社会保険改正による新しいルール「パート主婦・フリーランスも社保強制加入へ」年収106万円の壁
パートなどの短時間労働者の社保改正案
社会保険の改正により、従来であれば社会保険の適用とはならなかった労働者が、適用の範囲となるようになりました。 ●従来の社会保険適用範囲 従来は「1日または1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満、かつ1ヶ月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1ヶ月の所定労働日数の4分の3未満である」ことが加入の条件となっていました。 これが、社会保険改正により下記の労働者も適用範囲となりました。 ●改正後の社会保険適用労働者 「(1)週の所定労働時間(20時間以上30時間未満)(2)月の所定内賃金(8万8000円)(3)雇用の見込み(4)学生でないか」について、下記図表のチェック項目を満たす全ての労働者も加入が必須となります。 この条件は、雇用保険の加入要件と同一のため、今までは雇用保険のみに加入をしていた従業員についても、社会保険に加入させる義務が生じるという考え方です。 改正後の労働者に加入義務が課される企業の条件として、従来は「従業員100人を超えること」でしたが、2024年10月から従業員数が引き下げとなり「従業員数50人を超えること」となります。
フリーランスも社保加入の対象になるのか
フリーランスは基本的に「請負契約」であり、原則として「使用される者」ではないため、被保険者とはされません。ただし、形式的に請負契約が行われていても、その事業主に使用される者と同様の状態で労働し、事実上の使用関係にある者は、その事業主に使用される者として被保険者となります。 フリーランスの社会保険加入に関しては、年金局による懇談会でも意見が交わされていました。それによると、「フリーランス」という言葉で括って社会保険適用の可否を検討するのではなく、労働者性や自立性など個々の実情を踏まえて、適切に社会保険を加入させる仕組みを作る必要があるのではという方向で、今後検討がなされるとされています。