【六田知弘の古仏巡礼】切り立った崖に13メートルもの 線刻の弥勒磨崖仏。800年以上の昔、危険を冒すほどに人々を駆り立てた信仰心に思いを致す(大野寺石仏、国史跡)
弥勒磨崖仏(大野寺石仏)
・読み:みろくまがいぶつ(おおのでらせきぶつ) ・像高:11.5メートル ・時代:鎌倉時代 ・所蔵:大野寺 ・指定:国史跡(登録名称=大野寺石仏)
【Profile】
六田 知弘 写真家。1956年、奈良県生まれ。80年、早稲田大学教育学部卒業。「宇宙と自然と人間との根源的なつながり」をテーマに、人、風土、建築、石、水、壁、東日本大震災の被災物などさまざまな事象を対象に撮影。特に内面を浮き彫りにする仏像写真は、国内外で高く評価されている。主な写真集に、『雲岡石窟:仏宇宙』(2010年、冨山房インターナショナル)、『ロマネスク:光と闇にひそむもの』(2017年、生活の友社)、『仏宇宙』(2020年、同)、『運慶』(2023年、求龍堂)など。www.muda-photo.com 村松 哲文 駒澤大学仏教学部教授。1967年東京都生まれ。早稲田大学大学院博士後期課程満期退学。専攻は仏教美術史・禅美術。早稲田大学会津八一記念博物館を経て現職。禅文化歴史博物館長も兼任。著書に『駒澤大学仏教学部教授が語る 仏像鑑賞入門』(集英社新書、2022年)、『関東 会いに行きたくなる仏さま』(NHK出版、同年)など。