3月20日から「春分」。野遊び作家が教えるこの時期ならではの<野草の楽しみ方>とは?「サクラは花見以外にも一年中楽しみを与えてくれる」
日本には、旧暦の「二十四節気」をさらに初候・次候・末候の三候に分けた「七十二候」という暦があります。今回は、野遊び作家・フィールドアドバイザーとして活躍する大海淳さんに、旧暦の七十二候にちなんだ野草の楽しみ方を紹介していただきました。今回紹介する季節は「春分」です。大海さん、「サクラは花見以外にも一年中なにがしか楽しみを与えてくれるもの」と言っていて――。 【イラスト】「春分」に楽しみたい野草といえば… * * * * * * * ◆春分(しゅんぶん) 昼と夜の長さが同じになるころで、これ以降少しずつ昼が長くなってくる。 春の彼岸の中日で、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、このころから寒さが遠のき、暖かい日が増えてくる。 新暦では3月20日~4月3日ごろ。 主な歳時記 ・3月22日…法隆寺聖霊会 ・3月29日…東京でソメイヨシノ開花 ・4月上旬…善光寺御開帳(7年毎) 上記、生物季節観測などの時期は、目安としてご覧ください。また、行事の日にちは変わることもありますので、お出かけになる場合は事前にお調べください。
◆初候 雀(すずめ)始(はじ)めて巣(す)くう スズメが巣作りを始める スズメは人間の生活圏で生息する留鳥(りゅうちょう)で、このころから枯れ草などで巣を作る。 ・新暦では3月20日~24日ごろ ・この候の植物=土筆(ツクシ) 次候 桜(さくら)始(はじ)めて開(さ)く サクラの花が咲き始める サクラは日本の国花。そのため、七十二候の本家である中国の暦にはない。 ・新暦では3月25日~29日ごろ ・この候の植物=桜(サクラ) 末候 雷(かみなり)乃(すなわち)声(こえ)を発(はっ)す 春雷が起こり始める 春雷は1~2回鳴る短い雷鳴。その年はじめて鳴る雷を「初雷(はつらい)」と呼ぶ。 ・新暦では3月30日~4月3日ごろ ・この候の植物=蓬(ヨモギ) 註)新暦該当日は、年によって1日程度前後することがあります。