自由なノリが光る! 見た目以上に歯ごたえのあるアクションと着せ替えが楽しい『LEGO ホライゾン アドベンチャー』
ストーリーの大筋は、シリーズ1作目である『Horizon Zero Dawn』に沿って進む。どういうわけか文明を失ったらしい人類は、「機械獣」が跋扈する世界で、狩猟を中心とした原始的な生活を送っている。 “ひとりぼっちの赤子”として見つかったために、災いをもたらすと、村の外で育てられた主人公のアーロイは、一人前になったタイミングで養父のロストから謎の機械「フォーカス」を渡される。 「フォーカス」は機械獣の弱点を解析できるほか、古の文明を起動できるすごいガジェット。どうやらアーロイゆかりのアイテムらしい。アーロイは自身の出生の秘密を追い求める過程で、人々に害をなすカルト教団に立ち向かう。
……こう聞くと、なんだか真面目な話に思われるかもしれない。だが、本作はLEGO仕様。フォトリアルなキャラクターではなく、レゴサイズのキャラクターたちによるドラマだ。物語はこんな調子のナレーションで始まる。 はるか未来 そこにはテレビもスマートフォンもSNSもない あるのは美しく退屈と言えなくもない自然のみ ああそうそう でっかい恐竜の機械もいる 機械たちがどこから来たのか そして車やビル ネコ動画で溢れるいにしえの世界が どうなったのかは誰も知らない 本作は全編がコミカルに翻案されており、イベント中はメタな突っ込みやドタバタギャグが数分に一度は飛び交う。カルト教団が村人をさらうシーンやアーロイの出生の秘密に迫るシーンなど、シリアスになりそうな展開であっても、キャラクターが突然歌いだすなど、オフビートな笑いがいたるところに仕込まれている。
ストーリーを明るく彩るのは、原作から大胆にアレンジされたであろうキャラクターたちだ。物語の中でアーロイを導きながら、プレイヤーのために緊張気味にナレーションも務めるロスト。ドタバタと転んで間を埋めるタイプの笑いを得意とする、ベタ担当の戦士見習い・ヴィゴ。たくさんのひ孫がいる一族の大長老・ティルサは「爆発だいすき」が口癖の爆弾魔。力持ちのエレンドは仲間にするには不安なほどドーナツジャンキーだが、敵にするのも怖いので仲間にせざるを得ない。これらの愉快な仲間が原作ではどういうキャラクターか、原作未プレイ勢の筆者にはわからない。でもおそらく原作にドーナツが出てこないことは間違いない。 そういうわけだから、原作のシリアスな展開を知っていてお子さん向けに購入を迷われている方には、何の心配もなくお子さんと一緒に楽しめると伝えたい。もちろん、原作をあまり知らない筆者のようなプレイヤーも、気楽なノリを楽しめる。