新型スズキハスラーのタフワイルドに乗った! 見ても乗っても“イイ感じ”な最新軽自動車に迫る
日本の制限速度内では十分
24年8月に試乗したのは、2モデルのうちで、よりパワフルなタフワイルドターボ4WD。インタークーラー付きターボチャージャーでもって、最高出力はノンターボの36kWから47kWに、最大トルクは58Nmから98Nmへと上がっている。 乗った印象は、0.66リッターのエンジンとは思えないほど、しっかりパワーが感じられる。とくに市街地では発進時からISG(インテグレーテッド・スタータージェネレーター)のモーターが働き、かったるさは皆無。そこからエンジン回転が上がっていくのに、しっかりトルクを積み増してくれる。 変速機は無段変速のCVTだが、特有の甲高い金属(ベルト)音は抑えこんであり、加速時は排気音を中心した音だろうか、ややこもり音が大きくなるものの、ジェントルな加速をしていくなら、それほど気にならない。 車重は890kgしかないので、軽がるとした動きにいい影響を与えているだろう。通常は車体が重くなると乗り心地が重厚になっていくものだが、この車重でも上手に設定されているのに感心。 路面からの突き上げは丁寧に吸収するし、いっぽう、よけいな上下動は抑えていて、乗り心地はフラット。ここもよく出来ている。ステアリングフィールはややあいまいだが、切り込んでいったとき、車体はちゃんとついてくる。かったるさはない。 速度が高くなると、やや苦しそうだが、そこは0.66リッターなのだからしようがない。十分がんばってくれる。日本の制限速度内では、十分だと思う。繰り返しになってしまうが、個性的なキャラクターゆえ、わざわざ選んだというオーナーのポリシーを感じさせる。そこがハスラータフワイルドの大きな魅力だ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)