、留学でニューヨークを訪れる予定のある人は注意が必要だ。詳細1詳細2

アメリカの新型コロナウイルス状況

全米では現時点で163人が感染し、死者は11人。ニューヨーク州では22人が感染し死者はいない。

ニューヨークタイムズ紙による、現在の症例数がわかる中国近辺および世界のマップ(アップデート中)

(Text by Kasumi Abe)  無断転載禁止