AIエージェントの事例5選、ウォルマート、NEC、NTTデータの“面白い活用法”を解説
ここ数年、生成AI・AIの活用に取り組む企業が急速に増えており、成功事例も数多く出てきている。そうした中、現時点の生成AI・AI活用の成熟度として最も進んだレベルにある活用方法が「AIエージェント」と呼ばれるものだ。AIエージェントとは、与えた目標を達成するために自律的に考え、目的達成手段を自己決定しながら動作するAIプログラムのことだ。本記事では、実際にAIエージェントでどのようなことができるのかを整理しつつ、博報堂テクノロジーズ、パナソニック コネクト、NTTデータ、NEC、ウォルマートなど5社が開発・活用したAIエージェントの事例を解説していきたい。 【詳細な図や写真】部門ごとに導入されるAIエージェントのイメージ(出典:筆者作成)
AIエージェントとは
AIエージェントとは、人間が与えた目標を達成するために、自律的に外部ツールを選択・使用しながら動作するAIプログラムを指す。 たとえば、近年、企業の問い合わせページに導入されはじめているAIエージェントが代表的な例に挙げられるだろう。問い合わせページに導入されるAIエージェントは、顧客との会話の中から顧客の抱える課題を特定し、それに合った商品提案を行い、会話のやり取りの記録を残してくれるなど、一連の問い合わせ業務のプロセスを自律的に完結してくれる。 これは、顧客の質問に対して“自然に回答する”という限定的な役割を担う「AIチャットボット」とは違う点だ。こうした“自律性”こそが、AIエージェントの特徴と言える。 このように、近年AIを使って自動化できるようになった業務の流れを、自律的に作動するプログラムに置き換える(≒AIエージェント化)ことで、効率化を図る取り組みが出てきているのだ。
OpenAIが提唱する「AIの5段階進化モデル」とは
OpenAIが提唱する「AIの5段階進化モデル」がある(下図)。この中で、AIエージェントは第3段階に位置付けられている。 OpenAIのAI進化5段階モデル (出典:筆者作成) 現時点におけるAI活用は、2段階目に差し掛かったと言われている。そして次の姿として、AI活用の在り方は「独立した行動、または指示に基づいて行動する段階」を目指すことになるが、これがまさにAIエージェントのコンセプトと言えるのだ。 ここからは、そんなAIエージェントが、具体的にどのような活用方法で広がっていくのかを解説していきたい。