石田純一が奪われた500万円の時計とは?どんなブランドでなぜ高価なのか
心臓部である駆動装置から一貫生産するブランド
パテックが高価であることは、マニュファクチュールであることと無関係ではないという。マニュファクチュールとは時計業界の用語で、大まかに言うと時計の心臓部であるムーブメントと呼ばれる時計内部の駆動装置から自社で一貫製造するメーカーを指すのだそう。パテックをはじめセイコーやシチズン、ランゲ&ゾーネ、ロレックス、ゼニスなど人気あるブランドが名を連ねる。逆にムーブメントを自社で製造せずムーブメントメーカーから購入し多少手を加えるなどして時計を組み立てるメーカーはエタブリスール。性能の優劣というより、マニュファクチュールのほうがコストがかかるため高価になりやすいのだとか(中にはオリエントなどコストパフォーマンスを重視したブランドもある)。 「ただし同一ブランド内で自社ムーブメントを内蔵したモデルと他社ムーブメント内蔵モデルが混在するケースも多く、何をもってマニュファクチュールとするのか曖昧な部分もあります。IWC、オメガ、タグホイヤーなどは自社開発の優れたムーブメントもあるものの、汎用ムーブメントをアレンジして搭載したモデルも多く、マニュファクチュールといえるか微妙です。製造が難しいヒゲゼンマイ含め全パーツを一貫生産することをマニュファクチュールの条件とするならば、該当するメーカーは少なくなります。パテックはそんな中でもシンプルなモデルから複雑なモデルに至るまで、高精度かつ独創的なムーブメントから外装まで自社設計し、正真正銘のマニュファクチュールと呼べるでしょう」(前出・モノ系雑誌編集者)
芸能界にも愛用者の多いパテック
そんな、名実ともに高級な時計を愛用する芸能人は、石田以外にもいるという。 「石田さんは奪われたもの以外にも1000万円を超えるモデルなどパテックを何本か持っていますし、奥さんの東尾理子さんも愛用者と聞いています。堺正章さん、高田純次さん、嵐の櫻井翔さん、梨花さん、道端アンジェリカさんなどなど日本の芸能界に愛用者は少なくありません。中でも福山雅治さんはラジオ番組で購入に至った経緯について、40代後半になってから『もうパテック・フィリップしていいでしょ!って思った』と明かしていて、『芸能界とかエンターテインメントの仕事とかやってる人がおいそれと着けちゃいけない』と思いパテックはずっと避けていたと、ブランドへのリスペクトを語っています」(スポーツ紙50代男性記者) いやはや何とも芸能界らしいゴージャスな思い出話である、としか言いようがない。 (文:志和浩司)